ただ、いつも一緒に居たかった。
あなたの隣に居たかった。

それだけだった。

 

まさか、あなたの居ない日が来るなんて。
そんな日が来るなんて、思ってもみなかった。

いつか・・・
私たちにだって「最期の日」は、くる。
けれども「その時」は、きっと「一緒に最期」を迎えるものだと
そうに違いないと勝手に信じていた。
あなたと一緒なら、何も怖くないと思っていた。

なのに

あなたは先に逝ってしまった。
私ひとりを残して。

いくら、最期に笑顔でも。
いくら、最期に言ってくれても。

それでも許せない。

許さない。

ひとりで逝っちゃうなんて。

 

あなたは昔、「君がいなくなったら僕は死ぬよ?」と言っていた。
「君がいない世界なんてどうなったって構わない」とも。

なのに、私は生きている。
あなたがいなくなっても、世界はそのままで。

だって

私が死ぬのは、あなたが許してくれない。
「でも、僕がいなくなっても、君は生きていて」
そんな事言うなんて、あなたはずるい。

「だって、僕が先にいなくなるってことは、君を守るために決まっているんだから。
それなのに、君を守りきったあとですぐ君が死んでしまったら
僕はやりきれないよ」
そう言って笑った。

その時は、まさかそんなことが現実に起こるなんて想像すらしていなかった。
だから、本当に軽い気持ちで約束したの。
「ジョーったら。しょうがないわねぇ」
って。
指きりまでして。
「私はあなたがいなくなっても死なないわ」
って。

 

 

あなたと一緒に居たかった。
いつもお互いの笑顔を見つめて生きていきたかった。

 

 

−第1章−完