「隣にいるのは彼女」
「お弁当持ってくればよかったわねえ」 さらりと言うから、一瞬ジョーは聞き逃し少しの間の後に頬を染めた。 「あら、ほんとのことだもの」
陽に光る緑がまぶしい公園。
「でもまだ風が冷たいよ」
ジョーは苦笑すると、大丈夫?と隣のフランソワーズの顔を覗き込んだ。
「大丈夫よ。寒くないわ、ちゃんと着込んできたし、それに」
ジョーがいるもの。
「いやだな、何を言うんだい」
ふふっと笑うフランソワーズの笑顔がなんだか眩しくて、ジョーはふいっと目を逸らせた。