「僕はいなくならない」
君の前から絶対に去らない。
君をひとりになんて、しない。
そう言ったら、蒼い瞳が翳った。
「そういう嘘は言わないの」
僕の唇に指を当てる。
嘘なもんか。
僕は君の前から去らない。
「胸に手を当てて、よぉーく考えてみて?」
・・・考えてみた。
「ね?私の前からいなくなったこと・・・あるでしょう?」
ない。とは、言えなかった。
つまり、これはその罰なのか?僕に対しての。
「その度に泣いていたら大変だもの」
ポツリと言う君。
「・・・ごめん」
「いやね。どうして謝るの?」
身に覚えがあるっていう証拠じゃないの、と君が唇をとがらせる。
「でも・・・君は僕がいなくても平気?
僕がいなくなっても、いつもと同じ毎日を過ごすの?」
ちょっと薬が効きすぎたかな。
ジョーの泣き顔を見ながら少し反省する。
本当に、おばかさん。
あなたがいなくなって、私が平気なわけないでしょう?
どうしてすぐ信じてしまうの。
本当にもう、あなたって・・・。
「嘘よ。全部、うそ」
あなたの瞳が丸くなって、そしてゆっくりと笑顔になってゆく。
「たくさん泣くわよ。だから・・・いなくならないで?」
ならないよっ。
そう言って、あなたは私を抱き締めた。