『台湾通信』編集後記

<2008年12月05日付>

○この間の日曜日、台北県淡水の自転車専用道路に行ってみた。このところの台湾は自転車ブームで、歩道を歩いていてもひやりとすることが多くなった。台湾はバイクもわが物顔で歩道を走るが、バイクと違って自転車の場合は音がしないからそばに来ても気が付かないのだ。そこで淡水に行ってみることにしたのは、以前から捷運(MRT)で土・日に自転車携帯での乗車ができるようになっていたのだが、まだ利用したことがなかったので遅まきながら、子供を連れて乗ってみようと思ったからだ。

○さて、家の近くにある芝山駅に行くと、駅員がここからは乗れないといって説明書をくれた。路線図で自転車のマークが付いている駅でしか乗り降りできないという。確かに利用できる駅は飛び飛びになっていて、次の駅か前の駅に行かなくてはならない。まあ近いから次の駅に行って電車に乗り込むことにする。しかし終点の淡水は自転車が利用できる駅に指定されていない。「どこで降りれば良い」と聞くと、紅樹林だというのでそこまで行くことにした。そこまでは運賃30元だが、自転車の場合はどこまで乗っても一律80元。ちと高い。

○するとその電車は、北投止まり。淡水まで行くには乗り換えなければならない。そこで北投の1つ手前の奇岩で降りて乗り換えることにした。ところがホームに下りると、運転士が「ここでは降りられない」というのである。自転車マークが付いている駅でしか乗り換えもできない決まりなのだという。しかし電車の扉はもう閉まっている。「どうすれば良い」と運転士に聞くと、「もうそのままで良いから」ということで、電車は行ってしまった。するとすかさず、ホームの係員がやってきて、ここでは乗り降りできないという。「さっき運転士から言われて分かっているが、どうすれば良い」と聞いても、相手もとにかく注意するだけで、どうしようもないのである。

○問題は帰りである。午後4時過ぎになってもう帰ろうと、今度は自転車マークのある駅に行くと、駅員がやってきて午後4時から7時までは自転車の利用ができないというのだ。私はもともと説明書を見る習慣がまったくないので、もらった説明書も地図を見ただけだったが、そんな仕組みがあるというのには気付かなかった。普通にお金を払って乗れば良いと、単純に考えていたのだが、かなり複雑なルールがあったのだ。しかし7時まで待つのはいやだ。駅員が「急ぐなら他の交通機関を利用してください」というので、どんな交通機関があるのか質問すると、「タクシー」という答え。そんなことは分かっている。ということで、タクシーで帰ることにした。結局のところ、タクシー 代と電車を使うのとでは、大して費用は違わなかったのである。

○ところで淡水の自転車専用道路。日曜日はさすがに利用者が多い。自転車ブームは分かるのだが、ロードレース用の自転車にバシッとスタイルを決めた大人から、補助車が付いた自転車に小さな子供までがそれぞれ乗っているのだから危なくて仕方がない。しかも台湾の人たちは、一般の道路と同じで子供がいようがお構いなしにスピードを出して走る。おまけにジョギングやウォーキングをしている人もいる。さらにはベビーカーを押している人もいる。要するに、車やバイクがゴチャゴチャに走っている台湾の道路と同じである。しかも、バイクは入り込んでくるし、沿線の住民なのだろうが自動車まで通っている。どうも気持ちよく走れる環境ではない。

○当社のスタッフが夜の帰宅途中、乗っていたバスが急停止した。何かと思ったら自転車が路地から道路の真ん中に飛び出してきて、危うくぶつかるところだった。ライトもつけていない。自転車ブームは環境、健康に良いことだが、安全面が意識されていないようだ。台北市長の【カク、赤へんにおおざと】龍斌さんが以前、選挙の時に自転車で転んでものすごく顔を腫らしていたことがあった。游錫コン・元行政院院長も転んだことがある。政治家もパフォーマンスで良く自転車に乗るが、お気を付けくださいというしかない。

○「わが家の辺りではススキとサクラが同時に見られます」という、日本ではちょっと考えられない光景が最近、台湾では見られるそうだ。こう教えてくれたのは、台北県新店の山奥に住んでいるスタッフである。台湾ではススキは冬の風物詩だが、あの台湾特有の真っ赤なサクラがぽちぽちと咲いているそうだ。台湾のサクラは寒くなってから咲くが、11月半ばに気温が下った時、もう咲き始めたという。烏来の辺りのサクラは、見ごろは2月である。今年はどうも早いようだという。(早)



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