〜冬がくる頃に…〜
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「う〜、さむっ!」
どうにも最近、朝布団から出るのが辛い。それでも何とか這い出して、眠い目を擦りながら窓をあけると、きりりとした冷気が眠気を吹き飛ばしてくれる。
朝もやの向こうにはうっすらと雪をかぶった北アルプスの山並がまるで空に浮かんでいるようかに見える。
いつもと変わらぬ冬の訪れ。 ただ、この間からどうにも気持ちが落ち着かない。何か漠然とした不安が心の中に住み着いてるのだ…。
「 あの山が白くなると、誰かが離れていくような予感がして不安でたまらなかった…。」
そういや前にこんな事を聞いた事があったっけか…?
「私も今、そうなんだぞ!分かってるの?」
こう問いただしたい反面、答えを聞いてしまうのが怖い気もする。
答えは最初からわかっているんだもの…。
きっと彼は来年この町を出て行くのだろう。彼が自分の夢をかなえるためにはこの町にい続けるより外に出て、いろいろな刺激を受けたほうが良いに決まっている。
彼が夢に向かって努力し続けてきたことは重々承知しているし、そんな彼を見ているのが好きだった。
だから、とめる事なんて出来やしない。ただ、その事を彼から聞いて事実として受け止めなきゃいけないのが嫌なのだ。
我ながらぜんぜん成長していないなぁ、と思う。
私も高校生になってからはいろんなことに挑戦して、自分の夢を探そうと躍起になっていた。
それなりに打ち込めるものはあったけれど、やっぱり一番は彼の事なんだよね。
彼が夢をかなえるとき、そのすぐ横にいたい。一緒に苦労し、一緒に喜びたい。
『思い込んだら一直線!』の私らしいって言えば、そうなのかな?
「へ〜っくしょん!」
う〜、いろいろ考えてたら冷えてきたみたい。早く着替えて学校行かなきゃ!
この悩み、しばらくは続きそうだけど、きっと大丈夫。そう信じたい。
彼と彼の仲間と築いてきた親友関係があれば、きっと答えは見つかる。そういう仲間たちに囲まれてるんだもん。
数十分後、何時ものように通学路を駆ける自分の姿。そして彼を見つけ声をかける。
「おっはよ〜!!」
「おはよ。いっつも元気だね。」
「あったりまえでしょ!それが私のとりえなんだから!!」
ちょっとした強がり。不安な気持ちは悟られたくないもんね。
「急がないと遅刻しちゃうわよ!ほら、ダッシュ!!」
白い息を吐きながら、2人で駆け出す。まだ見えないゴールに向かって。
〜おわり〜
こちらは某所にも発表していますSSです。よくよく考えたら「思い込んだら一直線」ってかがりだったような…(^_^;)
これだけだと晴ボンが悪者みたいなので、次の作品が出来ました。
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