ここは南国の地である。 休暇を利用して博士を除く009と003、001、007は遊びにやって来ていた。 今日は午前中に海で遊び、今は001と007はお昼寝中である。 昼下がりの気だるい空気が漂う。 開け放した窓からは潮風の香り。
「ねえ、ジョーもお昼寝するんじゃなかったの?」 昼食後、僕も寝るよと大あくびをしていたナインであった。 「うん。まぁ、そのつもりだったけど」 スリーの対面に腰掛ける。 「気が変わった」 スリーは小さく首を傾げると、だったらちょっと出かけましょうと立ち上がった。 「出かける?」 ナインが眉を寄せる。 「ええ。ボードウォークにお店が並んでいたの。ちょっと覗いたりしたいわ。ね。つきあって」 スリーは満面の笑みで、さあ早く着替えてとナインの手を引いた。 「ちょっと待て。着替える、って何に」 スリーが甘えるようにナインの腕に巻きついた。 「僕はいいよ。きみ一人で行ってくれ。ああ、なんだか急に眠くなった」 大きく欠伸をしてみせる。 「もう・・・ジョーったら」 断固として行く気のないナインにスリーは頬を膨らませた。 「・・・ジョーは私と一緒にいくのが嫌なのね」 断固としていくものか。 「私はジョーと一緒がいいのに」 聞こえない、聞こえない。 「ジョーと一緒にいきたいのに」 聞こえ・・・ 「・・・えっ?」 思わずスリーの顔を見てしまった。 「一緒にいくのがいい、って言ったのはジョーでしょう?」 それはこういう意味じゃない。断じて違う! 「一緒にいってくれないの?」 しかし。 意味が違う、使い方が違う、と思ってはいるものの、つい―― 「い・・・一緒がいいに決まってるだろ」 そう言ってしまった自分が悲しいナインだった。
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