『台湾通信』編集後記

<2007年10月26日付>

○「台湾名義の国連加盟」聖火リレーが24日に台北をスタートした。11日で台湾を一周し、11月3日に台北の総統府前に戻るという。陳水扁総統が最初のランナーを務め、民進党総統候補の謝長廷氏に聖火を手渡すというのだから、総統選挙に向けた民進党の選挙運動であることは間違いない。この活動が行政院体育委員会の主催であり、スポーツ活動だと言い張っても、目的は明らかだ。この活動で注目されたのは「台湾名義の国連加盟」ではなく、政府と台北市の対立だった。

○政府側はスポーツ活動と位置付け、台北市に対して通知だけを行った。これに対して国民党の【カク、赤へんにおおざと】龍斌・台北市長は、明らかに政治活動であり、集会デモ法に基づいて道路使用権を申請しなければ活動を認めないと言い出したのである。交通規制は台北市の管轄である。理屈は分かるが、これが嫌がらせであることは間違いない。陳水扁総統など民進党側は、国民党総統候補の馬英九氏が自転車で選挙活動に回った時は、明らかに政治活動であるにもかかわらず何も要求しなかったのに、民進党の活動だけにはいちゃもんを付けると反発した。陳水扁総統が「度胸があるなら捕まえに来い」などと余計なことを言うものだから、騒ぎが広がった。結局は政府側が改めて別の方式で申請し、台北市側も活動を認めた。騒いだだけで、結果は同じである。

○ということで、聖火リレーに暗雲が垂れ込め、焦点が「台湾名義の国連加盟」ではなく、リレー活動の申請問題の方にそらされてしまった。まるで「台湾名義の国連加盟」運動そのものが悪いことをしているかのような印象を持たれてしまった。最近の台湾は何でもこのようになる。先週の国連加盟マークの郵便スタンプ問題も同じである。国連に入ることについては国民党も「中華民国名義による国連復帰」を主張しているはず。加盟でも復帰でもどちらでもいいから賛成という人は半数以上を占めているというのが、最近の世論調査の結果である。国民党としては民進党の活動にみそを付け、してやったりかもしれないが、何の意味があったのか。市民にとっては朝の出勤時の渋滞だけが心配だったようだ。無意味な対立、いつまで続くのか。

○先日の午前3時ごろ、消防車の音がけたたましいのでベランダに出てみると、台北101の方向に煙が上がっていた。かなり大きな火事のようで、かなりの時間、煙が見えた。ところでオフィスにいると、よく焦げ臭いにおいがしてくる。火事かと思ってのぞくと、ほとんどが神様にお祈りする紙銭を燃やす煙なのだ。うちの台湾人スタッフも近所の台湾の人たちも何も反応しないので、おそらく慣れてしまっているのだろう。これでは本当の火事かどうか、見分けがつきにくい。私見だが、台湾に火事が多いのは、紙銭を燃やすにおいに慣れてしまって、発見が遅れるのが原因の1つではないかと思っている。

○ここのところ天気が不安定だ。雨模様になったり、異常に暑くなったりで、昨夜もかなり雨が降ったようだ。(早)



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