ナショナル・トレジャー

Data

原題
National Treasure
公開
US, 2004
リンク
IMDb, CinemaScape

Story

国家機密にちょっとだけ関わった先祖を持ったばかりに代々謎解きに挑戦してばかりきたゲイツ家の子孫がいよいよ謎を解いたかと思ったら新たな謎が出てきて、オラわくわくしてきたぞ。

My comment

ディズニーらしく健全な冒険映画。

開拓者たちの子孫によって建国されたアメリカ合衆国は、中国三千年だの四千年だのに比べるとはるかに歴史が浅い。もちろん日本にしたところで現行政府だけを見れば60年程度なのだが、ヤマト朝廷による統治の様子がどうにか年号付きで歴史の教科書に出てくる頃から数えれば1400年程の文化的な連続性はある。それに比べればアメリカの歴史はやっぱり浅い。だから、アメリカにはあいまいな伝説や伝承などというようなものは無いのである。たぶん。故に、伝説の中に埋もれた秘宝も無い。トロイの遺跡や徳川の埋蔵金がロマンあふれるのもあいまいな歴史があってこそ。恐らくそういう理由なのだろうが、北アメリカを舞台に伝説の秘宝を探す映画というのは滅多に無かったように思う。

そういう意味ではこの映画は非常に珍しいのではないだろうか。この物語の発端は十字軍遠征にまでさかのぼるものの、物語に次から次と現れる謎は、全て独立国家としてのアメリカ合衆国にとって最も古い記憶であろう建国にまつわる事跡に絡められている。そういう訳で、タイトルもストレートに「国家の宝」だ。日本人にとってはいささか馴染みが薄いエピソードや遺跡の類もあったりするが、きっとアメリカのチビッ子たちはわくわくしながらこの映画を観たに違いない。その気持ち解るなぁ。上映中はずっとそんなことを思いながら観た。

多少の無理はあるものの、毒にも薬にもならず、ある意味安心して楽しめる映画。続編も企画されているそうで、それも楽しみ。

2005-05-31


[ Home | Index ]