母校の(というか今も居るが)同窓会の会報に載せる原稿を依頼され、先日書き上げた。 まだ会報は出ていないが、せっかく書いたからここにも掲載しておこう。 ところどころに着色した特別バージョン。
これ、本当に載るのか? ボツなんてこと、あるのかな。
Y. Furui, 2001-10-03
乙酉会の会報は年刊だそうだが、ほとんど受け取った覚えが無い。昨年やっと一冊届いたのが初めてではなかったろうか。それ以前のものはどこへ行ったのだろう。それから、昨年は会費の請求書も送られてきた。「届きもしない会報のために金を払えとはどういうことだぁ」とカチンときたものだ。会報と請求書と、どちらが先に届いたのかはどうも記憶がハッキリしないが、カチンときた勢いで請求書を破って捨てたことはよく覚えている。ふふふ。
そんな訳で、このように原稿を書いている私は、実は会費滞納のフトドキ者なのである。何故そんなフトドキ者に乙酉会から原稿の依頼が来るのだろう。罰金か罰ゲームの代わりなのだろうか。会費滞納者には優先的に原稿を書かせるのだろうか。すると他の執筆者もそうなのだろうか。そんなことを考えながら昨年の会報を読み返すのも面白いかも知れない。そのうちヒマを持て余したときにでもやってみよう。ふふふ。そんな妄想オーラを全身にみなぎらせながらこの原稿を書いていることを一言お断りしておく。
1993年3月に工学研究科情報工学専攻の修士課程を修了した。同年4月に日本アイ・ビー・エム(株)に就職し、東京基礎研究所に約7年間、その後eビジネスサービスに約1年間勤務した。2001年つまり今年の4月をもって退職した。懐かしの九大に戻り、今はシステム情報科学府知能システム学専攻博士後期課程の学生として、じっくり(或いはのんびり)研究に取り組んで学位を目指している。在学予定の3年間は貯金と奨学金で食いつなぐ訳で、これは何とかなりそうだ。3年後の再就職については完全に白紙で、退職時には上司に本人以上に心配していただいたくらいだ。ありがたい限りである。もちろん本人としても心配と言えば心配なのだが、生来こうしたことには楽天的で、まずは学位をと思っている。
これまでにお世話になった――或いはご迷惑をおかけした――皆さんに、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。どうもありがとうございます。元気でやっています。そして、これからもよろしくお願いします。
合計8年間の会社勤めでいろいろと貴重な体験をした。4年ほど前には病気で倒れて40日間の入院生活も経験した。8年間で一番話のタネになる出来事がこれだった。詳細をここに書いてしまうと、これっきりで使えなくなってしまうから書かないが。
入院中に主治医からアルコール禁止を言い渡されてからは、酒類は一滴も口にしていない。今も続いている禁酒生活においては、酒とツマミに代わって紅茶とお菓子が楽しみになった。もともと紅茶は好きだったから自然な流れかも知れない。自宅で淹れることもあるし、喫茶店で時間を過ごすこともある。休日は喫茶店で紅茶をすすりながら本を読んだりノートPCに向かったりするのが、習慣とは言わないまでも準習慣ぐらいになった。
ところで、この8年間は神奈川県の片隅にある中央林間という町に住んでいた。最初の7年間の勤務地は自宅から徒歩で通える距離のところにあった。中央林間駅のそばにはスーパーも本屋もあり、紅茶のおいしい喫茶店もあったので、私にとっては住みやすい町だった。おかげで、自宅と会社、自宅と駅周辺の往復だけで何週間も過ごすこともあったが、全く苦にならなかった。
この中央林間駅そばの喫茶店というのは個人経営の小さな店だったが、私の一番好きなキーマン(中国茶)を出してくれる喫茶店は珍しいので、週末になるとこの店に通っていたものだ。今年になって、その喫茶店が売られてカフェバーになった。一度だけ中に入ってみたが、マスターは別の人に換わり、紅茶のメニューはずいぶん短くなって、その中にキーマンはなかった。残念なことだ。後で知ったところでは、元のマスターもパートとして働いているそうだ。しかし間も無く私が引っ越してしまったので、とうとうカウンターごしに再会することは叶わなかった。
福岡に引っ越してからは、中央林間の喫茶店に代わる「おいしい紅茶を飲みながら仕事や読書ができる喫茶店」を探すのが課題の一つになっている。主に九大周辺で探すわけだが、ときにはちょっと足を伸ばすこともある。残念ながら、未だに満足のいく成果はあがっていない。外から中の様子を窺っただけで入るのをやめてしまった喫茶店も多い。
この場を借りて整理してみよう。これを読まれる方々には、九大周辺の様子を懐かしく思い出すきっかけにでもしていただければ幸いである。
地下鉄九大前駅から、九大工学部入口への車両一方通行の道を逆に歩いて一分ほどのところにある喫茶店。営業時間は朝8:30から夕方17:30まで。コンパなどの予約がある場合にのみ夜の営業もあり。一度だけ中に入ってみたが、本当は夜の営業の方がメインなんじゃないかと思った。ふた昔前のハリウッド俳優の絵を壁にかけるなどの内装といい、店内に流れていた洋楽のテンポと音量といい、どうも喫茶店というよりカフェバーのような雰囲気で、少々落ち着かない。紅茶はポットサービスで400円。味はまぁまぁ。ハーブのような香りがあったが、茶葉の種類はメニューには書かれておらず、何だったのか分からなかった。紅茶のバリエーションが少ないのは残念だ。たまたま空腹感が無いときに入ったので、紅茶以外は何も注文しなかった。
昼間から独り静かに何かを読んだり考えたりするには不向きな感じ。コンパにはいいかも知れない。
バス停留所で言えば「九大前」の隣にある「網屋町」の近く、少し横道に入ったところに小さなコーヒー専門店がある。表に出ている小さな看板には「可否」、反対に廻ると「肯否」と書いてあるのが面白い。紅茶が無さそうのは承知の上で、ここにも一度だけ入ってみた。照明を抑えた店内のカウンターには、マスターらしい年配の男性が一人立って黙々と仕事をしていた。先客は、カウンターに座ってミルクコーヒーか何かを飲んでいる一人だけだった。「FF99」とは打って変わって静かなものだ。メニューには4,5種類のコーヒーが書いてあるだけで、マスターからは「うちはコーヒーだけですよ」と念を押された。無難そうなところで、一番上に書いてあるブレンドコーヒーを注文。悪くない雰囲気かなと思いながらバッグからノートPCを取り出すと、ほとんど間を置かずに年配のマスターから声をかけられた。「ここは仕事をする場所ではない。堅苦しい雰囲気になるから遠慮して欲しい」……それはごもっとも。コーヒーを飲み終わって一息ついたところで退散。
こういう店は嫌いではないが、残念ながら当面の目的には合わず。
ちょっと発想を変えて、ファミレスに行ってみた。紅茶の味にはあまり期待しないが、空間的な広さとコスト面で良いかも知れない。
国道3号線沿いにあるSunday's Sunに、たった850円で3時間以上も居座った(小心者なのでそういうことが気になるのだ)。昼下がりの客が少ない時間帯だったらしく、あまり長居を気にせずに済んだ(小心者なのでそういうことも気になるのだ)。ラザニアにチョコレートケーキ、紅茶2杯にコーヒー1杯。ドリンクはセルフサービスのドリンクバー形式で、紅茶は当然ティーバッグだが、ひどい安物という訳ではない。デザートなどを一緒に頼めば120円で飲み放題というのは嬉しい。このときは仕事もそこそこはかどった。
安物ではないといってもティーバッグだから、その点ではやはり不満がある。まぁ、ときどきは使えるかな。
隣にイタリアンの店があるが、そちらには入らなかった。
国道3号線沿い、文系キャンパス向こう、貝塚駅の近く。入ってから知ったが、ここではSunday's Sunなどとは違ってドリンクバー形式ではないのだ。紅茶を飲みたければちゃんと紅茶を注文しなければならない。ケーキセットで胡桃のケーキと紅茶を注文した。紅茶はポットサービスなのが嬉しい。これは茶葉からちゃんと淹れてくれているのだろうか。
混んでない時間帯を狙えば、ケーキセットでのんびりまったりできる感じだろうか。
国道3号線をはさんで、上述のロイヤルホストの真向かいにある。こちらはドリンクバー形式で、デザートなどを一緒に頼めば100円で飲み放題。ピーチヨーグルトサンデーとドリンク、その後で夕食にハンバーグセットを注文して、合計2時間ほどそこに居た。ドリンクバーにカップの受け皿を置いてないのが残念だ。カップから上げたティーバッグをどこかに置こうとしても皿が無い。非常に細かい事だが、やっぱり気になるのである。店内の照明は少々薄暗く、席をうまく選ばないと読書にはつらい。
その日がたまたま祭日だったせいか、近くのテーブルにいた家族連れのガキ、もとい、小さい子供4,5人が少しうるさかった。そのおかげで落ち着かない印象が残ってしまい、現時点では微妙な評価。
工学部から記念講堂の前を通って農学部のほうにまっすぐ自転車を走らせると、左手に留学生センター分室がある。その先にある多角柱状の建物が「農学部五十周年記念会館」だ。中はPAGEという喫茶店で、通りから建物へ続く道の脇には「喫茶PAGE」の壊れた看板が転がっている。修士課程の頃はここに何度か入ったことがある。その頃は看板は壊れていなかったと思う。今年九大に戻ってからはまだ一度も入っていない。何度か入ろうとしたのだが、人の気配はあるにもかかわらず営業している様子が無いのだ。営業時間がごく短い時間帯に限られているのだろうか。ついさっき行ってみたら、入り口に「9/30まで休業」と書かれた貼り紙があった。これを書いているのは10/1なのだが。
「紅茶を飲みながら仕事ができる喫茶店」有力候補と思っていたが、残念ながらどうも半分死んでいるように見える。
喫茶店を探して大学周辺を自転車で走りまわった。8年前の記憶を辿りながら現在の風景を眺めた。正門から歩いて数分の交差点、モスバーガーの対角にあったはずのハローは、道路拡張のせいかきれいに無くなっていた。BAKEは二階建てになっていた。箱崎不動産の向かいにあったはずの喫茶店が見当たらない。米一丸のアンシャンテは、以前はガラスばりの見通しの良い店だったが、今は窓の無い学生向けカフェバーみたいな店になっており、個人的には残念である。「そんなことよりしっかり研究しなさい」とお叱りを受けそうだが、自分でもそう思うのでそろそろ筆を置く。
あ、会費は今度は払います。払いますよ。ふふふ。