厳格な全寮制の進学校にやってきた英語教師キーティングは、授業を通して、個性・情熱・独立独歩の精神を教えていく。
キーティング自身その学校の出身者であるにもかかわらず、彼のやり方は校風からすると非常に型破りなために、やがて学校側から好ましくなく思われるようになる。
その一方で一部の生徒たちからは厚い人望を得ていく。
やがて生徒たちは、キーティングが在学中に主催していた「死せる詩人の会」をこっそり復活させて、夜な夜な寮を抜け出しては洞窟で集会を開くようになる。
しかし、そのメンバーの一人ニールが進路について父親と衝突したことから波乱が起きる……。
英会話学校の先生 Tony が大変お気に入りの映画だというので観た。
夢を持つことの素晴らしさとか、情熱とか自分の頭で考えることの大切さとか、そういうものが重要だというのは解る。
この映画の表のメッセージはそういうことらしい。
そして、裏のメッセージは、やっぱりそれだけじゃ駄目ってことだろう。
夢を現実のものとする方法論が抜け落ちていては、むしろ残酷な結末が待っているのは当然とも思える。
登場人物の設定について、「素直な少年たち」と「物分かりの悪い大人たち」の構図がかなり明確すぎるため、その点については現実離れしている感じがある。
少年たちの人物設定は、世の中みんなこうだったらいいなとは思うけど、残念ながら大体こういう時期までの少年にはもっと残酷な面があると思う。
逆に、世の中あんな大人ばっかりでもないように思うんだけど。
キーティングがやたら熱血教師でないところはリアル。
ラストシーンは、やっぱりそうこなくっちゃという感じで良かった。
邦題の「いまを生きる」は、キーティングが最初の授業で教える "Seize the day" から。
原題もこっちにした方が良かったのに。
1997-07-21