「怪談?」
「あれ?お客様かい、フランソワーズ」 お茶が入ったわと呼ばれて階下に降りてきたジョーは、テーブルを見て明るく言った。 「紹介してくれるよね?」 「えっ……」 屈託なく言うジョーにフランソワーズは戸惑った。 「あの、ジョー」 そして身軽にリビングを出ていって、あっというまに戻ってきた。 「はい、どうぞ」 ジョーがカップを置いたのは、誰もいない席だった。 「ジョー、あなた……」
新たな事件の幕開けだった。
|
「本当に怖かったんだから!」
「ジョーにしか見えない何かがいるんじゃないかって思ったわ!」 しかし、真相はジョーがフランソワーズをからかっただけであった。 「いいじゃないか。夏なんだし」 ちょうどメンテナンスに来ていたピュンマが笑う。 「日本の夏の風物詩なんだろう?怪談って」 しかし、フランソワーズは両手を揉み絞り訴えた。 「そうよ!別の意味で怖かったわ!」 大笑いするピュンマ。 ジョーは、 「ひどいなあ。どうかしちゃったってどうなるんだよ」 ジョーはただ頭を掻くしかなかった。 「いや、だから、フランソワーズもそういう体験したいかなーって……」 「まぎらわしいのはいりません!」
|