『週刊台湾通信』
第8946号(2000年12月21日発行)

主な内容

[徐弁護士の台湾論壇(265)聯華電子、石夕統を米で告訴]
建国いまだ成らず、同志よなお努力すべし―― 世新大学教授 李筱峰

リンクがはってある記事は、抄録(編集後記は全文)をご覧になれます。


[日本関係]
台湾高速鉄道機電システム、日台が調印
華邦、東芝、富士通がDRAM新製造技術開発
◎中環と富士通高見沢、台湾に富晶通を設立
◎NTTドコモ、和信電訊と共同で中国市場へ
◎トヨタ自動車、対台湾投資を拡大
日本の高校、台湾への修学旅行が増加

[経 済]
◎民進党、軍・公・教員の昇給見送りを主張
陳総統「企業の海外移転は産業の進展に」
15日から新500元札が登場
◎台湾の外貨預金残高、9月に1兆元超す
◎主計処、昨年の被雇用者動向について発表
ボーナス、通信サービスが好調
宏碁電脳(ACER)、本業赤字で海外スリム化
◎台プラ、事務部門の合理化推進へ
威盛、世界初の0.13マイクロメートルCPU登場
穏懋6インチGaAsウエハ工場が始動
◎来年の大型百貨・量販の景気、6%成長へ ◎嘉義・台南地震、台南園区で被害1.6億元
◎携帯電話、電磁波強度表示を義務付け

[大陸関係]
◎中国大陸への投資制限、大幅に緩和へ
◎工業局長「台湾は5〜10年進んでいるだけ」
中国信息部の張h・司長、台湾企業を訪問
両岸の直接送金、金門・馬祖から開始へ

[国際関係]
◎聯華電、シンガポールに12インチ・ウエハ工場
◎台湾、エジプトが相互に代表部設置へ
◎陳水扁総統、ブッシュ新大統領に祝電

[政 治]
◎陳水扁総統、政治受難者に謝罪

[生活社会]
台北魚市場オープン
◎遠東百貨台中店が廃業へ
◎市内電話料金、1月1日から55.8%値上げ
台湾の温泉、衛生面に問題あり

<編集後記>



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【特集】
建国いまだ成らず、
同志よなお努力すべし
陳水扁総統の歴史的意義

  世新大学教授 李筱峰

 現在の台湾の政治状況を見事に予言していたのが、世新大学の李筱峰教授である。このインタビューは陳水扁総統の当選直後に行なったものだが、長期的に台湾独立運動に関わり、民進党を観察し、陳水扁総統を応援してきた人物だけに、台湾で起きていることの本質をよく理解している。陳水扁総統の誕生からこれまでを振り返ってみて、その正確さに驚かされる。現在の目まぐるしい台湾の動きに振り回される中でこそ、歴史的な観点が必要なのだと感じさせられる。
 李筱峰教授は陳水扁総統の中学校時代の1年後輩で、陳水扁夫人の呉淑珍さんとはクラスメートだった。また、陳水扁総統と同様、反国民党運動に携わってきた人である。そうした縁で、陳水扁総統の選挙はこれまで必ず応援や手伝いをしてきた。陳水扁総統の親友の1人といわれる。その李筱峰教授に聞いた。          (取材:早田健文)

★ ★ ★ ★ ★

私たちは勝ったのではない。総統が代わっただけだ Q:陳水扁総統の当選についてどう評価されますか。
李:総統が代わっただけです。民進党が勝ったという人がいますが、私はただ民進党の候補者が総統に当選しただけで、民進党の勝利だとは言えないと思います。陳水扁総統の当選は国民党の分裂が原因です。国民党が分裂せず、1対1であれば、民進党が当選することはやはり無理だったのです。
 陳水扁総統は当選しましたが、台湾を大きく変えることはできません。民進党の人間が総統になったのですから、もちろん部分的には変えることができます。しかし民進党は絶対多数ではないため、完全に変えることはできないのです。
 民進党は台湾独立を主張する政党ですが、当選しても独立を宣言することはありません。台湾の政治資源が大きく変化するわけではありませんから、現実に従うしかないのです。ですから、台湾政治が大きく変わることはありません。中共は何も心配する必要がないのです。
 陳水扁総統が台湾を大きく変えようとすれば、2つの重要な部門を変えなければなりません。1つは外交、1つは教育です。
 外交部長は田弘茂氏という、比較的に中間路線の人を採用しており、台湾独立連盟の人間は採用していません。田弘茂氏はもちろん統一派ではありませんが、過去の国民党的な路線です。外交で大きな変化はありません。
 教育部長は曽志朗氏です。この人物は心理学の専門家で、教育学者です。しかし台湾の教育の本当の問題は、どのように国民を教育するかにあります。台湾人として教育するのか、中国人として教育するのか。この問題は非常に重要で、教育論だけで純粋に論じることができません。国民党はこれまで、台湾の国民を中国人として教育してきました。台湾を新国家にするには、それを台湾人として教育しなければなりません。しかし曽志朗氏は、台湾を主体として確立する意識はありません。単に教育の専門家であるだけです。このイデオロギー部分も変わることがありません。
 変化があるとすれば、内政です。国民党時代の深刻な「黒金」は、悪化が防止されるでしょう。国民党であれば悪化が続きます。国民党の支柱は「黒金」なのです。国民党の問題は、企業家は政治を投資の対象と考え、政治に従事する者はまるで企業家のようです。両者が混合しています。民進党は必ずしもそうではありませんから、悪化が防止されます。しかし、すでに政治に入り込んでいる「黒金」を排除することは難しいのです。ですから、効果は限られたものでしょう。
 また陳水扁政権を「民進党政権」と言うのは難しいものがあります。陳水扁総統の人脈は必ずしも民進党だけに限らず、また民進党内部でも完全に陳水扁総統を支持しているというわけではありません。施明徳氏がその好例です。美麗島系の一部は、陳水扁総統を支持していません。このため陳水扁総統は、民進党の各派閥をなだめなければなりません。陳水扁総統と民進党の各派閥は、関係が良好なものもあれば、そうでないものもあります。
 選挙前には、確かに各派閥は団結していました。しかし一部の人は選挙に熱心ではありませんでした。表面的には支持です。しかし積極的に応援しないのです。当選後も、陳水扁総統はすべてのポストに民進党の人材を使ったわけではありませんから、必ず不満を持つ人が出てくるはずです。
 しかも陳水扁総統の票は2分の1を上回っているわけではないので、民進党内部ばかりでなく、台湾の現実的な環境における各種の立場の人々を考慮する必要があります。これには新党や外省人を含みます。
 このため、陳水扁総統は最もやりにくい総統になるはずです。民進党内部それに、民進党以外の各勢力を考慮しなければならないのです。このため、陳水扁総統は妥協方式を採用するしかありません。
 陳水扁総統は民進党の候補者だったわけですから、民進党の政策との間に差があってはならないはずです。しかし当選後、陳水扁総統は民進党の立場を十分に発揮させてはいません。民進党としても忍耐しなければなりません。得票率は39%しかなかったのですから、互いに理解しなければなりません。
 ただ、陳水扁総統は柔軟性が非常に強い性格です。私はこれを「政客」的性格と評していますが、この言い方はやや厳しすぎるかもしれません。考えてみれば、彼が持っている条件はそれだけしかないのです。現実は、彼が自分のすべての考えを実現できる環境にはないのです。
 あるインタビューで、「あなたは台湾独立を主張している。陳水扁総統は当選しても、台湾独立は主張していない。あなたは陳水扁総統を応援してきたが、陳水扁総統が当選して、あなたの理想は達成できたのか」と聞かれたことがあります。私はこう答えました。「陳水扁総統が当選したばかりで私の台湾独立の理想に従って進むなら、私はむしろやめるべきだと忠告するだろう。私たちにはそれができる条件にはない」と。
 台湾を本当に独立した国にするなら、国名を変更し、憲法を制定しなければなりません。しかし60%の人はそうすることに賛成していません。彼らが望んでいるのは現状維持です。この現実を直視しなければなりません。自分の考えだけを進めることはできません。私たちとしては、努力を続けなければなりません。ですから、私たちは勝ったのではありません。総統が代わっただけです。国際環境、中共の態度、国民の自信、国民の観念など、理想を達成するにはまだまだ距離があります。

この続きは本誌をごらんください。


台湾高速鉄道機電システム、日台が調印

 台湾高速鉄道機電システム契約調印式が12日に東京のホテル・ニューオータニで行なわれ、台湾高鉄公司の殷h董事長と日本の台湾新幹線企業連合(TSC)の佐藤和夫総裁が調印した。これによって、台湾高鉄が日本側から機電システムを調達することが正式に決まった。調達金額は950億元。そのうち200億元は、台湾メーカーから調達する。
 台湾高鉄は日本から700系車両を導入する。最初に台湾に輸入されるのは2004年初めの予定。また2005年8月末までに機電システム工事が完成し、台湾高速鉄道は同年10月に開通する。台北と高雄を結ぶ340キロを最短90分で結ぶ。最高時速は300キロ。現在のところ8駅の設置が予定されており、将来はさらに3駅を増設する予定。
 台湾新幹線企業連合は昨年12月28日、台湾高鉄から高速鉄道機電システムの優先交渉権を取得し、半年の交渉を経て6月13日に台北で覚書に調印していた。
 調印式には、台湾新幹線企業連合に参加している三菱重工、東芝、川崎重工、三井物産、三菱商事、丸紅、住友商事の7社の代表が出席した。
 日本側は契約に従い、台湾高鉄の株の10%(約132億元)を購入する。このうち最初の入金(約24億元)が今年中に行なわれる。日本側はこのほか、機電システム契約額の85%に相当する約807億5000万元のバイヤーズ・クレジットを、年利2%以下の低金利で台湾高鉄に提供する。
 当初の台湾高鉄のパートナーで、その後の入札に負けたヨーロッパ連合はこれについて、ヨーロッパ本部に報告したうえで次の行動を決定すると表明し、台湾高鉄に対して商務仲裁または訴訟を起こすかどうかについては明らかにしなかった。


華邦、東芝、富士通がDRAM新製造技術開発

 華邦電子(WINBOND)は13日、日本の東芝、富士通と共同で0.1マイクロメートル以下のDRAMの新しい製造技術(Metal Insulator-Metal Capacitor。略称MM)の開発に成功したと発表した。華邦電子は、今回の開発成功は、台湾のDRAMメーカーの技術が日本の大手企業と共同開発を進めることが可能なレベルに達していることを示すと話している。
 華邦電子によると、同社は東芝、富士通と共同で横浜の研究室で0.1マイクロメートル以下の製造技術を開発した。この新技術は、華邦電子ウエハ第6工場(台南科学園区で来年末に着工予定。12インチ・ウエハ工場)に導入される。同工場は2003年から量産開始の予定。
 華邦電子はもともと東芝からDRAM製造技術を導入していた。その後、華邦電子のDRAM製造技術開発資金が増大したことと、同社の製造技術が日本企業からの信頼を得たことから、今年5月に同社は東芝、富士通と、DRA M製造の新技術開発の共同研究を開始した。華邦電子の消息筋は、今回開発した新技術は0.1マイクロメートル以下の次世代DRAMの量産に応用できると話している。
 華邦電子は、今回の開発成功には3つの大きな意義があると指摘している。@台湾のDRAM企業は従来、日本および韓国の大手企業から技術を移転していたが、今回の開発は華邦電子と、東芝、富士通が共同で行なったものである。A今回開発したのは台湾のDRAM産業における最初の0.1マイクロメートル以下の製造技術であり、台湾のDRAM製造技術の大きな進展である。B華邦電子は自社の製造領域を拡大するため、37人の人材を日本に派遣し、東芝、富士通と共同で1年半の時間を費やして今回の成功を得た。これは台湾のDRAM企業の開発能力がすでに日本の大手と肩を並べる水準に達していることを示す。
 華邦電子によると、今後はこの新技術を使用する権利を東芝、富士通と共有し、来年まず東芝、富士通が日本の工場で試験生産し、2002年から新技術を応用したDRAMの量産を開始する。


日本の高校、台湾への修学旅行が増加

 日本の高校生の修学旅行団が台湾を訪れるケースが増えている。最近、台湾の旅行業者が日本の各都道府県に、台湾参観を積極的に呼びかけているほか、台湾観光業界も、旅行業者の働きかけを支援している。
 台湾の陽達旅行社の楊重義董事長によると、日本から修学旅行で海外を訪れる高校生の数は毎年約20万人で、このうちの半数以上が韓国または中国大陸を訪れる。台湾を訪れるのは1%未満。しかし今年は、これまで台湾への修学旅行を行なっていなかった公立高校が台湾を選ぶようになった。
 陽達旅行社は12月に、日本からの2つの修学旅行団を受け付けた。1つは大分県立津久見高校(一行322人)で、日程は5〜9日。もう1つは大分県立日田三隈高校(一行225人)で、日程は12〜16日。この旅行団に参加した日田三隈高校の村岡秀俊校長は、今回の旅行にたいへん満足した様子で、帰国後は大分県の各校に台湾への修学旅行実施の優れた点を紹介したいと話している。
 今回、日田三隈高校の一行は台湾の料理を味わい、台北市の忠烈祠、龍山寺を訪れたほか、台北市の私立育達商職(商業高校)の学生と交流し、共に二二八紀念公園を参観した。村岡校長は、次に台湾を訪れる時は日程に余裕を持たせ、台北近郊の景勝地を訪れたいと語った。
 来年、台湾を訪れる日本の修学旅行団の数は今年より増えることが予想される。


陳総統「企業の海外移転は産業の進展に」

 11日に開かれた新竹科学園区設立20周年を記念して開催された世界産業フォーラムに出席した陳水扁総統は、祝辞の中でアメリカで1980年代に国内産業の海外移転について論議されたことを挙げて、企業の海外移転に対して悲観すべきではないと語った。
 最近、台湾のパソコン業者が生産ラインの海外移転を推進していることに対し、各界から疑問の声が起きている。しかし陳総統は、台湾がたゆまざる創造、産業のレベルアップ、知識経済の発展を続ければ、企業の海外移転はむしろ台湾全体の産業の発展につながると指摘した。
 陳総統はさらにハイテク業界に対し、政府と共に台湾を世界の知識経済の知識統合者にしようと呼びかけた。
 台湾の大手企業の代表らは陳総統の発言に対し、現在の産業界の考えに合致していると高く評価している。
 陳総統はこのほか、高速ネットワークおよび新交通システムを利用して新竹科学園区と台南および路竹科学園区を連結し、台湾をグリーン・シリコン・アイランドにするとの構想を改めて表明した。


15日から新500元札が登場

 中央銀行は12月15日(金)から新しい500元紙幣を発行する。この新紙幣はどこの銀行でも兌換でき、兌換量に制限はない。これに伴い、現在使用されている500元紙幣の流通は2002年6月30日までとなる。
 新500元紙幣は主に茶色で印刷され、正面に野球、背面にシカおよび竹、大霸尖山の図案が描かれている。また偽造を防ぐため、紙幣に透かし文字を配するなど10種類の措置が工夫されている。
 中央銀行では、来年7月に100元、2002年1月には200元の新紙幣をそれぞれ発行する。また2002年7月には2000元紙幣を発行する予定。


ボーナス、通信サービスが好調

 今年の年末ボーナスは、両極化している。景気が好調な通信サービスは、平均4カ月分が支給される。最高は8カ月。しかし、景気が低迷している紡績、証券では、もらうのが解雇手当でないことを願う状況。
 今年は下期から景気が低迷しているが、ハイテク産業の多くは2カ月以上。しかしパソコンはやや少なく、1〜2カ月。半導体の台湾積体電路(TSMC)は2カ月。
 1万ポイントから5000ポイントまで株価が下げた証券業では、例年は2カ月あったが、今年は多くを期待できない状況。
 景気が低迷している紡績、機械、食品など伝統産業では、昨年並みが維持できれば良好。ただし、自動車は伝統産業の中でも比較的好調で、少なくとも2カ月以上。
 鉄鋼では中国鋼鉄が1カ月。ボーナスを発給しない企業もある。
 また、来年の昇給については、景気低迷のため多くの業種で据え置きとなっている。そのうちハイテク産業では、現在のところ多くが模様眺めのかまえ。ブロードバンド、パッシブ・コンポーネント、バイオだけは、3〜7%の引き上げを予定している。そのうち和信超媒体は平均7%。東森、太平洋は公務員と同等の3%。
 TFT-LCDは量産が始まったばかりで、また景気低迷期にあることから、来年の営業状況を見て決定する。奇美電子(ChiMei Electronics)だけは4%を予定している。パソコンは利益が低下していることから、多くが模様眺め。
 伝統産業については、現状維持ができれば良い方で、昇給できるかどうかは来年の経営状況に頼っている。そのうち鉄鋼は中国鋼鉄と盛餘が3%を予定しているだけで、他は現状維持。
 中小企業は、法定労働時間を見て決定する。ただし経営状況が良好な企業は公務員に従い3%を予定しているところもある。
 機械、ゴム、食品、家電などは多くが未定。紡績は法定労働時間の決定状況を見て決定する。
 自動車は三陽工業が3%を予定しているほかは、利益状況を見て来年中盤に決定する。


宏碁電脳(ACER)、本業赤字で海外スリム化

 台湾のコンピュータ最大手である宏碁電脳(ACER)は、海外子会社の大規模なスリム化を計画している。ヨーロッパ、アメリカ、中南米などの子会社で人員削減を行なうとともに、生産規模を縮小する。
 最盛期には30余りあった世界各地の工場を、12〜13に減らす。同時に、ノートブック型パソコンを中心に自社ブランド製品の開発を強化する。来年は、営業収入に占める自社ブランドの比率を、現在の40%から50%以上に引き上げる。
 同社の彭錦彬副総経理によると、今年のパソコン産業の成長は予測を下回っており、このため同社の本業であるパソコン事業は赤字の状態となっている。海外子会社では、アメリカ子会社の今年の赤字は2000万ドルとなる見込み。ヨーロッパ子会社もユーロの値下がりで1400万ドルの為替差損を生じており、パソコンの損失と合わせて2000万ドル近くの赤字となる見込み。中南米は1500万ドルの赤字。この3地域での赤字が最も深刻。
 同社では赤字の拡大を防ぐため、海外子会社のスリム化を決定したもので、人員削減と生産規模の縮小を行なう。そのうちアメリカとドイツの子会社は3分の1の人員を削減する。また、ドイツでのアセンブリ・コストが高すぎるため、ハンガリーにアセンブリ工場を設立することを決定した。この工場は来年第3四半期に完成する予定で、月産能力は10万台。オランダとドイツの業務をハンガリーに移し、ハンガリーが同社にとってヨーロッパでの最大の生産拠点となる。
 このほか、アメリカの生産拠点をメキシコ国境近くに移し、コスト軽減を図る。
 今年、同社はOEM事業でIBMからのデスクトップ型パソコンAptivalの受注がストップしたほか、デルへのノートブック型パソコンの出荷も再三にわたって延期されており、このため今年の売上げが予定を下回ることになった。このため同社は再び、自社ブランドを主力とする戦略を進めることになった。
 また製品については、家庭用のデスクトップ型パソコンの生産を停止して、デスクトップ型パソコントップは入札向け、業務用に限定するとともに、ノートブック型パソコンの生産に集中する。
 そのうちノートブック型パソコンでは、アメリカ子会社で売上げが3億ドルを超えることができれば、損益がバランスを回復することが可能。家庭用デスクトップ型パソコンが不調なヨーロッパ市場では、すべてノートブック型パソコンに切り換え、来年に損益バランスを回復する。
 3年間の赤字を続けている中南米は、今年、相次いで販売拠点の閉鎖を行なっており、このためメキシコ子会社は株式市場での取引きが停止されている。解雇手当に巨費を必要とするため、来年も200万〜300万ドルの赤字となる見込み。中南米全体で300万〜500万ドルの赤字が予定されている。
 同社はこれらの地域のほか、アジアのフィリピン、中国大陸、台湾、マレーシア、シンガポール、トルコなどに子会社を持っている。そのうちフィリピンは、同社にとってアジアでノートブック型パソコンの生産拠点となっている。将来、「三通」(両岸間の交通、通信、通商の直接往来)が実現し、中国大陸でのノートブック型パソコン生産が認められれば、フィリピンでの生産業務を中国大陸に移すことを考慮している。


威盛、世界初の0.13マイクロメートルCPU登場

 台湾積体電路(TSMC)と威盛電子(VIA)は12日、世界初の0.13マイクロメートル製造技術を使用したCPUの試験生産に成功したと発表した。威盛電子の次世代のCyrixにこの最新技術が使用される。これによって威盛電子は、インテルを一歩リードすることになる。デスクトップ型パソコン、ノートブック型パソコン、IA(情報家電)などを主なターゲットとしている。
 威盛電子は最近、「VIA Cylix V」CPUを発表しており、処理速度は650MHzと667MHzに引き上げている。来年は1GHz以上のCPUを発表する予定。80ドル以下の低価格パソコンと業務用パソコン市場をターゲットとし、世界のCPU市場で年間7〜10%のシェアを目指す。来年のパソコン出荷台数が1億5000万台とすれば、威盛電子のCPUは1000万〜1500万個の出荷が期待される。
 また、聯華電子(UMC)は10月に、ドイツのInfineon、アメリカのIBMと、0.13マイクロメートルの技術を利用した高性能ネット通信チップと計算応用チップを来年初めから出荷すると発表している。


穏懋6インチGaAsウエハ工場が始動

 穏懋半導体の6インチGaAsウエハ工場が12日に生産を開始した。この工場では、高周波通信用のGaAsMMICチップを生産する予定。
 同社の呉展興総経理によると、すでにInGaP HBTとpHEMTの開発に成功しており、来年3月から量産を開始する予定。来年の生産能力は1万枚に達する見込み。2002年には生産能力を2万枚、2004年末までに10万枚に増やし、GaAsウエハ・メーカーとして世界3位以内に入ることを目指す。
 現在、GaAsMMICの価格は1枚100ドル以上。同社では将来、これを20ドルに引き下げることを計画している。現在、世界でのGaAsMMICの年産量は6インチ・ウエハで20万〜25万枚。4〜5年後には、需要は100万枚以上になると予測されている。
 同社の技術は0.15、0.25、0.35マイクロメートルのレベル。製品は無線通信、固定通信ネットワーク、小型衛星、LMDSなどの通信設備、携帯電話端末、電子材料、自動車衝突防止システムなどに応用される。


中国信息部の張h・司長、台湾企業を訪問

 台湾を訪問している中国信息産業部電子信息産品管理司の張h・司長は8日、威盛電子、鼎新、趨勢科技などの台湾企業を訪れ、中国大陸への投資を歓迎する意向を示した。
 張h・司長は今回、中国信息産業商会会長として台湾を訪問したもので、訪問団には国務院台湾弁公室経済局の唐怡・副局長、長城グループの何華康副総裁、四通グループの劉菊芬・技術総監、中国科学院軟件中心の鍾錫昌・主任などが参加している。


両岸の直接送金、金門・馬祖から開始へ

 行政院院会(閣議)は13日、「金門・馬祖と大陸地区通航試行弁法」(いわゆる「小三通」試行弁法)を承認した。「小三通」(「三通」は両岸間の交通、通信、通商の直接往来。「小三通」は地域を限定した部分的な三通)は、来年1月1日からの実施が予定されている。
 それによると、金門・馬祖地区の金融機関と中国大陸福建省の金融機関が、両岸の直接送金、輸出入為替業務に従事することが認められている。財政部、中央銀行が具体的な規定を制定した後、実施される。
 現在、台湾と中国大陸との間の送金は、第三地区を経由する間接方式しか認められていない。しかし新制度では、台湾の銀行が金門・馬祖に設けている支店を通じて、中国大陸との間の送金業務が可能となる。
 しかし邱義仁・行政院秘書長は、この直接送金が来年1月1日から実施される可能性は低いが、外資系銀行が金門・馬祖に子会社を設立して外為業務に従事する場合は、直ちに開始する可能性もあると指摘した。
 中央銀行によると、現在、金門・馬祖に支店を持つ銀行は台湾銀行と土地銀行の2行だけで、いずれも外為指定銀行ではない。金門・馬祖と中国大陸との直接送金を行なう場合は、財政部と中央銀行が実施規則を制定し、銀行はそれに基づいて許可を受けることが必要となる。
 また、金門・馬祖と中国大陸との間で船舶の直接航行、直接貿易が認められる。金門・馬祖に戸籍を設定して6カ月以上を経た者、または医療の必要がある者は、金門・馬祖から直接に中国大陸に入ることができる。
 中国大陸の住民も、商務、学術、親族訪問などのために金門・馬祖を訪れることができる。ただし、この場合は団体に限られ、1団体は10〜25人。金門での滞在期間は1泊2日、馬祖は2泊3日が限度。


台北魚市場オープン

 台北魚市場が11月25日、台北市民族東路411巷にオープンした。同日午前には、農業委員会の李健全・副主任委員、漁業署の胡興華・署長、台北市欧晋徳・副市長が出席して開幕式が行なわれた。
 欧晋徳・副市長は、伝統の魚市場は汚いというイメージがあるが、台北魚市場はそのイメージを打ち破り、魚を買うのも一種のレジャーになると表明している。台北市場管理処は、同市場は漁業署による初めてのレジャー型市場で、500坪余りの広さで産地直送販売が中心で、新鮮さが売り物だと語っている。営業時間は朝8時から夜7時までで、休日は夜8時まで営業。週休2日は、「屋外休日魚市」が催される。
 魚市場までは、淡水線円山駅または木柵線中山国中駅からバスに乗り換え、河辺公園9号門下車。
 


台湾の温泉、衛生面に問題あり

 台湾ではここ数年、温泉ブームが起こっている。この1年で温泉人口は少なくとも140万人増加し、温泉付きホテル、温泉付きレストランの成長率は40%以上となっている。
 温泉人口は増えているが、温泉設備や衛生面については問題が多い。温泉ブームのため、休日には1日当たり500〜600人が利用する浴場もあるほどで、このような状態では温泉の殺菌効果にも限度がある。浴場に温泉がわき出る設備のないところも散見される。また、体を洗わずにそのまま湯船に入る人がいたり、子供が湯船の中で排尿することがあるため、衛生面について憂慮されている。
 温泉の入り方については、食事や飲酒の直後に入るのは非常に危険とされているが、温泉付きレストランの場合、時間制限があるため守られることは少ない。
 入浴時は5〜10分ごとに必ず湯船から出て休みを取るべきだが、30〜40分入り続ける人も多いため、突然死の確率が高いと指摘されている。
 


<編集後記>

○前々回のこの欄で、「台湾のハイテク産業は、外省人が中心」と書いたところ、ある台湾の方から、確かにその通りだとのご指摘をいただいた。この方の娘さんは、アメリカに留学し、台湾に帰ってアメリカ系のあるハイテク会社に入った。ところがこの会社は外省人一色で、本省人は彼女だけ。外省人から一種のいじめにあって、数カ月で転職したのだそうだ。次に入ったのは、やはりアメリカ系だが今度は自動車会社。ここも外省人ばかりの会社だが、彼女は留学する前にもやはり台湾で自動車会社に勤務していて、貿易業務などがよく分かる。普通のアメリカ帰りのエリートには、貿易業務なんて分からない。そのため彼女はこの会社では重宝され、いじめられることはないという。ある面ではたしかに本省人と外省人の対立、「省籍問題」は解消されているのだろうが、この問題が今でも悪い意味で厳然と存在することに驚かされた。台湾のハイテク産業が発展するにつれて、日本企業も台湾のハイテク企業と接触する機会が増えているが、相手の多くは日本人がこれまで慣れ親しんできた本省人ではないことを頭のどこかに入れておくと役に立つかもしれない。

○台湾では、いわゆる外国人労働者を極めて頻繁に見かける。東南アジアから出稼ぎに来ている人たちだ。台湾には4つの社会グループ(族群)があり、?南人、客家人、外省人、原住民がそれだ。しかし実際には外国人がすでに原住民の人口を上回っており、?南人、客家人、外省人に次ぐ第3の社会グループを形成しつつある。日本人やアメリカ人のようなホワイトカラーの労働者は別として、基層労働に携わるブルカラー労働者は勝手に台湾に来ることは認められず、台湾の政府が東南アジア各国と提携し、割当制度を採用して合法的に導入している。これは日本にはない制度だ。道を歩いていてよく見かけるのは、子供と遊んでいる東南アジア系の女性たちだ。しかし、車椅子に乗ったお年寄りを押している外国人労働者を近所でもしばしば見かけるようになった。日本では高齢者の介護保険が導入されたが、台湾の社会福祉はそこまでの水準にはない。台湾の場合、これまで高齢者は家族で世話をするのが常識だった。しかし核家族化が進み、しかも夫婦ともに働くことが多い台湾では、やはり家族だけで世話をすることは難しい。しかし日本のような介護保険制度や十分な施設がない台湾では、高齢者介護に東南アジアの外国人労働者を導入することが多くなっているようだ。もちろん費用は自己負担だが、こうした解決方法もあるということか。このためか、台湾ではまだ高齢者介護を政府主導で、という論議は起きていない。

○年の瀬である。しかし台湾は旧正月で祝うから、いつものことだが新暦の正月には何の雰囲気も感じない。ただ今年は1月24日が春節で、1月に2回も正月が来るから慌ただしい。今年は昨年のようなコンピュータの2000年問題がないので特別な緊張感はないが、そういえば来年はなんと21世紀になるのだ。子供のころは世紀が変わることはどんなにすごいことかと思っていたが、今になるとさしたる感激もない。あくまで日常の延長にすぎないのだから。                    (早)

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