| <2007年8月24日付> |
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○20日に発生した中華航空の那覇での爆発炎上事故は、非常に衝撃的だった。特に台湾にいる者にとっては、台湾人、外国人にかかわらず、利用することが多い航空会社なので、ショックは大きかっただろう。人命が失われなかったことが幸いだったが、これは運が良かったということだけであって、大惨事と紙一重である。
○ちなみに、筆者は中華航空には乗らない。営業妨害をするわけではないが、14年で6回、平均2年余りに1回である。1993年の香港啓徳(カイタック)空港、1994年の名古屋空港、1998年の台湾桃園空港、1999年の香港赤鑞角(チャクラプコク)空港、2002年の台湾澎湖馬島公沖、そして今回の那覇空港。こうして並べただけでぞっとする。以前は平気で乗っていたが、名古屋での事故以降は乗っていない。取材などで中華航空の社員と何度か接触した経験から、この会社に不信感を持ったためだが、それは個人的な感想なのでここでは書かない。ともかく他の航空会社が本当に安全かどうか分からないが、中華航空の事故の確率が他よりずっと高いのは間違いない。今回の事故が中華航空にどの程度の責任があるのかは今のところ分からないが、今回も「やっぱり」という感じは否めない。 ○なぜ中華航空にこれだけ事故が多いのか、今回も台湾で多くの論議が交わされたようだ。しかし台湾の人たちも、「のど元過ぎれば熱さ忘る」の傾向が強い人たちだ。以前の事故の時もそうだったが、不思議なことにあれだけの事故を起こしておきながら、客が減らない。一時的に減ってもすぐ客が戻ってくる。法令や規則に基づく懲罰はともかくとして、国民自身が厳しい懲罰を下さず、厳しく監視を続けなければ、また同じことを繰り返すような気がする。中華航空に頻繁に乗っているというある友人は、今回の事故の話になった時、「中華航空の体質に特に問題があるとは思わない」と言うのである。中華航空はサービスが良くなったという話をよく聞くが、そうした表面的なことより、自分の命を預けるに足る会社かどうかじっくり考えてみた方が良いのではないだろうか。 ○少し古い話になるが、民進党の副総統候補に蘇貞昌・前行政院長が決まった。決定の課程は伝わっている話から想像するしかないが、国民党総統候補の馬英九氏が6月23日には蕭万長氏を副総統候補にすると発表してから2カ月近く経ている。別に相手に合わせる必要もないだろうが、この間、蘇貞昌氏と葉菊蘭氏のどちらにするかで綱引きが行われたとされており、台湾の人たちの多くに民進党は内部闘争が激しいと思わせる結果となったようだ。ただしそれを結果的にうまくまとめることができたわけで、ここまで引き伸ばしてきたことが必ずしもマイナスになるとは言えないだろう。 ○さて、民進党の副総統候補が誰になるかについては、何人かに聞いた結果、葉菊蘭氏が有力と考えている人が多かったようだ。まず女性であること。民進党総統候補の謝長廷氏、国民党総統候補の馬英九氏と副総統候補の蕭万長氏のいずれもがオヤジである。女性票を得るために、女性を副総統候補に据えるというのは正しい考え方だろう。しかし実際には、葉菊蘭氏が女性だから、女性が謝長廷・葉菊蘭コンビに投票するということはあまりないようだ。ある30歳代の女性に「葉菊蘭氏が女性だからということで、謝長廷・葉菊蘭コンビに投票するか」と聞いたところ、「ない」という明確な答えだった。ただ、蔡英文氏(前行政院副院長)なら女性として入れたいと答えてくれて、なるほどと思った次第だ。女性たちの好みの問題だ。あるいはむしろ女性ならハンサムな馬英九氏に投票すると考えるべきなのかも知れない。また葉菊蘭氏は客家人なので、客家票が獲得できるという考え方も正しいだろう。ただ、客家人はもともと国民党支持者が多く、葉菊蘭氏が客家だといっても民進党である以上は関係がない。ということで、世論調査を見ても葉菊蘭氏を副総統候補にした場合でも票は加算されないとの判断がなされたと想像できる。蘇貞昌氏を副総統候補にした最大のプラス効果は台北県だといわれるのは納得できる。台北県という大票田で、蘇貞昌氏はかつて県長(=県知事)を務めたことがあり、台北県で人気が高い。謝長廷氏はかつて市長を務めた高雄市で絶大な人気があり、南部に強い。これを合わせれば強力なパワーが生まれる。ともかく、台湾の人たちが総統を選ぶ基準は、女性とか客家人とかいうことではないようだ。 ○しかし謝長廷氏と蘇貞昌氏は仲が悪いと言われている。特に民進党の総統候補選びのための党内予備選挙での激しい応酬は決定的だった。おまけに、副総統候補が決まらないうちにアメリカに渡ってしまい、選挙応援はするがポストはいならいなど表明していた。これで蘇貞昌氏の副総統候補はなしだと考えるのは当然だっただろう。しかし私の先輩である50歳代の本省人男性は、こう言い放った。「政治家なら誰でも権力は欲しいでしょう」。台湾の有権者はなかなか冷めている。(早) |
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