人間界に侵入してきた鬼を退治する仕事を担う鬼御門(おにみかど)のエースでありながら、あるときを境にドロップアウトして役者になった男・病葉出雲(わくらば・いずも)と、過去の記憶を持たない女・つばきが、かんざしを落としたり拾ったり取り返したり恋したりムニャムニャしたり取っ組み合ったりする話。
変な人ばかり出てきて、何故そうなるのか理屈がよく解らない展開が続くので、登場人物に共感を覚えようも無い。ただ場面の移り変わりを外から眺めている気分しかしなかった。
そうなると活劇らしさを期待するしか無くなってくる。が、そこは日本映画(と言っても原作は舞台劇だそうだが)らしく、せっかくアクションシーンになっても技や機転で勝負が決するよりウェットな展開に入り込んでしまう。その展開に感動できない以上は「あまり面白くなかった」という感想にならざるを得ない。という訳で、それが結論。
市川染五郎が劇中劇で歌舞伎役者をやっているのを大画面で観られたのは少し得した気分。
エンディングはスティング。無意味にスティング。
2005-05-31