チャイナドレス

 

 

あのドレスはもう着ないの、と訊いたら、着ないわよと怒ったような返事。


・・・何か怒らせるような事を言ったかな?


「似合うのに」
「でも、もう着ないの!」

「綺麗なのに」
「でも絶対に着ません」


・・・何かあったのかな?


「僕は好きだけどな、あの格好」
「あらそう。でも着ないわ。残念ね」

本当に残念だ。

そんな思いが顔に出てしまったのだろうか。
フランソワーズは僕の顔をじっと見つめ、おもむろに溜め息をついた。


「・・・わかってないのね」


えっ?何が?


何を?

 

「だってジョーは」

目線を手元に移して。

「あの格好をした私、がいいんでしょう?」
「なっ・・・」

なんだそれは。


「だからもう着ないの。それとも、あのドレスを着ない私じゃ興味ない?」


・・・ばかだなあ。


「興味あるのに決まってるじゃないか。そうじゃなかったら」

こんなこと、してないよ。

 

僕は再び、彼女の滑らかな背中に唇をつけた。