ジョー?
どうしたの?と、顔を見ようとしても彼の胸の中に強く抱き締められていてできなかった。
全く身動きが取れない。けれど、私に繋がっている点滴類やコードにはきちんと注意を払っている。
それらには触れないように、私の傷にも触らないようにして、それでもぎゅっと抱き締めている。
まるで自分の顔を私に見せないかのように、私の頭を自分の胸に抱え込んで。
・・・もしかして、泣いてる?
あなたのことだから。
きっと、私が怪我を負ったことを気にして気にして、自分を責めていたのでしょう?
いつも、そう。
守りきれなかったと言って自分自身を責める。
優しいひと。
急に抱き締められて驚いて、思わず力の入っていた身体からふっと力が抜けてゆく。
抱き締められて、彼の体温と彼の鼓動に包まれて、だんだんリラックスしてくる。
・・・私、いま凄く幸せなのかもしれない。
だって。
「私を守りきれず自分を責めているあなた」に抱き締められているのよ。
これって・・・とても愛されているってことでしょう?
幸せだわ。私。
今まではわからなかった。
でも、いまはわかる。
・・・ね。
幸せよ、私。
だって、私は。