こちらはオトナ部屋です!!
御注意ください!
脚と脚の間にひとの顔があるなんて状況は、絶対に普通じゃないと思う。 私は恥ずかしがればいいのか、怖がればいいのか、それとも―― 「フランソワーズ。・・・イヤ?」 イヤなワケじゃない。 「ん・・・ちょっとくすぐったいの」 そう言うとジョーは少し笑ったみたいだった。 ジョーの手が腿にかかり、私は驚いて身を引いた。 なんだか――熱い。ジョーの手が。 「フランソワーズ。・・・大丈夫だから。僕を信じて」 どうしよう。 「ね、ジョー?」 時間かせぎをしようとした訳じゃないけれど、でももうちょっと猶予が欲しくて 「これって、前に言ってたことのひとつ?」 返事が聞こえなかった。 「ジョー?」 代わりに。 「え、や、・・・ジョー・・・?」 いま何をしているの。 ジョーの声が聞こえなくて、急に不安になった。 「・・・ジョー?」 そんなところを舐めて楽しいの? ・・・気持ちいいのだろうか? 私は、顔が見えないし声が聞こえないし、なんだかひとりぼっちのような気分になった。 けれどもジョーの声は聞こえない。 一生懸命な雰囲気は伝わってくるけれど、でも悲しかった。 もちろん、ここにいて私に触れているのはジョーに間違いない。 でも。 あれこれ何かしてくれているみたいだけど、でもそんなのより私はジョーの顔を見たかった。 「・・・ジョー?ねぇ、いま・・・」 顔を見せて。 声を聞かせて。 名前を呼んで。 望んでも叶えられない。 私はひとり。 なんだか急に寒くなって、そして――涙が出た。 「フランソワーズ」 ぎゅっと目をつむっていたら、耳のそばで熱い声がした。 「ジョーっ」 思わず抱き締めてしまう。 ジョーはくすりと笑ったみたいだった。 「・・・ジョー?」 そうっと目元にキスをしてくれる。右と左。両方に。 「・・・わからない」 そうして唇に。 「・・・力を抜いて」 優しく言われる。でも。 「大丈夫。痛くないから」 どうやって? 「僕を信じて」 私はジョーの熱い身体から伝わる熱に身を任せた。 だから。 「ジョー。だ――」 大好き、って言おうとしたのに。 「・・・フランソワーズ」 ジョーの声も吐息に変わる。 身体が熱くて。 ジョーも熱くて。 だから、ジョーが何て言ったのかわからなくなってしまった。 ――アイシテイルヨ――
きっと、空耳じゃない。
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