超古代文明の封印を目的とする秘密結社アーカム。 その特殊工作員はスプリガンと呼ばれる。
見かけは平凡な高校生として暮らす御神苗優(おみなえ・ゆう)。 実は17歳の若さにしてナンバー1のスプリガンだ。
任務を一つ終えてやっと平穏な暮らしに戻ったある日、級友が人間爆弾となって爆死するのを目の当たりにする。 その級友のシャツの胸には、
「ノアがお前の墓場だ」
と書かれていた。 何者かが優を挑発しているのだ。 そしてそれは、最近アーカムが発掘したノアの方舟と関係があるらしい。
さっそく現地に飛ぶ優だったが、そこで待っていたのはアメリカ国防総省の放つ刺客また刺客。 優の運命やいかに。 そしてノアの方舟の正体とは。
久しぶりに映画館で映画を観た。 やっぱデカい画面と身体全体で感じる音響はいいなぁ。
で、久しぶりに映画館で観た映画である本作。 前半の対ファットマン戦ぐらいまでは迫力があってテンポも良かった。
でもそのあとはイマイチ。
ノアの方舟がどうこうという辺りは、マッドサイエンティスト同士のとっぴな会話と無意味に意味ありげな映像で、まあどうでもいい。 クライマックスのはずの対超能力者マグドガル戦は、なんか妙に大人びた子供同士の口ゲンカにすごい映像をくっつけたような感があった。
要するに、せっかくの迫力ある映像が説得力につながってない。 脚本か、あるいはもっと全体的な構成に問題があるのだと思う。
何だか解んないうちに話が進んでるねー、と思う部分が特に終盤に多く、観客置いてけぼり。 細かいところを挙げはじめるとキリが無いんだが……。
例えば、クライマックスの優 vs. マグドガル。
ドラマとして盛り上げるためには、両者の持つ動機をあらかじめ説明しておいて、その葛藤を描くべき。 バトルとしては、どうみてもマグドガルが優勢な状況からの逆転劇をもっと鮮やかに見せて欲しい。
ところが、どっちもうやむやというか舌足らずというか。 優の過去が闘いの最中にやっと描かれる程度なので、どうも話に入り込めずにちょっと冷めた目で観てしまった。
残念。
ファットマンとリトルボーイって、広島と長崎に落とされた原爆の名前だよなぁ。
総監修・大友克洋。 総監修って何するんだろう。
少年と超能力者と軍、という対立構造は、「アキラ」と同じ。 超能力者が力のコントロールを失ったりコードをニュルニュルさせたりするのも同じ。 最後は超能力者が「どっか行っちゃう」のも同じ。 なんだかな。
結論として、つまんなかったなんてこたぁ決してなかった。 でも、不満が残る。 これだったら「アキラ」をも一回観ても良かったかもしれん。
原作マンガの方は、記憶違いかもしれないけど、最初は神崎将臣が描いてなかったっけ。
1998-09-13