Caravan andThe New Symphonia
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1973年10月28日、キャラヴァンはロンドンのロイヤル・ドゥルーリー・レインで素晴らしいコンサートを行った。何とオーケストラとの共演で、発案者は前作のプロデューサー、デビッド・ヒッチコックだった。その記録が74年4月に発表された本作である・・・まったく、この時期のキャラヴァンは本当に素晴らしい。躍動感溢れる演奏と美しいメロディが変幻自在のオーケストラと溶け合い非常に聞き応えのある音楽を作り出している。
収録曲はどれも良い出来だ。オープニングの「イントロダクション」は本作のアレンジャー、サイモン・ジェフスのペンによる曲で、ミステリアスな曲だがキャラヴァンが演奏するとどことなくユーモラスにも聞こえる。続く「ミラー・フォー・ザ・デイ」はパイ・ヘイスティングスがこのコンサートのために用意したと言われる新曲の一つで、暖かみのあるメロディが魅力的な佳曲である。次の「ラヴ・イン・ユア・アイ」は「ウォータールー・リリー」に収録されていた名曲。スタジオ版でもオーケストラが導入されていたが、本作のヴァージョンは確実にそれを上回る出来だ。パイのギター・ソロも気合十分だが、ジョフリーのヴィオラも聞き物だ。器の大きさを感じさせる堂々としたソロを弾いている。
もう一つの新曲「ヴァージン・オン・ザ・リディキュラス」はイントロのメロディアスなリフレインが印象的な曲。まるでイージー・リスニングのような聴きやすい曲だが、間奏で聴けるデイヴ・シンクレアのロング・トーンを生かしたソロからはプログレの香りが感じ取れる。それにしてもこの心が安らぐような優しいメロディはパイならではの味わいだろう。
ラストの「フォー・リチャード」は本作のハイライトと言って良い名演だ。オリジナルはセカンド・アルバムに収録され、現在に至るまで数種類のライヴ・ヴァージョンが発表されている彼らの代表曲である。ここでは重厚なオーケストラを従えた職人的なアンサンブルを聴くことが出来る。ジョン・G・ペリーのテクニカルなベース・ソロも聴けるが、やはりジョフリーのヴィオラに才気を感じる。ただ一つ残念なのはデイヴのオルガンがバックのオーケストラに負けており少し聞きにくくなってしまったことか。それでもこの演奏は十分に素晴らしいと思うのだが。