Back to front

 
Back to Herne Bay front
Bet you wanna take it all / Hold on hold on
A.A. man
Videos of Hollywood
Sally don't change it
All aboard
Taken my breath away
Proper job / Back to front
 

Pye Hastings (Gtr,Vo) , Richard Coughlan (Drs,Talking Voice) , Richard Sinckair(Bass,Vo) , Dave Sinclair(Keys,Vo) , Mel Collins (Sax)

現在CDは廃盤 原盤LP : Kingdom KVS5011


80年代のキャラヴァンにとっては奇跡とも言えるアルバムだ。前作を最後にジョフリー・リチャードソンが脱退し、さらにデク・メセカーもその後を追った。残されたメンバーはどんな気分だったのだろうか。詳しいことは解らないが、それでもキャラヴァンはもう一枚アルバムを制作した。なんとバンドのオリジナル・べーシストだったリチャード・シンクレアを迎えて、である。タイトルにも表されたようにかなりの意気込みが込められていたのだろう。とても良いアルバムに仕上がっている。ノスタルジックな雰囲気と優れたポップ・センス、緻密なアンサンブル、随所で聴けるプログレッシヴな感性など、ファンにはうれしくてたまらない作品である。

とりあえずオープニングの「バック・トゥ・ハーン・ベイ・フロント」を聴いてみて欲しい。僕のとても好きな曲だ。メロディアスな中にもデイヴのエレクトリック・ピアノとリチャードのフレットレスベースの絡みがカンタベリーしている。シャープなドラムもいい。でもやはりこの手の曲ではパイの影が少し薄いなあ。たしかにリチャードがフロントに立ってハットフィールズの延長にあるような曲を始めたら、パイは裏手に回るしかないとは思うけど。もっともパイはパイでB面の秀曲「オール・アボード」を始め3曲を提供しているし、8分を超えるタイトル・ナンバーではヴォーカルとギターで活躍している。

面白いところでは、3曲目の「A.A.マン」でリチャードがギターソロを弾いている。腕前は・・・わざと下手に弾いてるのか?と思う程度。笑って許そう。

あと、忘れられないのがB面一曲目の「サリー・ドント・チェンジ・イット」。珍しくデイヴの歌うバラードだが、これは美しい!かつてデイヴが書き、マッチング・モウルでロバート・ワイアットが歌った名曲「オー・キャロライン」を思い出させる佳曲である。

アルバム中最大の聞き物はラストのタイトル・ナンバーだと思う。かなり洗練されてしまってはいるが、インタープレイ中心のメロディアスな演奏はまさに70年代初期のオリジナル・キャラヴァンの雰囲気ではないか!特にデイヴのアグレッシヴな快演が光る。

そう言えば本作にはクリムゾンで有名なメル・コリンズがサックスで参加している。おそらくはキャメル人脈でリチャードが連れてきたのだろう。しかし、せっかく良いアルバムを作ったというのに、本作発表後キャラヴァンは正式に解散してしまう。元メンバー達が再び集結するのはこの8年後のことである。

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