『マンガの小々部屋』 ここではあまりメジャーでないものや、知っているけど意外と読んだことのなさそうなマンガで私のお気に入りのものを紹介しようかなぁって思ったりしている。
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カムイ伝、カムイ外伝
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MONSTER | キリン | デビルマン |
まずはカムイ伝。
はっきり言ってかなり難しい。
何となく流して読んでいるとすぐに訳が分からなくなる。
物語は大きく3つの話からなる。
1つ目はカムイと呼ばれることもある
白いオオカミを中心とした動物たちの物語、2つ目は
下人の正助を通して描かれる農民社会、
3つ目は当時の社会において、ほぼ最下層の身分に当たる
非人カムイの物語である。
この3つの物語は基本的には独立して描かれるが時として密接に絡み合い、互いに
重要な役割をなすこともある。特に士農工商と能書きでは武士の次とされるが実際は生かさず殺さずの言葉通りに
ならざるを得ない農民の中にあって必死に生きる正助と、非人という縛られた身分から逃れるために忍びの道に
入るが、それ以上に厳しい掟に縛られ苦悩するカムイ。これに当時の表舞台の主役たる武士、卑しいとされながらも
時にはその財力を持って武士をも操る商人などが複雑に絡み合い、封建社会の矛盾を大きくえぐる。
登場人物も多く、ストーリーも緻密に練られているので非常に読み応えがある。 高校生の時に友達から借りて読んでいたが、友達が途中までしか買わなかったため最後まで読むことは出来なかった。 今なら当然と思われる自分で選択する権利の与えられない身分制度に縛られた社会の物語ではあるが、程度の差はあれ 現代社会にも通じるものがあると思う。がんばって一度読んでもらいたい。 人権問題もあってか、マンガのみならずテレビや映画等でも封建社会の下層部からの視点の物語は そう多くはないからなおさらである。 あとがきの中で作者はこの物語は3部構成になっているという。 これはその第1部。1冊400ページ程度の文庫本 版で15冊もあるのに第1部とは信じがたい。 それもまだ真のテーマは語られていないらしい。なんともかんとも。 現在第2部まであるのは知っているが、文庫本版がないこともあって まだ私は読んでいない。そのうち読もうかと思う。 次にカムイ外伝。 基本的にはカムイが抜け忍となり、追っ手から逃げている物語。 上記のカムイ伝とは特につながりはないが、設定は同じと思われる。 こちらはテレビアニメもやっていたので多少はメジャーかとも思う。 私も「しの〜び〜がとお〜る〜、けもの〜み〜ち〜♪」と言うフレーズだけ 何故か覚えていた。今でも細い山道を歩くときの私のテーマソングである。(^^;) ストーリーも比較的分かりやすく、エンターテイメント性も兼ね備えている。といってもなかなか小学生ぐらいでは 内面的な部分は難しいかも知れない。 これも私が持っているのは文庫本版である。途中の第2部からガラッと タッチが変わり劇画調になる。 このギャップがかなり激しく最初はどうしてもなじめない。 連載日を見るとこの間に15年ほど経っている、詳しくは知らないのだがきっと連載する雑誌も大人向けのものに 変わっていたに違いない。カムイ伝第2部もちらっと立ち読みした感じでは劇画調だった。 抜け忍と追っ手の戦いがメインだけあって、忍びどうしの戦いがとても見応えがあり、 忍者好きの私にはたまらないものがある。 これも文庫本版で12冊(3部構成)もあるが。こちらはわりと気軽に読める。 |
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みんなよく知っていると思うけど、
原作のマンガを読んだことのある人は意外と少ないと思う。少なくとも私の周りでは。左の表紙は文庫本版のもの。 私もつい最近まで知らなかったのだがTVアニメの企画からスタートしたらしい。 マンガ連載とTVアニメ放映がほぼ同時期にはじまり、TVが8ヶ月、連載が1年という短期間ものだった。 というのも意外な感じ。TVアニメでもっとも印象的なのが、マネキンが沢山出てきて怖かったのと エンディングで東京タワーに座ってたそがれるデビルマンの姿。 マンガの方はと言うとテレビとは全くと言っていいほど違う話。 今見るととってもダサイとも思えるデザインのデーモンが多いが ストーリーのスケールの大きさと言うか深さは当時としてはすごい。 私も小学生の時にこれを本屋で立ち読みしたときには ちょっとショックだった。 わりと単調な流れだと思っていたストーリーだが最後になってどんでん返しの展開や、 正義は最後に勝つなんて甘いことのない残酷な内容。こりゃあテレビでは放映できないね。 だって、美樹ちゃんが...。 思わず、デビルマンってこんな話だったの?と思う方も多いと思う。 見てないから不明だが、OVA版はマンガと同様のストーリーだった気がする。 最近デビルマンレディーとかやっているようだが見たこと無い。何でデビルレディーじゃない無いのか?、 と聞かれたときにはハッと思ったが、マンが男ではなく人という意味で使われているのかな、 などと思ったりして。じゃあなんでわざわざレディーが付くんだとかも思ったりして...。(^^;) |
4巻にも及ぶ伝説のKATANA対デカ尻女(ポルシェ)とのバトル。
そしてその意志を継ぐもの達へ。
バイク乗りが少なからず持つ、矛盾や葛藤をリアルに描写した作品。 ”最初にまたがったときの あのトキメキをいつまでも忘れない” 大人のバイク乗りには必ず共感できる部分があることであろう。 以下、作品より。 誰のためでもない!、俺が俺であるために走るんだ ねぇ、なぜバイクなのだろうね? (バイクだよ! バイクじゃなければダメなんだ!!) なんでだろうな 教えてやろう10代のトキメキってやつよ あの煌く10代を あの理由なきトキメキよ いつも何かに飢えていた それでもやりさえすればすべてが可能だった 若さは武器であり、若いことは枷だった 10代の煌きよ 追いかける者のため息よ いつの間にか少しずつ溜まってしまった澱のようなもの いつの間にか少しずつ溜まってしまった澱のようなもの そのオリのような無力感は諦めとなって降り積もる... バイク乗りはその理不尽さを忘れない バイクに乗ることでオフェンスであることを誇示し続ける 目指すものが煌く逃げ水のように辿り着けないものであっても その苛立ちさえも楽しむような男たち... 歌うように踊るように... 語るように頷くように... 叫ぶように諭すように... 地平の彼方を走る銀馬は蜃気楼ではない そう...賛えるように弧を描いて走り去る 我が名はバイク乗り... |
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とりあえず1巻を読んでみて欲しい。言葉で説明しても理解してもらうのは難しいと思う。
緻密に練られたストーリー、キャラクター、複数に張りめぐらされた伏線。
1巻終盤のモンスターとの対面までの展開は息をのむものがある。
オイラとしてもおすすめの作品だ。 2巻以降は多少希薄になるものの日に日に大きくなるMONSTERの描写が強すぎず、弱すぎず、実に絶妙である。作者にはぜひ最後まで書ききってもらいたいものだ。 ある程度以上の大人が楽しめる作品だと思う。 |