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All over you...too
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Pye Hastings (Rythm gtr, Bass, Vo) , Richard Coughlan (Drs,) , Jim Leverton (Bass except*,Gtr) , Dave Sinclair(Keys) , Geoffrey Richardson(Violla,Cello) , Doug Boyle (Lead Gtr) , Hugh Hopper (Bass on *) 輸入盤CD:HTD HTDCD 102
99年発表の最新作である。タイトルが示すとおり98年発表の“All over you”の続編的作品だ。参加メンバーは「ヘイスティングスの戦い」のラインアップに加えライヴ盤で鋭いギターを聴かせていたダグ・ボイルと、何故か一曲ヒュー・ホッパーが“Ride”で参加している。
さて肝心の本作の内容だが、簡潔に言えば聴けるアルバムだ。そもそも過去に発表した名曲佳曲を再演しようという趣向の作品だから、元の楽曲が良い以上その出来も悪くなりようが無い。ただしアコースティック風味が強かった前作に比べ本作はエレクトリック色が濃いため、曲によってはもう少しひねっても良かったのではと感じる仕上がりのものもある。しかしそれでも彼らならではのメロディは生きているし、先入観に捕われなければ初期の彼らしか聴いたことがない人にも薦めておきたい作品だ。
それにしても不思議なのはパーカッシヴかつリズミックなアレンジの曲が多いことで、たとえば「聖ダンスタンス通りの盲犬」から取り上げられた“Very smelly grubby little oik”などはまるでクラブ・ミックスと言いたくなるグルーヴ感に溢れている。そう言えばリチャード・クーランのドラムがひたすらリズム・キープに徹しているように聞こえる曲もあって、この狙いがどこにあるのかはファンとして非常に気になる。
個人的に特に気に入ったのは、ジョフリーとダグを大きくフューチュアした“Ride”と“Nightmare”の2曲だ。これらの曲に限らないがダグのギター・ワークは全体で目立っており、メタリックだが表現力豊かな演奏は新風を感じさせてくれる。それに対しかつての看板だったデイヴ・シンクレアのキーボードは控えめな印象が強いが、“Bobbing wide”でのオルガンや“Nightmare”のピアノは裏方に廻りながらもかなりいい味を出している。それではパイはどうかと言うと、いつもながら非常に繊細な歌を聴かせており、曲によってはハードな演奏にミスマッチにも聴こえるときがある。とは言え“Nightmare”などは、やはりパイの歌でなければこのメロディが生きないと思えるほど彼の声が合っている…このあたりは聴く人の好みにもよるので、何と言って良いか難しいところだ。あと個人的に思うのは、曲順をもう少し考慮しても良かったのでは、ということだ。やはり彼らのアルバムには最後にじっくり聴かせるナンバーを収録して欲しいのだが、ラストを飾る“Bobbing wide (reprise)”はどうしても焦点ボケに思えてしまう。
昨年秋にデイヴ・シンクレアと話したとき、「HTDレコードは最近僕らに良くしてくれなくなった」と語っていたが、本作製作の背景にも何かあったのだろうか。彼らが新曲を発表しないのには訳があるのかもしれないが、とりあえず次の作品まで本作を聴き込んでおこうと思う。なお、実際手にとるまで知らなかったのだが本作のスリーヴのクレジットに私のサイトが紹介されていたのは、ファンとして素直に嬉しかった。
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