『週刊台湾通信』
第9023号(2001年6月28日発行)

主な内容

これこそ現在の台湾独立運動だ 立法委員(民進党)李文忠

リンクがはってある記事は、抄録(編集後記は全文)をご覧になれます。


[日本関係]
サッポロ・ビール、台湾に工場建設へ
NTTドコモ、和信電訊の持ち株比率を増加
◎美斉、日本のNMVからモニター生産を受注
◎大宝精密、日本側株主が持ち株比率58%に拡大
陳水扁総統夫人、長栄の進水式で日本訪問

[経 済]
◎陳総統、中小企業の貢献を強調
◎経済発展諮問委員会、8月末までに決議
中華開発の董事改選、劉泰英氏が大勝
1〜4月の建設許可面積、45%減少
◎中央銀行、来年7月に2000元紙幣を発行
上場企業の5月の総売上高、昨年比3.86%減
◎聯華電子、第2四半期は赤字の予測
◎国賓陶瓷、アメリカ企業と技術提携
◎米Amkor、上宝と台宏の経営権取得
◎大型販売業の競争激化
コジェネレーションの発電量が増加
1〜5月の閉鎖工場、昨年比69%増
◎海外からの対台投資額が減少傾向
◎UPSの飛瑞が成達の株60%を購入
◎21日の株価指数、5000ポイント割り込む

[大陸関係]
◎1〜5月の対中国投資額、昨年比33%増加
◎高林股公司、中国投資額を拡大
◎聯華電子の曹董事長、密かに上海を訪問
◎蔡英文氏、中国への直接投資解禁を考慮
王永慶氏、「1つの中国」受け入れ主張

[国際関係]
自転車の美利達、米Specializedに投資
◎明碁電通、マレーシア工場で700人を解雇
◎5月の対外投資額、昨年同月比166%増
台湾、18日午前にマケドニアとの断交発表

[政 治]
台湾北社の成立大会で前・現総統が祝辞
◎李登輝派国民党員、35議席獲得も可能か
◎李登輝派の政治団体、最終目標は政党結成
◎陳水扁総統、「族群対立強調は不道徳」
◎台湾軍、パトリオットの試射に成功

[生活社会]
中国信託商業銀行、土・日の営業を開始
◎学校の春休み(4月)、来年から取消し
パイプ・カット手術者が6年で15倍に

<編集後記>



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【特集】
子供たちに自分たちの周囲を教え、台湾をより良いところにし、そして国際的な現実を認識させること

これこそ現在の 台湾独立運動だ

苦境打開の唯一の道は 李登輝派との提携

立法委員(民進党)
李文忠

 今、台湾政治で最も話題になっているのが、政界再編である。その渦中にある立法委員の李文忠さんに、今後の行方についてうかがった。李文忠さんは民進党立法院党団副召集人を務めたこともある、若手の政治家の代表的存在だ。  また、台湾独立の現在の姿について李文忠さんは、スローガンを叫ぶのではなく、子供たちに自分たちの周囲を教え、台湾をより良いところにし、そして国際的な現実を認識させることだと指摘する。                    (取材:早田健文)

★ ★ ★ ★

混乱の原因には2つある
Q:台湾の発展過程は、「民主化」で説明することができました。その結果、政権交代が実現したわけです。しかし民進党が政権を獲得した後、民主化という言葉では台湾の将来を予測できなくなったように思います。この問題についてのご意見をお聞きしたいと思います。
 まず、民進党が政権を獲得してから1年になりますが、その間の意義はどこにあるのでしょう。また、どのような成果があったのでしょうか。
李文忠:民進党の政権獲得は政権交代を意味するものであり、民主化の結果です。
 しかし、世界の他の国を見てみますと、第三世界の国々では、野党が長期的な努力によって政権を獲得した後、ほとんどが旧勢力に政権を返しています。東南アジア、ラテンアメリカ、東欧などがそうです。例えば東欧では、現在、政権についているのは、ほとんどが以前の共産党です。
 そのため、政権交代は正常な場合、2回です。まず野党に交代し、再び旧勢力に戻るのです。台湾では、私たち民進党としてはもちろんそうしたことになってほしくないと思っています。しかし、そうした宿命からは逃れられないかもしれません。
 この1年間を振り返って、主な成果は1つだと思います。それは両岸関係です。もともと李登輝総統の「二国論」発表に加えて、陳水扁総統が当選しました。中国にとっては、これは強烈な台湾独立のシグナルです。このため、はっきり言って両岸関係は非常に不安定な状態に入りました。
 陳水扁総統は就任後、両岸関係について実務的な態度を示しています。中国は満足を示していませんが、少なくとも両岸関係は安定し、直ちに戦争が発生するという脅威はありません。これについては、アメリカを含めた国際社会から賞賛を受けています。さらに多くの問題や不確定性さはありますが、少なくとも戦争が発生する脅威はないことは、唯一、成果と言えるものです。
 問題点はたくさんあります。まず、陳水扁総統の潜在力は必ずしも強固なものではありません。陳水扁総統の得票率は39%しかありません。民進党は立法院で29%の議席しか持っていません。このため、この政府を支える実力が十分にありません。
 また、現在の台湾の制度は二重首長制に近いものであり、行政と立法の関係は内閣制に近いのです。つまり、国会の多数の支持がなければ、法案や予算や政策は推進できません。しかし、陳水扁総統と民進党は当初、与党連合を組織しませんでした。現在の多くの混乱はこれが原因となっています。
 次に経済です。経済は全世界の不況に直面したことが主な原因です。アメリカのナスダックは5000ポイントから1800ポイントに下落しています。台湾は小さな国ですから、これに逆らう能力がありません。また、日本のような大国ですら、政府はバブル経済の崩壊後、巨額の資金を投じてきましたが、問題は解決されていません。ましてや台湾に、バブル崩壊の問題を解決する能力はありません。
 この2つの問題は、民進党に解決できることではありません。
 経済に関しては、運が悪かったと言えます。世界的な不況に直面し、バブル崩壊の問題が解決されてこなかったこと。
 それに対して民進党は、経済に関して経験、能力とも弱いのです。経済がきちんとできれば、他の分野が少々悪くても関係ありません。しかし経済がだめなら、ほかが良くても評価されません。経済はカギです。
 しかし私たちの経済の政策、人材は非常にぜい弱です。例えば、陳水扁総統の経済の青写真、策略は何なのか。施政計画、優先順位。実のところ非常に混乱しています。国民党時代の経済チームに比べて、私たちのチームははるかに経験と能力が劣っています。このため、処理がうまくいっていません。
 重要な問題は、この2つだと思います。1つは与党連合を組織しなかったことから、政策が推進できないこと。もう1つは経済面に弱いことに加えて、世界経済の低迷と、台湾のバブル崩壊の問題という客観的な要素です。この2つが、現在の混乱の原因になっています。

李文忠
1958年生まれ、台湾南投出身 台湾大学政治学科。 学生運動に従事、卒業後は労働運動団体に参加。 1992年、国民大会代表に初当選。 民進党国民大会党団幹事長 1997年、台北県政府機要秘書 1998年、台北県政府県政顧問 1998年、立法委員に初当選 民進党立法院党団副召集人

(この続きは本誌をごらんください)


サッポロ・ビール、台湾に工場建設へ

 日本のサッポロ・ビールの幹部が最近、頻繁に台湾を訪問し、台湾での工場建設用地の視察を行なっている。ビール工場の建設経費は30億〜40億元に上る見込み。リスクを低下させるため、当初は台湾省たばこ酒公売局と提携し、OEM方式で台湾での生産を行ない、販売量が一定規模に達した後、直接、工場設立を行なう考え。
 台湾で新たばこ酒税法の施行が早まる見込みで、このため海外のビール会社はコスト削減と鮮度維持のため、新たばこ酒税法施行前に台湾で工場を設立することを計画している。
 台湾省たばこ酒公売局は3年前、中興ビール工場で海外メーカーの代理生産を行なうことを決定し、サッポロ、キリン、アサヒなど日本の著名メーカーが応札を予定していたが、財政部が中止を指示したため実現しなかった。
 サッポロ・ビールの台湾総代理である東順貿易公司によると、サッポロ・ビールは長年にわたって台湾省たばこ酒公売局と生産委託について交渉を進めており、新たばこ酒税法の実施後、600ccのビン入りと350ccの缶入りの生産を委託したい考え。ビールの輸入税は現在、1リットル当たり30元で、新たばこ酒税法実施後もほぼ同水準となり、将来、値上げは行なわない予定。
 たばこ酒税法の施行後、1年目は果実酒工場、2年目は洋酒工場、3年目はビール工場の建設が解禁される予定。
 サッポロ・ビールの今年の台湾での輸入目標は100万ケース。コスト軽減と出荷までの期間短縮のため、台湾での生産の可能性を探るため幹部が台湾を訪れている。しかし、サッポロ・ビールが台湾で好成績を上げているのは、日本からの輸入を強調しているためで、将来、OEM方式で台湾での生産を行なった場合、消費者に受け入れられるかどうか、日本本社では懸念しているという。


NTTドコモ、和信電訊の持ち株比率を増加

 和信電訊は現在、現金による増資募集を行ない、同社1億8700万株を、1株30元で発行している。募集金額は56億元で、募集期日は6月22日まで。和信電訊の大株主であるNTTドコモは18日、和信電訊に対して5600万ドルを投資することを決定した。これにより、NTTドコモの和信電訊に対する持ち株比率は現在の20%から最大21.43%に引き上げられる見込み。
 NTTドコモは昨年11月に和信電訊株を20%購入した。今回、和信電訊に対する持ち株比率を増加したことに関して、NTTドコモは声明の中で、台湾でi-mode likeサービスの推進や次世代移動通信サービスの基礎を築くためには、和信電訊の価値を高める必要があるためと述べている。
 台湾i-modeサービスは、NTTドコモが提供する2.5世代技術サービスを採用し、今年秋から台湾でのサービス提供を開始する予定。


陳水扁総統夫人、長栄の進水式で日本訪問

 陳水扁総統夫人の呉淑珍さんが21日、長栄(エバーグリーン)グループの張栄発・総裁の招きに応じて、日本を訪問した。呉淑珍さんは22日に三菱重工神戸造船所で行なわれる長栄のE型コンテナ船「長鷹輪」の命名・進水式に出席する。
 呉淑珍さんには、陳哲男・総統府副秘書長、総統府公共事務室の郭瑶h・主任、呉淑珍さんの母親、兄嫁、国泰医院の陳楷模・院長、新光医院の黄芳彦・副院長、長栄グループの林省三・副総裁などが随行し、長栄航空(エバーエア)機で大阪に到着した。一行は神戸のホテル・オークラに宿泊した。


中華開発の董事改選、劉泰英氏が大勝

 中華開発工業銀行の董事(取締役)、監事(監査役)の改選が20日に行なわれた。董事選挙では、李登輝・前総統の支持を受けた現董事長の劉泰英氏を中心とするグループが全21席中の3分の2以上を占める14席を獲得し、圧勝した。劉泰英氏自身は最高得票で当選した。
 一方、胡定吾・中華開発工業銀行総経理が推薦したハイテク企業の董事の林百里・広達電脳(QUANTA)電脳グループ董事長、焦佑倫・華新麗華董事長、簡明仁・大衆電脳(FIC)董事長らはいずれも落選し、確保できたのはわずか3席だった。また胡定吾・総経理の席次は8位。
 改選の結果、董事全21席のうち、政府株の董事4席(台湾銀行、中国国際商業銀行、交通銀行、耀華玻璃)、胡定吾・総経理派の3席を除く14席が劉泰英氏支持の董事で占められた。これで、劉泰英氏が中華開発工業銀行の新董事会を完全に掌握することになった。
 劉泰英氏は、今後は株主のために全力で業務を進めると抱負を述べたほか、新董事の協力を希望すると語った。
 中華開発工業銀行は21日、改選後の最初の董事会を開催する。この董事会では董事長が選出されるが、劉泰英氏の継続が確実視されている。ただ、劉泰英氏が胡定吾・総経理の継続を希望するかどうかは微妙なところ。


1〜4月の建設許可面積、45%減少

 行政院主計処が19日に発表したところによると、今年1〜4月の建築物建造許可床面積は758万平方メートルで、昨年同時期に比べて45.2%減少だった。これは、台湾の営造業の景気低迷が続いていることを示している。しかし、政府が優遇利率の住宅ローンを提供していることから、台湾系銀行による住宅ローンは4月末、昨年同時期に比べて4%増加した。
 そのうち今年1〜4月の住宅建造許可面積は157万平方メートルで、昨年同時期に比べて52.9%減少だった。商店は70万平方メートルで74.9%減少。工場は193万平方メートルで38.2%減少。オフィスは46万平方メートルで59%減少。
 1〜4月の建築物使用許可は総面積1021万平方メートルで昨年同時期に比べて11.1%減少。そのうち住宅は279万平方メートルで16%減少。商店は157万平方メートルで3.4%減少。工場は228万平方メートルで11.3%減少。オフィスは92万平方メートルで32.3%減少。


上場企業の5月の総売上高、昨年比3.86%減

 台湾証券交易(取引)所が19日に発表した統計によると、5月の売上高を報告した上場企業529社の総売上高は4772億元で、昨年同月に比べ3.86%減少した。銘柄別では、営造株の売上高が昨年同月比21.48%増加し、最高の成長率を残した。
 証券交易所によると、規定によって5月の売上高を報告しなければならない上場企業の数は529社で、このうち売上高が昨年5月を上回った会社は205社だった。205社の総売上高の成長率は25.34%。また、5月の売上高が昨年5月を下回った会社は324社だった。324社の総売上高の減少率は19.65%。


コジェネレーションの発電量が増加

 経済の発展に伴い、台湾では電力使用量が毎年増加している。政府は電力不足の問題を改善するため、コジェネレーションの建設を推進している。また1995年には、民営発電所の建設を解禁した。
 2000年の台湾の総発電量は1849億キロワット時で、1996年の1420億キロワット時に比べて30.2%増加した。最近4年間での発電量は毎年平均6.8%増加した。2000年の発電量を発電所別に見ると、台湾電力の発電量が1453億キロワット時で最多(総発電量の78.6%)、コジェネレーションの発電量は302億キロワット時(総発電量の16.3%)、民営発電所の発電量は94億キロワット時(総発電量の5.1%)だった。
 企業のコジェネレーションおよび民営発電所への投資が進められ、電力供給が行なわれるようになり、台湾ではコジェネレーションおよび民営発電所の発電量が毎年増加している。この影響で、2000年における台湾電力の発電量が同年の総発電量に占める比率は、1996年に比べて10.8ポイント低下した。
 2000年にコジェネレーション設備へ投資した企業は89社で、1996年より19社増加した。


1〜5月の閉鎖工場、昨年比69%増

 経済部工業局が21日に発表した統計によると、台湾で今年5月に設立された工場の数は276(昨年同月比250減)、閉鎖された工場の数は289(昨年同月比19減)。
 今年1〜5月に設立された工場の数は1636(昨年同月比562減、減少率は25.56%)、閉鎖された工場の数は2911(昨年同月比1196増、増加率は69.74%)だった。
 今年1〜5月の各月に閉鎖された工場の数は、1月:307、2月:496、3月:1337、4月:482、5月:289.このうち1〜4月については、台中県、台北県、桃園県での工場の閉鎖が目立った。
 これらの数字から、近く発表される台湾の5月の失業率は過去最高を、輸出受注額は過去最低を更新する可能性がある。


王永慶氏、「1つの中国」受け入れ主張

 台湾プラスチック・グループの王永慶・董事長は19日、台湾経済が困難に直面している中で、中国が主張している「1つの中国」原則を受け入れることしか、解決の方法はないと表明した。また、現在の国内の政治的な混乱を強く批判し、現在の与党は40年前の国民党よりも劣っていると指摘した。
 これは、王永慶・董事長が、王金平・立法院長が中心となって設立した国家バイオ医療委員会の開幕式で講演した中で語ったもの。この開幕式には、張俊雄・行政院長、許水徳・考試院長、翁岳生・司法院長、李遠哲・中央研究院長なども出席した。
 王永慶・董事長は、中華民族の発展の重要な時期にあって、台湾は中国の「1つの中国」の主張を受け入れ、双方が平等に対応し、両岸の将来の経済的基礎を共同で模索するべきだと主張した。
 また陳水扁総統と李登輝・前総統の関係が密接化していることについて、自分に政治は分からないとしながら、李登輝・前総統は年齢も高く、あれほど苦労することはないと語った。そして、混乱が続けば台湾にとって不利だと指摘した。


自転車の美利達、米Specializedに投資

 台湾の自転車メーカー第2位の美利達工業(Merida)は、アメリカの自転車ブランド最大のSpecializedに3000万ドル近くを投資し、49%の株を取得する予定。これによって、美利達は引き続きSpecializedからOEM生産を受注することができる見込み。将来、年間15億元以上の営業収入が確保される。
 Specializedはアメリカ最大の自転車ブランドで、アメリカ市場でのシェアは金額で17%、台数で14%。主に高級自転車を生産しており、年間売上は約2億ドル。部品の外部調達だけで年間1億ドルに上り、自転車のOEMメーカーは受注を争っている。
 美利達の曽ッ柱・総経理によると、SpecializedからのOEM受注は今年9月から増加を始める予定。受注額は現在の8億元から、15億元に増える。利益率は5%。今年の利益を3750万元と予測している。台湾の自転車トップ・メーカーの巨大機械(GIANT)に迫ることになる。
 美利達では将来、Specializedの生産ラインを段階的に美利達に移し、美利達が持つ販売ルートを通じてSpecialized製品を台湾、中国市場に導入することも考慮している。
 美利達の今回の投資は、Specializedの親会社であるTheEripTeamに約2962万ドルを投資し、同社の董事(取締役)5ポストのうち2ポストを取得する方式で行なわれる。美利達は同社の経営に参入しないが、契約上で一定の受注を確保する。
 また美利達は、早ければ7月末にドイツの自転車メーカーCenturionと合弁で新たな販売会社を設立する予定。ドイツ国内で両社のブランドの製品を同時販売する。


台湾、18日午前にマケドニアとの断交発表

 外交部は18日午前11時に記者会見を開き、張小月スポークスマンが、即日付けで台湾はマケドニア共和国との外交関係を打ち切ったと発表した。マケドニア共和国大使館は閉館され、両国間の協力計画はすべて停止され、台湾からマケドニアを訪れている農業指導員など各種の産業指導員はすべて同国を撤退する。
 台湾とマケドニアとの友好関係は約2年で終了した。これで、台湾の友好国は28カ国となった。
 マケドニア政府は、台北時間の18日夜に中国大陸との国交樹立を発表する予定。台湾はこれに先立ってマケドニアとの断交を発表した。
 台湾の外交部は、台湾の政府はマケドニアが中国大陸当局の威嚇や誘いに屈服したことを非常に遺憾に思うと指摘し、即日をもってマケドニアとの断交を決定したと表明した。


台湾北社の成立大会で前・現総統が祝辞

 台湾意識が極めて強い政治団体「台湾北社」の成立大会が、16日に台北市で開かれた。この団体は台湾北部の学界、医学界、文化界、法曹界の関係者らによって組織されたもの。成立大会には、陳水扁総統、李登輝・前総統が出席した。
 李登輝・前総統は祝辞の中で、「台湾で最大の歴史的運動はまだ完成していない」と述べ、「台湾の人の団結、組織結成に関心を持とう」と呼びかけ、新台湾の誕生、正確な道筋からの極端な離脱がないよう見届けようと強調した。
 李登輝・前総統は祝辞を述べた後、陳水扁総統と握手を交わした。2人とも笑顔で参加者にあいさつした。現総統と前総統が同じステージに立つのは初めて。これは、連戦・国民党主席、宋楚瑜・親民党主席の協力体制に対する新しい協力体制の誕生といえる。
 李登輝・前総統は、「ある1人の人物が民意の主流の所在を認識せず、政治の思惑を調整しようとせず、政治に対する民衆の切なる叫びから遊離しており、新時代の順調な発展に影響を及ぼしている」と指摘し、これが台湾で政権の平和的な交代が行なわれた後も政治の状況が変わらない原因であると強調した。
 陳水扁総統は、李登輝・前総統と共に台湾北社の成立大会に出席できることに喜びを感じると述べた。さらに、内外の政治、経済情勢の変化という局面に相対している現在、台湾は国内での対立によって国力を消耗させることを避け、国力の向上に努めるべきだと指摘した。
 また陳水扁総統は、台湾の民主は細い茎の上に咲いた大輪の花のようなもので、美しいけれども脆弱だと指摘し、人民の参与、社会の良識による覚醒だけが台湾の民主の効果を発揮させることができると強調した。


中国信託商業銀行、土・日の営業を開始

 現在、台湾の金融機関は週休2日制を実施している。こうした中で中国信託商業銀行は毎週土、日曜日の窓口業務の営業を行なうことを決め、16日(土)から台北市松寿路にある本店営業部および永和市の太平洋百貨店内の営業所で実施した。この制度は、端午節、国慶節など国定休日と重なった場合も行なわれる。
 現在のところ、営業時間は午前10時30分から午後7時までで、営業項目は口座開設、現金の預け入れおよび引き出し、振り込み、ファンド購入申請受け付け、クレジット・カードおよび各種の融資申請受け付けなど。為替および外為関係の業務は行なっていない。
 中国信託商業銀行では、顧客からの需要に応じて土、日の営業拠点を増やす方針。


パイプ・カット手術者が6年で15倍に

 台湾企業の中国大陸進出が盛んに行われている陰で、避妊のためのパイプ・カット手術を受ける男性の数が急増している。これは計画出産の観念の普及によるものもあるが、夫が赴任先の中国で、愛人に子供を作らせることを防ぐために、妻が夫に手術を強要するケースが増えているためと考えられる。
 書田医院によるとパイプ・カット手術を行った男性の数は、1994年の18人から、1997年には初めて100人を突破し、2000年には256人となった。この6年間で約15倍に急増している。また今年1〜2月の数は、昨年同期比約2倍となっている。
 国泰医院泌尿器科の鄭永利・医師によると、かつて台湾では男尊女卑の考えが強かったことと男性のパイプ・カット手術への認識不足から、女性が避妊手術を受けるケースのほうが多かった。しかし近年、この考え方が変わりつつあるという。
 書田医院泌尿器科の呉国均・主任は手術を受ける男性に対する問診過程において、「自らの意思で」手術を受ける男性は約30%、配偶者との「話し合いの結果」が約30%、配偶者に「強要されて」が約40%を占めることを発見した。つまり半分以上の男性が自分の意思で手術を受けるわけではないという。このタイプの男性は主に40〜50歳代に集中している。その理由として、中国赴任の準備として配偶者に手術を迫られたことを挙げる男性が多いという。そのため、いざ手術という段階になって逃げ出す男性も多い。
呉主任は手術後にパイプ再生手術を行うことも可能だが、精子の質に影響するため、なるべく術後5年以内に再生手術を行うように呼びかけている。
 呉主任によると、パイプ・カット手術は泌尿器科が最もよく行う手術の1つで、アメリカでは約7%の夫婦が採用しているという。つまり年間約50万人の男性がこの手術を受けている。手術の時間も短いうえに、合併症を起こすケースも少なく、手術直後は激しい運動を避け、薬を服用するだけで、1週間後には性交渉を行うことも可能。
呉主任は男性のパイプ・カット手術は、女性の避妊手術などよりも確実で有効的な方法だと述べている。


<編集後記>

○今週の特集は、立法委員の李文忠さん。テレビの討論番組にもよく登場する、民進党の論客である。今年43歳の若手政治家だ。このところ、李登輝・前総統が新政治団体を組織しようとして動きを活発化させている。李文忠さんも民進党政権を安定させるには、李登輝・前総統との提携しかないと主張している。

○李文忠さんの話で興味深いのは、国際社会の現実の中で、台湾は中国に対して一定の譲歩を行なわねばならず、ある程度の犠牲を払うことで中国との安定関係を勝ち取らなければならない、と語っていることである。実はこの主張、民進党国際事務部の田欣・主任(本誌8943号でインタビュー)がアメリカで講演した内容と一致している。田欣さんはこの発言によって党内から批判を浴び、大騒ぎになった。そのせいか、李文忠さんも発言は慎重。この2人はほぼ同世代。李文忠さんは本省人、田欣さんは外省人と違いはあるが、2人とも台湾独立を望む民進党の政治家だ。しかし、彼らの台湾独立思想は、老世代の台湾独立とはやや異なっている。それは、李文忠さんが去る3月18日に行なわれた台湾独立デモに対して批判的なのを見てもよく分かる。日本でも知られる金美齢女史の台独運動も批判している。ただ、党内ではいまだ、李文忠さんたちの意見が大勢になっているわけではないらしい。むしろ老台独からは腰抜けと思われるようだ。老台独にとっては、中国と外省人は不倶戴天の敵であり、打倒すべき憎き相手だ。これとの妥協など考えられない。両世代の違いは、李登輝・前総統と陳水扁総統の違いそのものである。「台湾独立派」と一言で言っても、決して一枚岩ではないようだ。ただし最近の状況を見ると、時代は確実に李文忠さん世代に移っている。恨みつらみが判断基準とはならない、極めて現実主義だ。

○真珠湾攻撃の映画「パールハーバー」が台湾でも公開されている。またまた、悪名高き日本軍の登場だ。先日、地下鉄の忠孝復興駅を通りかかると。構内に映画の宣伝なのか、真珠湾攻撃の写真が説明付きで飾ってあった。当時の本物の写真と映画の写真が並べられている。この種のものにしては、立ち止まって見ている人が多い。一緒にいた台湾人いわく、「日本人だと分かったら、きっと石を投げられるよ」。というのは冗談。でも考えてみると、「ニイタカヤマノボレ」というのは確か真珠湾攻撃の暗号ではなかったか。「ニイタカヤマ」とは新高山のことで、当時の日本領土で最も高かった山。それは台湾にあって、今の名前は玉山である。真珠湾と台湾とは無関係ではないのだが、見ている人は知ってか知らずか。

○この原稿を書いている窓の外では、稲妻が走っている。これから午後は、スコールで外に出られなくなる日が続くことになりそうだ。ところで月曜日は端午節で休みだった。端午節はチマキがつきものだが、今年も食べなかった。嫌いなのではなく、新聞などであれだけカロリーの高さを指摘されると、さすがに手が出ない。脂肪を減らさなければならない身としては、やはりやめておくに限る。それにしても中秋節の月餅にしろ、中国系の節句の食べ物はなぜどれもカロリーが高いのだろう。台湾では端午節を過ぎると、冬物はしまってよいことになっている。本格的な夏である。 (早)

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