「雨の朝」

 

 

 

 

朝から雨かぁ・・・


早くから目が覚めたものの、それが雨音に起こされたせいであると知り、ジョーは小さく息をついた。

雨の日は苦手である。


――まったく、昨夜も降っていたのにまだ続くなんて、な。


そうは言っても、昨日梅雨入りしており、仕方ないと言えば仕方ない。
毎年の事だからと諦めるしかない。

ジョーは無言で隣に眠る温かく柔らかいものに目を向けた。

昨夜は「雨だから」とやって来た。
そういえば、彼女と過ごすようになってから昔ほど雨の日が苦手ではなくなっているような気がする。


気のせいだろうか。


あるいは、一緒にいるためのただの口実に過ぎないのかもしれない。


――いや、どうだろうか。
二人が一緒にいることに口実なんてとうに必要なくなっている。


・・・まあいいや。何だって。


二人で迎える朝は、雨だろうが晴れだろうが関係ない。

今日もまた一緒にいられる。

そう実感するのは幸せだったから。