Caravan
Place of my ownRide Policeman Love song with flute Cecil Rons Magic man Grandma's Lawn Where but for caravan would I
1968年秋にリリースされたキャラヴァンの記念すべきファースト・アルバムである。今でこそ容易に手に入るが、96年にCD化されるまでは彼らの作品中もっとも手に入りにくい作品だった。それまでは中古レコード屋をこまめに回るしか本作を聴く手段は無かったのである。
アルバムの内容は、一言で言えば「サイケ・ポップ」と言った感じか。プログレと言うにはまだ早い感がある。しかし本作は実に良いアルバムである。なぜかというと曲が非常に良いのだ。
あまり注目する人がいないようなのではっきり言わせてもらうが、キャラヴァンのポップ・センスの良さは相当のものだ。そもそも彼らの楽曲はプログレッシヴ・ロックである以前に非常によく出来たポップ・ミュージックだと僕は思う。どんなにプログレッシヴなことをしていても、彼らの音楽にはリスナーの心に訴えかける優れたメロディがあり、僕はそれこそが彼らの魅力だと思っているのである。そしてこのファーストアルバムは見事に全曲メロディが良い。
収録曲で最も有名なのは、後にベスト盤に収録された「プレイス・オブ・マイ・オウン」と「マジック・マン」だろう。どちらもパイ・ヘイスティングスの繊細な声と哀愁のメロディが素敵な曲だ。後者ではリチャード・シンクレアがコーラスをとっているが、この二人のハーモニーは何とも美しく、気品すら感じさせるものがある。
その他の曲も個人的には全て好きなのだが、特に押すなら「ラヴ・ソング・ウィズ・フルート」と「ホェア・バット・フォー・キャラヴァン・ウッド・アイ」の二曲か。前者はワルツで始まりボサノヴァへ展開するかっこいい曲で、順レギュラー・メンバーとして現在もキャラヴァンを支え続けるジミー・ヘイスティングスのフルートが聴ける。後者ではほのぼのした牧歌的なメロディと攻撃的な間奏との対比が面白い。別ページで紹介するが、1994年にキャメルとキャラヴァンが合体した企画バンド「ミラージュ」のライヴ盤に収録されている「キャラヴァン・メドレー」のオープニングに、本作ラストの「ホェア・バット・フォー・・・」が演奏されていた。
演奏に関してはメンバー全員気合いが入っていると思うが、やはり目立つのはデイヴの弾くオルガンである。まだこの頃はあの歪んだ音色は出てこない(ワウワウは使っている)のだが、どことなくせわしないオルガンが躍動感あふれるリズム隊とからむ様子は何ともスリリングだ。
冒頭にも書いたが、CDが発売されるまでこのアルバムはかなりの入手困難盤だった。僕は中古レコード屋でこまめに探していたが、手に入るまで5年もかかってしまった。今はCDで簡単に聴けるのだからありがたいものである。とは言っても、この美しいジャケットにはLPで持っていたい気にさせられるものがあるが。
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