『台湾通信』編集後記

<2009年02月13日付>

「我慢できない台湾人、買い物客でいっぱい」

○台湾の人たちが、我慢できる人たちだとは思えない。昨年からの不景気で、台湾も大きな打撃を受け、消費意欲も低迷している。しかし、果たしてそんなに長い間、台湾の人たちが我慢できるのだろうか。こんな時こそあれこれ考え出して、何とか苦境を脱しようとする人たちだ。ここのところ、休日になるとデパートなどの売場は人でいっぱいだ。政府の消費券効果もあったのだろうが、この盛況を見ていると、「縮こまっていることにはもう我慢できない」という気持ちが伝わってくるようだ。

○ブックフェアの第17回台北国際書展が4〜9日に開催された。私も少しのぞいてみた。この種の見本市は、われわれのようなメディア関係者は、名刺を出せば記者証をくれて、無料で入ることができる。これまで、この種の催しでお金を払って入ったことはない。本を買いの行くのではなく、催しを紹介するために入るのであり、目的が違うから理にかなっている。ところがこのブックフェア。カウンターに行くと記者証は前日に発行してもう残っていないと、どうしても記者証をくれないのである。メディアなら会社が発行している「正式」の記者証を見せろ、と言い出す始末。つまり、よくある会社の通行証のようなものだ。そんなもの、それぞれの会社で作っているものだから、いくらでも偽造できる。訳の分からないことを言うものだ。交渉に当たっていたのは同行していた雑誌社の台湾人オーナー。彼もこれにはさすがに参っていた。

○当日券を買っても100元だから安いものだが、このイベントの主催者はえらくケチである。それはともかく、見学の前に腹ごしらえをと、ブックフェアの会場となった世界貿易センターの隣にある台北101の地下のフードコートに入ると、ものすごい人である。私が座った席の向かいには、漫画を買ったと分かる紙袋を持った2人の女子高校生らしき若者が座った。ここには中高生らしき若者が圧倒的に多く、しかもいずれも漫画の紙袋を提げている。ブックフェアというより、もう漫画フェアである。今年はメイン会場だった1号館より、「漫画館」となった2号館が人気で、総参観者の6割を集めたというが、ざっと眺めただけでこれが確かだと分かる。

○私が行ったのは人気の漫画の方ではなく、日本コーナーが設けられている1号館だった。ばったり出会った日本の書籍を扱っているある書店・出版社の社長が、今年は例年より人が少ないと言っていた。平日だったせいもあってか、確かにここの展示会場はゆったりしていた。しかし最終統計では、6日間で過去最高の延べ50万人が参観したという。昨年の41万人に比べて2割増加し、売上げは昨年に比べて25%程度増加したというから、分からないものである。確かに会期中の週末は、世界貿易センターに近いわが社の前の基隆路は相当に渋滞していた。たまたま台湾大学の近くに用事があって行ってみると、どうも大学のホールではコスプレ大会をやっていたようだ、例によってアニメキャラクターの格好をした連中が昼食にでも繰り出したらしく、そのままの格好で会場の外を歩いていた。道行く人がそれを見て、連れと顔を見合わせてニヤリとした。平和なものだ。不況の中の台湾の姿の一端である。それにしても、ブックフェアが漫画ばかりとはいかがなものだろうか。

○このところ夏の気候が続いている。ここ数日、気温が摂氏28、29度まで上がっている。外を歩いている人を見ると、半そで姿の人が多い。会社の近くの夜市のそばを通ったが、これまで気温が低くてジーンズやズボンばかりだった女性たちの中に、ミニスカートが目立つ。風がさわやかで、心地良い。しかし、インフルエンザが流行っているそうだ。会社にもひどい風邪で病欠の者がいる。手足口病(腸病毒)も流行っているとかで、先ほどの出版社の友人は身体がだるいので病院に行ったら、「腸病毒」といわれたそうだ。この病気、子供だけでなく大人でも感染する。困ったものである。(早)



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