妻が自殺したり娘に怪しげな友達ができたりしてロバート・デ・ニーロの苦労が絶えない話。
それなりにハラハラ。他の映画のことを忘れてこの映画だけを観ればそう悪くないのだろう。ただ、正直言ってこのパターンはもう飽きたのだ。いかにして観客をミスリードしてスリルを煽るかに工夫を凝らしたのだろうが、基本的にはクリスティの時代から進歩していないのではないか。ヒット作のフォロワーとして雨後の筍のように出現したB級映画がこれならともかく、メジャーな会社が有名俳優を使い、恐らくお金もそれなりにかけたであろう映画(と言っても、作品の性格から考えて比較的低予算ではあろうが)でこうなっているのでは、最近言われるハリウッドのネタ切れというのは深刻なんだなと思った。
ダコタ・ファニング出演作は(たぶん)初めて観た。人気があるのがよく解った。デ・ニーロも外さないね。もっとも、この人の場合はそれぐらいやって「いつも通り」という気もする。「アナライズ・ミー」みたいな変なコメディに出るのはやめればいいのに。とにかく、役者が魅力的でしっかり仕事をしてくれていると映画代を損した気分にはならないのである。
2005-05-31