「習慣」
〜着せて。履かせて。〜
「これ、要らないよね?」 ひょい、と床から拾われたそれが目の前をよぎった時、フランソワーズは慌てて腕を伸ばした。 「駄目っ!それ、私の!」 腕を伸ばしてジョーにかじりつくものの、ジョーはフランソワーズの頭を片手で押さえて動きを簡単に封じてしまう。 「うーん。僕としてはどれも好きだけど、今日のこれは勝負パンツ?」 しみじみと観察されるそれにフランソワーズの頬が朱に染まる。 「いっつもそんなに見ないくせにっ」 ジョーはちらりとフランソワーズを横目で見ると、掴んでいた下着を指から離し、と同時にフランソワーズを押し倒した。 「――起きるのやめた」 しかし、まともに体重をのせてくる最強のサイボーグには手も足も出ないのだった。 「・・・ジョー。そろそろ起きなくちゃって言ったのはあなたよ?」 確かにそう言って身体を起こし、床に散乱しているふたりの衣服をより分けていたのだった。 「――気のせいだ」 ――全くもう。子供じゃないんだから。 胸の裡で言って、フランソワーズはそっと息をつく。 「――フランソワーズ」 するとジョーは少し身体を浮かし、フランソワーズの顔を覗き込んだ。 「それってつまり、中身で勝負ってこと?」
|