| <2008年05月30日付> |
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○馬英九総統と世論との蜜月期は、就任から1週間で早くも終わったようだ。28日午前零時付けでガソリン価格が引き上げられたことが原因だ。マスコミは一斉に値上げのニュースを伝え、政権に対する不満を表明した。原油価格が上昇する中で民進党が台湾の石油価格を据え置いたことから、国営の台湾中油(CPC)の赤字が膨らんだ。いずれ値上げしなければならないことは分かっていたわけだが、今回は民進党が仕掛けたわなにしっかりはまってしまったようだ。国家社会のために悪役を演じる覚悟があるのならそれもいいだろう。ただ、これまであれだけテレビに出ていた馬英九総統の姿が突然、マスコミから消えてしまった。馬英九総統に投票した人が、「馬英九が総統になっても、すぐに景気が良くなるのは無理だよ、半年は必要」などと自己弁護のように語るのが印象的だった。 ○それにしても、28日に行われた呉伯雄・国民党主席と胡錦涛・中国国家主席との歴史的な会見も、すっかりガソリン値上げの陰に隠れて台湾では注目度が低かった。もっとも、馬英九総統が当選してから副総統に当選した蕭万長氏、連戦・国民党名誉主席と相次いで中国を訪問して胡錦涛・主席と会見しているので今回は三番煎じ。あまり何回もやっていると、新鮮味がなくなるのだろう。 ○値上げが発表された27日の午後から、近くのガソリンスタンドの前にバイクと車の長い列ができた。警察官も交通整理に出ていた。値上げ前に給油しておこうという人たちだ。その翌日からは車が減って、道路が走りやすくなった。ガソリンを節約する人が増えたのである。友人によると、高架橋を走る車も以前に比べてスピードを落としていたという。そうすれば、ガソリンが節約できるのだろうか。 ○馬英九総統のお手並みはまだ就任したばかりで分からないが、民進党政権の誕生時を思い起こさせる点がいくつかある。馬英九政権発足後、国防部長が2004年の陳水扁総統銃撃事件について立法院で勝手に自説を論じ、批判を受けて謝罪した。法務部長が前法務部長の検察官復帰を認めずに批判された。一方で国民党所属の立法委員は、内閣批判を始める。かつての民進党にそっくり。どうも統制が取れたかつての国民党とは違うようだ。国民党はもともと上意下達型のレーニン式の政党で、中国共産党と同じようによく統制された大陸式の政党だったはずだ。勝手に物を言うことは認められなかった。その代わり、内部での権力闘争は激しかった。これに対して台湾生まれの民進党はアメリカ式で、党内の対立を表面に出してしまう。今回のアメリカでの民主党予備選挙で大激戦が演じられているが、あれと似たようなものだ。国民党は台湾人アイデンティティー色を強め、台湾化しているといわれる。閣僚や立法委員が勝手に振る舞うようになったのも国民党の「台湾化」の一環なのだろうか。(早) |
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