『週刊台湾通信』
第9219号(2003年5月22日発行)

主な内容

≪重症急性呼吸器症候群(SARS)緊急情報E≫
      ◎WHO、台湾をSARS高度感染区域に指定
      ◎そごう忠孝店、消毒のため3日間閉鎖
【台湾人の治安に対する意識】【台湾の製造業生産/文化レジャー】

リンクがはってある記事は、抄録(編集後記は全文)をご覧になれます。


[日本関係]
◎台湾本田、新車の屋外展示活動を延長       
◎台湾製自動車パーツ、対日輸出が過去最高
◎NEC、中国のPC生産ラインの一部を台湾へ 
◎沖電気、台湾の品佳と合弁会社  
◎中国鋼鉄と住友金属、303億円で合弁会社設立へ 
◎日清食品、統一の昆山子会社に資本参加  
◎日本の坂口厚労相、台湾のWHO加盟を支持  

[経 済]
◎台北市の各商圏で店舗賃貸料が下がる
◎東元電機、台湾高鉄の76.5億元の工事落札
◎高速鉄道、いよいよ軌道工事の段階に
◎南港ソフト園区、フィリップスが進出へ
◎中部科学園区、入区申請を受理
◎3月のデリバティブ、前月比31.54%増加
◎情報製造業者、大手2社が拮抗  
◎泛宏碁(acer)グループ、1〜4月の業績好調
◎台湾のIC産業、第1四半期は9.6%成長 
◎UMC、4月の営業収入は26カ月来で最高
◎IBM、威盛電子(VIA)と積極的に接触  
◎中環、下期にCD-Rディスク価格を10%引上げ
◎パネル・DRAM大手、下期に800億元を募集
◎TFT-LCD駆動IC、新会社が参入
◎中国石油化学、CPL生産能力を拡大へ
◎自動車パーツの東陽、開億、業績が急成長
◎台湾、PTA世界最大の生産地に
◎縫製品メーカー、4月の運営は好調
◎宝成(Pou Chen)、広達(QUANTA)に投資へ
◎台湾、14日からマスク輸出を禁止に
◎企業向け貸出し、返済期限が1年間延期
◎たばこ、2004年に1箱3元値上げ

[大陸関係]
◎中国石油、中国で天然ガス探勘応札へ
◎中国PE需要好調、台湾メーカーから購入へ
◎中国、台湾PVCに反ダンピング税
◎中国依存を反省、台湾企業の30%

[国際関係]
◎台南紡織、ベトナム綿糸工場の規模拡張へ
◎コンニャクゼリーで死亡、米で5.9億元賠償判決

[政 治]
◎政府、SARS対策で500億元の特別予算  

[生活社会]
◎観光客300万人目標、250万人に下方修正
◎ファストフード店でのごみ分類、7月から

<編集後記>



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<編集後記>

○日本観光から帰ってきた馬偕医院の医師が、重症急性呼吸器症候群(SARS)感染と確認されたことから、日本では大きな騒ぎとなっているようだ。被害者が加害者になってしまうというのが伝染病の怖いところ。SARSに関しては個人ばかりでなく、台湾そのものが中国のせいで被害者になっているが、台湾から日本に伝染させてしまえば今度は加害者になってしまう。台湾の感染者が海外に出掛けていたというケースは初めてだったため、台湾でも大きなニュースになった。SARSに無用心だった日本も、他人事ではなくなった。

○ただ、気が滅入るのはそればかりではない。17日夜の馬偕医院での記者会見で、某日本人特派員が病院側をなじったことで、この事件に関して台湾では話が別の方向へ行ってしまったことだ。ちょうど翌日は日曜日で、その某特派員の派手な身振りがどこのニュース・チャンネルでも、いやというほど繰り返し放送された。この中継を見た台湾の人が、現場に駆けつけて日本人特派員をなじるという場面も放送された。日本留学で日常的に日本人と仕事をしている友人の郭さんから、日本にご迷惑をかけ、深くおわびすべきだと思いますがとの前置きで、「そのごう慢さに怒らずにいられません。興奮して、しかも『台湾人』の尊厳を損なうような発言をして。非常に納得できません。台湾人に謝るべきです」という抗議のメールをもらった。思った通りの反応だ。こんな時にまた台湾の人たちの日本に対する感情が悪化してしまった。

○李登輝・前総統という人は、日本では最も有名な台湾人であり、その日本に対する肯定的な発言によって李登輝信者も多い。しかし現在の台湾では、最も評価の分かれる人だといえる。最近、ある年配の台湾の方から電話があって、私がかなり以前に書いたエッセーのコピーがほしいとおっしゃる。ある財界の方が、このエッセーに共感されているのだという。何だろうと思って探してみると、陳水扁政権発足の直後に書いたもので、日本では李登輝・前総統ばかりが知られているが、李登輝・前総統が代表するのは台湾の一部であり、政権交替を実現させた陳水扁総統とその世代について理解が不十分なのではという内容のものだった。そのコピーをどう使われるのか知らないが、これを見て思い出した。この方、実はもともと李登輝・前総統の先輩に当たる人で、李登輝・前総統とは非常に親しく、後見人のような存在だった。その後、どのようないきさつかあったのか知らないが、李登輝・前総統とは決裂し、現在も関係は良くないようだ。その後、前回の総統選挙で陳水扁候補を応援し、当選祝賀のステージにも立っていたという人だ。

○この方いわく、「司馬遼太郎さんのおかげで、日本の人たちの台湾への認識が少しゆがめられたようですね。もっとまっすぐに見てほしいと思っています」とのこと。台湾意識が非常に強い人だが、台独でありながら反李登輝というこうした人たちもいることに改めて気付かされた。ところで李登輝・前総統。日本で『「武士道」解題』という新著が出されたようだ。著書も多いしい直接に話を聞いた方も多いだろうが、台湾の中央電台(ラジオ)も今年1月に新年特別番組として放送した李登輝・前総統インタビューを、インターネットのオン・デマンド放送で流している。1時間近くあるかなり長いものだが、直接に李登輝・前総統の話がいつでも日本語で聞けるので興味深い。このご時世、台湾を理解するには偏らずにいろいろな声に耳を傾ける必要があるだろう。中央電台のURLは以下の通り。一度お試しあれ。李登輝・前総統の顔写真から入っていける。   http://www.cbs.org.tw/japanese/index.htm   (早)

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