タブラの道




タブラとの出会いから今日に至るまでの過程を紹介します。

ブランクがあるのと、ざっと書き上げただけなのでかなり大まかですが…。



タブラに魅せられていったPony


まず、タブラという楽器をいつ頃知ったのか、実はよく覚えてなかったりします。

おそらくU-220というシンセ音源のカードに、その音色が入っていたからだと思うのだが…。

その後、専門学校時代に聴いた何かのCDで、少し興味を持ち始めます。

その頃、新大阪に民族楽器店を見つけ友人とそこを訪れたとき、生タブラを見つけたけど

65000円ほどもして買う気にはなりませんでした。

やはり、打楽器って基本的にメロも奏でられないので楽しさも半減するかと…。

それでギター買える値段するんじゃあ…、という感じで。というか持ってるギターも

貰いものだったし。ドラムも軽音部のとかスタジオので練習してきたし。

まあお金をつぎ込むのはシンセ関係だけかなと。

ただ、「何で打楽器のクセして音程があるねん?とか、あぶくの様なドウドウという低音が

メチャ怪しい!」とか、やっぱりその音色には興味がありました。




タブラを買ったPony


そして月日は流れ、Ponyに大きな影響を与えるのが社内旅行!そうインド旅行でした!

毎回、社内旅行では現地の楽器店で何か買うのですが、今回はそりゃもうタブラでしょう、って

感じで。

で、「早く買いた〜いワン♪」というその焦りから、失敗してしまいました…。

ホテルの土産物屋にあこがれのタブラがあったのだが、一応音がすることを確認して6000円

ぐらいのやつを買ってしまいました。実は普通3万以上はするであろうところを…。

つまり、観賞用のおもちゃみたいなやつを買っちゃったわけです。でも、ちゃんとした演奏用

のタブラがどれぐらいの大きさで、どんなのが良くて、いくらぐらいが相場でなんて全然知ら

なかったので今となっては仕方なし。でも、おもちゃにしては部品などもひととおりちゃんと

ついてるように見えたし、それなりにカン!という音も鳴ったので…。

で、それを買う時大爆笑だったのが、そのホテルの土産物屋のおっさんは、この太鼓を説明する

のにバーヤン(でかい方)を左脇にかかえて右手でポンポンと叩くジェスチャーをしたのである。

さすがにそういう演奏の仕方ではないことは知ってたので、「おっさん、ちゃうちゃう」と突っ

込んだが。




叩き方を知った?Pony


で、日本に戻った後、叩き方が分からないままホニャホニャと遊んでいたところ、「やさしい

タブラ入門ビデオ」なるものが日本で売っていることを知り、早速ゲット!もうウハウハ!

こんなものが日本で出てるんだ!…と。

で、ぷにぷにしたおっさんがレクチャーするそのビデオに習い、テテカテダーだのダゲテテ

ナゲテテだの言いながら、そのおもちゃで遊ぶ日が続く。

知識が皆無だったこの頃、奏法の各名称や薬指でのミュートを知っただけでも収獲あり。




師匠との出会い


そして月日が流れたある日、インターネットでタブラ教室なるものを発見!しかも通える距離!

もうわくわくで電話!だが、受話器の向こうには日本語のしゃべれないインド人が…!

そう、この先生が今の師匠となるクル・ブーシャン・バルガヴァ先生。本場インドでもタブラを

教えていた方なり。…で、カタコト英語で習いたい旨を伝えて、後日初レッスンへ!




思い出の初レッスン 1998.5


当然持っていったのはおもちゃタブラ。しかし本人はそんなにおもちゃだとは思ってません。

先生に見せたら大笑いされてしまいました。「これはマイちゃん(当時幼稚園のブーシャン先生の

娘さん)用だ!」と…。これではほとんど練習にならないということで、先生のタブラを借りる。

デカい!重い!本当はこんな大きなものだったんだとちょっとショック。インドのホテルで買って

しまったのが何より悔やまれる。

そしてレッスン開始。薬指は曲げずに手はまっすぐ。そんなにスィヤヒを押さえたらダメ。左手

はコブラの様に手首だけ垂直に上げて構えて、噛み付くように叩き下ろす。右手はもっとまっすぐ。

などなど非常に人間工学に反した動きを指導される。

そのうち手が異常に汗をかいてしまい、大事な先生のダーヤン(右手用の太鼓)に塗りつけてある

ゴムが溶けて黒〜い汚れが…!先生必死にペーパーで削る。す、すんません…。

パウダーを貸してもらい練習を再開。ティーンタールのテーカー(16拍の基本パターン)を教わり

ダーディンディンと力をこめるが、まったく「カン!」と鳴らない…!とにもかくにも、音の鳴ら

なさに不安とストレスがたまる。そうこうしてるうちに、右手の中指の付け根の皮がめくれてしま

った。「軟弱やのお…」ってなことを言われながら、バンソウコウを貼ってもらいました。

といった感じで1時間半のレッスンは終了。そして、宿題がでる。ダダダダテテテテダダテテダダ

トゥナ〜。などなどなどと4つほどのパターンをノートに書かれて、「次までに見ずに言えるように

覚えてきなさい」とのこと。うげげ。「次はいつ来れるのか?」と聞かれたが、実は数日後に海外

での結婚式を予定していたため、ばたばたするのでまた連絡するということを伝え初レッスンは

終了。しかし、この後引越し諸々でブランクが空いてしまい、仕事も忙しいので結局1回行ったきり

でレッスンに行かなくなってしまう。なんとも…。




インド音楽情報サイト


時は流れて翌年、インターネットでインドなページを発見。そうこのページがかの笛屋歓喜店。

ここの書き込みでブーシャン先生の話題が。「今はインドの家族のもとに帰っていて、日本には3月

に戻ってこられる予定」と。そしてここの掲示板にちょっとだけ参加するようになる。

そして大きな収獲だったのが、このサイトのインド音楽ライヴ情報。なんと三宮駅前(ひと駅)で

毎週インド音楽演奏をしている店があったのだ!その名も「あしゅん」

笛屋歓喜店の主であるたろうさんとゆり子さんも次のあしゅんライヴに行かれるということで、

またインドわくわく熱が復活!




あしゅんライヴ


初めてのインド古典音楽ライヴは、シタールが天空オーケストラの南澤さん、タブラが古幸さん

という人の演奏だった。ワクワク。1時間ほどの演奏を聴いていると、副交感神経モードに突入。

眠いような心地よいようなふわふわした感じになってくる。やはりヨーガの瞑想に通じるものが。

その後、何度もここを訪れるようになる。




タブラ購入


笛屋歓喜店の掲示板で、シタールの南澤さんがタブラを売りたいという情報を見つけ、早速メール

を送る。後日、自宅まで実物を持ってきて頂いて、交渉成立!中古だが良いものらしい。

ただ、ベナレス製の女性ヴォーカルの伴奏用ということで、キーが低く少し大きめのものだった。

(G〜Aキー)ザキールフセインのテープとお香もつけて頂き感謝感謝。

おもちゃタブラを卒業?し、もう一度習いに行こうと決心する。




レッスン復活


インドから帰国される情報を得たので、先生に連絡してみる。1年近くもブランクが空いていたの

で(しかもまだ1回きりのレッスン)、なんだか照れくさいというか申し訳ないといった感じで

再レッスンの予約。マイニュー中古タブラ(なんじゃそりゃ)とともに復活!




タブラサイトと図書館


パターンや専門知識も勉強するべく、インターネットや図書館でお勉強。

バーンスリー奏者でたろうさんの師匠の中川さんが翻訳しているインド音楽本も購入。(後日、

あしゅんでお目にかかったので、その旨挨拶しときました。)

インターネットでも色々と情報は得られたのですが、流派の違いや一種アレンジ的な奏法なども

あり、結局「正しくないから、教えるまで練習しちゃダメ」と先生に言われてしまいました。




ライブ色々


その後あしゅん以外にも、ポートアイランドのジーベックホールや、高槻のスタジオ73、大阪の

国際交流センター、十三のレッドライオンなど色々とインド古典音楽ライヴに行く。

井上さんと逆瀬川さんのユニットや、たろうさん、クラットヒロコさん、アミットロイさんと

ブーシャン先生、中川さん、湯沢さんなどの演奏を見る。

そして演奏家による出音の違いや、ステージの音響による違いなど色々と体験。

どういう演奏が良しとされるのかは、まだよく分からないが、でもしっくり来たり来なかったり

というのはすごく感じるようになる。




先生とご飯


ブーシャン先生とも何度か色々なところでご飯を食べるようになる。

先生に質問したのだが、日本の食べ物で好きな食べ物は?の回答に「………」って口を塞がれて

しまいました。うどんは?ノー。ラーメンは?ノー。てんぷらからあげ?………。って。

でもチキンは好物みたいです。辛口フライドチキンを「これはイケる♪」と食べてました。

「でも全然辛くない」とのこと。ピリカラぐらいではインド人にはちっとも辛口ではないのです。

で、よくご家族とご一緒させてもらうのが「お昼のバイキング料理」。なるほど単品レベルで

選べるのでマル。いつもいくところはご飯もパンもパスタもあるのでバフットアッチャー♪

ちなみに先生の家で頂くチャイは、店で飲むような濃くて甘いやつとは全然違って、もっとお茶

に近いちょっと薄い感じです。甘味もほとんどない。まあインドではほんと1日何度も「お茶」とし

て飲むのだから、本来はこうなのかも。

店のチャイってそんな感じじゃないもんねえ。たくさん飲んだら胃がもたれそうというか…。




皮を買いに


マイニュー中古タブラは活躍はしているが、ちょっとした不満が出てきた。キーが低い。

やはりよく耳にするタブラのようにC〜Dぐらいのキーがイイ。うちのは初めGで、先生に上げても

らってA。で、先生が言うにはスキン(皮)を替えれば高いキーに問題なくできるらしい。

ということで、先生に付き合ってもらって、(というか先生の以前の教え子がやってるから、顔

のきく)大阪はアメ村のタムタムカンパニーという民族楽器店へレッツラ・ドン。

サイズを計ってきていたのだが、やはりうちのは大きめのタブラのため、合うスキンがなく断念。

めちゃショック。あと先生はスキンを手にとって「今あるやつはどれも良くない」といってた。

で、取り寄せてもらうことになった。のだが、なかった。う〜〜〜む。ショック。

仕方なく、先生とインド風喫茶店に入り、サモサとチャイを頂き、アララカとザキールのCDを大

音量でかけながら阪神高速をぶっとばして帰路についた。シクシク。




またブランク


という感じで、半年ほどレッスンに通ったのだが、6年半働き続けた会社を退社したのに伴い、

安定するまでということでレッスンをまたお休み。




引越し


その後フリーで活躍?するために東京へ引越すことに…。

先生にちゃんと挨拶もできないままサヨナラしてしまいました。

ただ先生からインドテープを借りていたので、手紙を添えて返しました。

今考えると神戸ってかなりインドな街だったのだなあ、とつくづく思います。




皮 破損 !!!!!!


ある日気が付くと、がんばって働いてくれてたタブラの皮が突然真っ二つに破れていました。

9月だったので、残暑と湿気のせいでしょうか??とにかくショック!!わひ〜!!って感じです。

以前ショップで探してもらっても見つからなかった普通よりも大きなサイズなので、ちゃんと元に

戻せるのかが一番心配でした。

とりあえずネットでショップを探して注文。

〜〜〜〜

〜〜〜〜

待つこと8ヶ月半!!なんとインドタイムなこの時間…。やっと皮(=スキン=ヘッド)が到着!!!

サイズばっちりのプロ用ヘッドを入手!!




初めてのヘッド交換











ヘッドをダーヤンに被せてGajara(ヘッドの耳)
の隙間にBaddhi(紐)を通して行きます。
Gajaraに内から外、底の輪にも内から外と通していきます。
これがまためちゃめちゃカタいので、
ペンチで上に引っ張ります。
Baddhiは平たいので表裏間違えるとやり直し!
底の輪っかにも通します。
Baddhiが10mぐらいあるので最初のうちはめちゃ大変!
フヒ〜、ここまで1時間!
初めてなので段取り悪すぎ…。
でもBaddhiは鋼のようにカタいので、見かけほど易しくはない。
2時間経過。
3時間経過。
見かけはこれを底の中心にかけるだけなのに、絶対無理!!!
秋葉原〜新宿間を逆立ちで歩くほど大変!(意味不明)
4時間経過。
どうにか根性で反対側のBaddhiを締め上げこの状態に。
なんとか全てにBaddhiが通りました。
ここから思いっきりBaddhiを締めて行きます。
締め上げ完了。(まだ緩いが)
GittaをBaddhiに挟み込みます。
数日置いて弛みが出たら、もう一度締め直して完成!
1ヶ月ほど経ったらまた締め直すのが良さげ。
初めてなので(言い訳)結局5〜6時間かかりました…。
とにかく目出度し!キーもC#に上がりました!



今度はバヤン


バヤンの皮も中古のまま使ってきて、カビやスィヤヒの欠落が進み、

何より音にビビリが出てきたので交換することを決意しました。

あと、結わえてあるリング付きロープもだいぶ痛んでたので、皮紐に替えることにしました。

更に台座枕も加えて、再びネットショップで注文。今度はそんなに待たずに入手できました。












古皮です。叩く度にスィヤヒのカケラが飛んで、かなり痛んでます。
音も大きく余韻も長くて良かったんですが、もう寿命です。
Johnsonのベビーパウダーもこびりついてます…。
ウギャ!サビが青いっす。
銅製なのか?中古で買ったから分からないのですが、
銅にしては重さが軽いので真鍮かとも思ってたのですが…謎。
なんか鉄粉みたいなクズが中に落ちてました…。体に悪そう…。
新しい皮です。
"ARTIST QUALITY"などとキナールに印字されてます。
さて、またしてもここから試練が始まります。
今回はどれほど時間がかかるのか!?
時間短縮を図るため、今回は前とやり方を変えてみました。
とりあえず半周分ぐらいは本体に固定せず、
高さのゆとりを持たせてどんどんと紐を通していきます。
ある程度通せたので、本体にヘッドを被せて逆さにします。
底の輪っかを手で固定しながら続きを通していきます。
でも片手で通していくのはツラい…と思っていたところ…
新手法開発!! 足で固定すると両手を使えて良い塩梅♪
皮張りの一番のネックは、ヘッドと底の輪っかが本体から外れない
よう(中心からずれないよう)にする大変さにあります。
(後からネットで調べたところ、正しくは?どうやら皮紐とは別の紐
で事前に固定するようです。)
この新手法(特許出願中ウソ)では本体を逆さにすることと、足で
輪っかを押さえることで同様の固定を実現しました!なんちて。
をを!新手法の効果絶大!
前回のペースを大きく上回っています。
ちなみにGajaraの裏から表に紐を通すときには、
つま先でヘッドを(固定しながら)少し床から浮かしてやるとバッチリ。
紐のゆとりがあり過ぎると、長さが足らなかったりしますが、
徐々に締めていけば無問題です。
ここまで来れば、固定してやらなくても大丈夫です。
ほぼ完了です!
なんと今回は2時間ちょっとで通せました♪
締め上げて紐を結わえたら完了!
ただ、張ったばかりのせいか、ピッチは高めなのに余韻が出ない。
まあ徐々に馴染んで行くだろうということで…。

ちなみに、チューニング用に東急ハンズで木製と竹製の丸棒も
買ったのですが、特に挟まなくても大丈夫そうです。
ニュー枕とヘッドカバー(中は板!)です。
妙に色味がかわいいです。




ダヤンちゃん 超グレードアップ!


ある日、ヤフオクで素敵げなダヤンが出品されてるのを何気に発見しました。

特に新調するつもりもなかったのですが、参考のための試聴ページからアドレスを

辿ってみると、なんと以前にタブラのやりとりで知り合った方の出品だと判明。

とりあえず、音を聴かせてもらいにご自宅に伺い、調整や試奏させてもらって即決!

もう今まで触ってきたタブラは何だったんだ?というぐらい、出音の鳴り、余韻が

全くの別物で、感動しました。

(前のスキンもプロ用ヘッドということで張り替えたのですが…。何この違いは…?)

余韻は400%〜500%の伸び(当社比)、音量は160%増し(当社比)、

周波数特性は4kHz以上が5dBゲインアップ(当社比)、などなど恐るべきスペック!

というわけで、ダヤンちゃん 超グレードアップです。






コルカタ(カルカッタ)産・ムクト(RHYTHM)社のブツです。
実はラベルが印刷ミスで、逆さまに張り付いてました。
インド魂…?
グッディが黄色なのが特徴です。キーは今のところC#で安定。
ガジャラーの編み込みと、ポニーテール?がチャーミング。
スヤヒもかなり綺麗な弧を描いてます。機械並。
今は黒光りしてますが、この綺麗さを維持できるか自信なし…。
結構手に汗をかく方なので、パウダーの量にも気を付けなくては…。



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