こちらはオトナ部屋です!!
御注意ください!

「おはよう」  平ゼロです。


 

「おはよう」

目を開けると、そこにはジョーの顔があった。

・・・早起きね。

ジョーのキスで起こされるなんて滅多にないこと。
もしかしたら、今日は雨かも。
そう思って窓を見る。
カーテンが引かれたままの窓は、それでも今日の晴れを十分に主張していた。
梅雨の時期の晴れは貴重。今日はお洗濯の日ね。
私は心に決めて、身体を起こそうとした。しかし。

「駄目だよ。フランソワーズ」

ジョーに両肩を押し戻された。

「えっ?」
「まだ早いんだから」

そう言って、ぴったり身体を寄せて全体重を乗せてくる。
重いし、暑い。
男のひとの身体って、どうしてこう暑苦しいんだろう。
もちろん、ジョー以外のひとがどうなのかなんて知らないけれど。

「・・・ジョー?」

だったら何故起こしたの?と問おうとして私は黙った。

ジョーの手が私の胸の上にある。

もしかして・・・そういうこと?

私は小さく息をついて、天井を見た。
ジョーは何も言わない。
彼の手のなかで私の胸は形を変える。
一生懸命なジョー。
夢中なジョー。
・・・ちょっと嬉しい。
もちろん、こういうのってフマジメにされても困るんだけど。
その胸の先端を口に含まれて、私は小さく声を出した。

「・・・ねぇ、ジョー」
「ん。何?」

その間もジョーはやめないから、会話は途切れ途切れになる。

「ん・・・もう、朝なのよ」
「うん」
「夜にしましょう・・・こういうのは」
「うん。――でもさ」

そして今度は首筋に唇が寄せられる。熱い。

「そういう気分だから」
「そういう気分って?」
「うん。ほら――朝だし」

朝だし?

「ちょうど・・・」

ちょうど?

「ちょっと待って、ジョー」

私はジョーの顔を手のひらで押し戻した。

「何?」
「何って、その、もしかして」
「うん?」

ジョーは優しく笑って、私の鼻にキスをした。

「何?」
「だから。ちょうど朝だからって、その――私はあなたの生理的現象に便利に使われるのはイヤなのよ」

そうよ。
ちょうど「そういう状態」だからって、ついでにちょっと・・・なんて、そんなのはゴメンだわ。

「イヤだなあ、フランソワーズ。違うよ。・・・ほら」

そうして手を導かれた。

・・・あら。

「ほら。――ね?ついでなんかじゃないだろう?」

・・・そうかも。

「ちゃんと、君の魅力で段々とこう・・・」
「まあ。本当ね。凄いわ、ジョー・・・って、そうじゃなくて!!」

もうっ。

「朝にそういうコトをするのはイヤって言ってるの!」
「どうして?」
「どうして、って、だってあなたはいいでしょうけれど、それはその、つまり」
「つまり?」

きょとんとしているジョーが憎らしくて愛おしい。
大体、いつの間に全裸になってるの。昨夜、ちゃんとパジャマを着たはずなのに。

「だってその、私はあなたと違って・・・」
「・・・うん?」

朝からこんなコトをしたら、起きられなくなっちゃうのよ。

小さく小さく言うと、ジョーは優しく笑って、そうして耳たぶにキスをした。

「――いいよ。二人で寝坊しよう。たまにはいいんじゃない」

 

***

 

くすくす笑い合って、結局もう一眠りしてしまった。
次に起きたのは昼をとうに過ぎていて。

もう。
どんな顔して起きていけばいいの?

ジョーのばか。

 

 

2009/7/13up Copyright(C)2007-2009 usausa all rights Reserved.