| <2008年03月14日付> |
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○この土日はにぎやかになりそうだ。総統選挙前の最後の土日である。民進党、国民党の両陣営が大型のイベントを用意している。いずれも台湾各地で開催される。そのうち台北では、民進党の謝長廷陣営が孫文紀念館(民進党では「国父」とは言わないようだ)に集合し、台湾を「時計と反対回りに歩く」のだそうだ。夜は台中で集会。これに対して国民党の馬英九陣営は、孫文紀念館のすぐ隣にある台北松山たばこ工場跡から総統府前の凱達格蘭大道まで歩くという。夜は台南で集会。 ○投票が近付いて、やはり泥試合の様相である。今週は国民党の立法委員4人が謝長廷氏の選挙本部に押しかけて、謝長廷氏のスタッフや支持者ともみ合いになった。民進党の支持者から殴られて血でも流せば、「民進党は暴力政党だ」と言う計画だったのか。事はそれほどうまくいかず、国民党側もこれはまずいと思ったようで、盛んに謝っていた。呉伯雄・国民党主席が4人を引き連れて記者会見で頭を下げる様子は、不祥事を起こした日本の役所や企業のようでおかしかった。この事件では、何志欽・財政部長が不思議なことに民進党政権の大臣でありながら4人に同行しており、当然のごとく辞任に追い込まれた。選挙直前のこの時期に、民進党政権に混乱をもたらしている。 ○この事件を見ると、国民党の立法委員の訪問にこれほど反発するというのは、民進党側の関係者が、相当に気が立っていることが分かる。最近、民進党幹部で大臣をやっている政治家の秘書が、あるところに就職先を探しに来たという噂が流れている。民進党は1月の立法委員選挙での大敗で浮き足立っているようで、失業を予測してか、ある政府系機関では民進党から派遣されてきた幹部が親戚や友人を次々に入れようとしているそうだ。 ○先日、以前から申し込んでいた謝長廷氏へのインタビュー、失敗が確定した。謝長廷氏はなぜか今回の選挙戦で、外国メディアのインタビューを全く受けていない。正面から、裏からいろいろなルートで接触を試みたが、いずれのルートも、どうも回りの人間が会わせないようにしているようだとの感触を得ている。最終的な返事をいただいたのは、謝長廷氏に近いというある民進党の支持者。台湾のために民進党を応援しているというこの人は、「はっきり言って、自分のような支持者でも失望した」と明言する。謝長廷陣営は、立法委員選挙での敗北以来、大混乱だという。彼によると、現在の謝長廷陣営は民進党を陰で支えてきた人間のことは眼中になく、環境が変わっているのに今でもこれまで彼らが繰り返しやってきた選挙をやっているだけだという。 ○謝長廷陣営が混乱していることは、衆目の見るところが一致している。ただ選挙での勝敗はこれとはまた別の次元の問題である。台湾の大部分の人は、馬英九氏が勝つと考えている。世論調査でも馬英九氏が大きなリードを続けている。国民党には余裕すら感じられる。しかしこれまで台湾の選挙の予測を外したことのないあるベテランジャーナリストの友人は、「それでも謝長廷が勝つと思う」と言う。その根拠は、馬英九氏が主張している「一中(1つの中国)市場」に対して、危機感が広がっていることだ。台湾の市場を中国に対して開放すれば、台湾での失業が拡大し、賃金が低下し、経済が衰退するという危機感だ。こうした変化に特に影響を受けやすい労働者や農民が、馬英九氏の政策を嫌っている。馬英九氏を支持するのは、企業、それに対中国開放によってチャンスが拡大することを期待しているホワイトカラーである。どちらが多いのかというと、分からない。もっとも「一中市場」という言葉は謝長廷氏側の造語であり、馬英九氏本人は「両岸共同市場」と呼んでいる。しかも、中国からの労働者導入は開放しないと主張している。しかしその説明、「一中市場」というレッテルの前には力がないようだ。この分析に同意する人は少なくない。馬英九氏の対中国政策は急ぎすぎであり、長期的な台湾の将来像に基づいたものではないというのである。 ○投票が近付くにつれて、「どちらが勝つと思うか」という質問を受けるようになった。しかし上記のようなことで、この種の質問にはまだ答えない方がよさそうだ。(早) |
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