「寝てください!」
ジョーの寝起きは最悪だ。 実は寝付きも最悪だっていうのを知っているのは、たぶん私だけ。 ミッションの時はさっさと寝る。それこそ、ワンツースリーで。 どうして私と一緒の時だけ、寝付きが悪いの! まさか隣にいるのが落ち着かない・・・というわけじゃないわよね? だったら逆かしら。 ・・・そんなウブな理由かしら。 だって、さんざんこれでもかって言うくらい甘えた後なのよ。
「ん・・・フランソワーズっ」
ほらきた。
甘えるように鼻にかかった声。 「・・・眠れない」 「寝てください」 「でも眠れないんだ」 「いいこと教えてあげる。まっすぐ上を向いて目をつむって静かにしていること。そうすれば眠れるわ」 ジョーは私を抱いた腕を離そうかどうしようかちょっと悩んで。 「そんなのやったって、どうせ眠れないよ」
困ったわね。
私は欠伸をひとつ。 ジョーを胸元に抱えながら。 眠いくせに、眠るのに手順が必要なんて、赤ちゃんみたい。 だからって毎回付き合わされるこちらの身にもなって欲しい。 私に甘えながらじゃないと眠れないなんて、本当は嘘なんでしょう?
・・・でも、しょうがないからそういう事にしておくわ。 甘えんぼのジョーくん。
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