『台湾通信』編集後記

<2008年08月08日付>

○今日(8日)は北京オリンピックの開会式である。台湾と中国の政治的関係は馬英九政権の誕生で緊張緩和が進んでいるとはいえ、中国の立場がそれによって変わるわけではない。台湾チームの名称はやはりチャイニーズ・タイペイである。さすがに台湾が嫌がるので中国側も「中国台北」はやめて台湾側が主張する「中華台北」を使用することになったが、「台湾は中国の一部」という意味合いに変わりはない。台湾にとってはすっきりしないところが残るオリンピックである。台湾の人たちのオリンピックを見る目が複雑なのは理解できる。

○ところで、台湾チームがオリンピックで使用する名称は比較的知られているだろうが、旗はどうだろう。台湾が使っている中華民国国旗は「青天白日満地紅」だが、これは承認されていない。このため、台湾のオリンピック委員会「中華奧林匹克委員会(Chinese Taipei Olympic Committee)」の旗が使われている。梅の花の中に、国旗の「青天白日」の部分と五輪があしらわれたものである。では歌はというと、「三民主義」の国歌が使えないので「国旗歌」というのが使われる。何せ台湾の選手が金メダルを取ることはめったにないので、この歌を聞く機会はほとんどないが、日本で知っている人はほとんどいないのではなかろうか。

○ところがこの歌、実は弊社では毎日、耳にしている。というのも、隣に職業高校があって、登校時の午前8時と下校時の午後5時に、国旗掲揚・降下の際に必ず歌われるのだ。今回のオリンピックでこの歌を聞く機会はあるだろうか。日本ではオリンピックがいつも関心を集めるが、台湾でいつもオリンピックが盛り上がらないのは、台湾の選手があまり活躍しないのが大きな原因だ。前回はテコンドーで女子の陳詩欣、男子の朱木炎という2人の金メダリストが出たが、今回はどうだろう。台湾の最大の期待は野球だが、ここのところ国際大会では不調なので、活躍すれば大いに盛り上がることだろう。

○最近、ある民進党の支持者に、蔡英文・民進党主席は次の総統なのでしょう、と質問したところ、「分からない」との答えが返ってきた。先の総統選挙では民進党の謝長廷候補の当選を信じてやまなかった人ですら、現在の民進党には自信がないようだ。国民党の馬英九政権に対し、経済の不調などもあって不満が高まる中で、民進党がどう攻勢を掛けるのか興味深い。ところが彼は、「民進党は党名を変えた方が良い」という。陳水扁・前総統のせいで民進党の名前に大いに傷が付いたから、名前を変えて出直すべきだというのである。ただこの人も蔡英文・主席との接触はほとんどないという。民進党党員としての経歴が浅い蔡英文・主席の人脈作りは、これからというところなのだろう。(早)



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