こちらはオトナ部屋です!!
御注意ください!

 

「今日は私が」

 

 

 

「さ、ジョー」


連行されるようにベッドルームに連れて行かれ、何をどうするんだと言う間もなく突き飛ばされた。
ぽかんとしたまま仰向けに倒れこむベッド。天井を眺める間もなく、スリーがのしかかってきた。
一体何をする気だと再び思った時、締めていたネクタイを引っ張られ胸元がはだけられた。
見つめる先のスリーの表情はどこか楽しげである。
まあ楽しいようならいいかとナインは無抵抗のまま好きにさせることに決める。
しかしナインの様子に全く構わず、スリーはナインのネクタイを引き抜きシャツのボタンを全て外した。
アンダーシャツに少し頬を膨らませると、一息にそれを捲り上げた。
ナインが成り行きでバンザイするとアンダーシャツも無事に脱ぐことができ上半身裸となった。

で?

ナインの上に跨っていたスリーはちょっと脇に退くと、次はベルトに手をかけた。
そしてそれを緩めて外すとジーンズのボタンに手をかけるのだが、そこでちょっと躊躇った。

「……ジョー、どうしよう」
「自分でしようか?」
「ううん……そうじゃないの」

なんだどうしたとナインが半身を起こした。
するとスリーは何か考え込んだようなマナザシをナインに向けた。

「さっきまで凄く楽しかったの。前にジョーが言っていた通り、脱がせるのは楽しかったわ」
「それは何より」
「でも」

さすがに下を脱がせるのはまだ抵抗があるか。

「こういう時って私はどうすればいいの?」
「へ?」
「その、…自分で脱げばいいのかしら」
「あ…」

そうだった。
スリーに脱がされるという面白い出来事に集中していたため、スリー自身を剥いてゆく愉しみを忘れていた。

「そうよね。ジョーは今までそうしてきたんだし」

自分のことは自分でしなくちゃねと言いながら、ニットを脱ごうとしたのでナインは慌てて止めた。

「いや、それは僕がする」
「え、でも」
「前に言っただろう?脱がせるのは楽しいって。実際、いまやってみて楽しかったならわかるよね?」
「えっ…うん…」
「だったら」

僕にやらせて、と耳元で囁くとスリーが真っ赤になって耳を抑えると同時にぎゅうっと抱き締めた。
そのままニットの裾から手を差し入れ、脱がせる前にブラジャーのホックを外してしまう。

「えっ、ジ…ん」

びっくりした瞳のスリーを楽しげに一瞬見つめ、すぐに唇を重ねる。
そのまま彼女の柔らかい胸を包み込むのとベッドに倒れこむのが同時だった。

「ン、…待って」
「無理」

脱がされるのは愉しかったけれど、その間ただ受け身でいたのだ。
もちろんスリーのためにわざとそうしてはいたのだけど、そろそろ我慢も限界だった。
やはりこういう場合、どちらかが「されるがまま」というよりは「お互いに」触れ合うのが自然なのだろう。
わかっているが、スリー相手だと中々スタンダードにはいかないのが事実である。

「だって、今日は私が」
「うん。だけど無理」

スリーが今日は頑張る――という約束ではあったが、既にナインにそれを守る気は無い。
あれこれ考えながら楽しそうにナインを脱がせてゆくスリーがあんまり可愛かったのでというのもある。
このまま彼女任せで行為を続けるなど繋がるのに永遠の時が必要に思えて、ナインには到底我慢の限界であった。

「それに全部脱がなくてもできるんだよ?」
「えっ…」

戸惑ったように揺れる瞳にキスをするとナインは自らの衝動のままスリーを抱き締めた。

彼女優位でことを進めるのはまだまだ先の話になりそうだ。

 

 

2016/5/8up(3/9初出) Copyright(C)2007 usausa all rights Reserved.