こちらはオトナ部屋です。
御注意ください!!

「A・YA・SHI・TE・KU・RU」 

 

 

フランソワーズ。

僕が――どんなに君の事を愛しく思っているか、
わかってる?

わかってないよね、きっと。

だって、ちゃんとわかっていたら――そんなに不安になる訳がない。

きっと、君の心の奥にはいつも・・・僕がいつか君から離れるのではないかという不安が在るのに違いない。

どうしてそんなモノが在るんだ。
僕はどこにも行かない。絶対に。
だから、そんな「不安」なんかさっさと捨ててしまえばいい。
僕が――君のなかから、その不安を取り出して消してしまうよ。

いいね?

 

***

 

 

いつもより執拗だった――と思う。

 

フランソワーズはずっと、泣きそうな顔で
苦鳴ともつかぬ声を洩らしていたから。

だけど。

ダメだ。

そんなんじゃ、まだまだ足りない。

全然、足りないよ

フランソワーズ

 

**

 

もっと深く。

もっと――もっと。

君のなかに深く自分を埋めてしまいたかった。

ねぇ・・・君の不安はどこにあるの?まだ先があるの?まだ奥なの?
そんなに深い闇の中で抱えていなくてもいいのに。

大切なモノじゃないんだろう?
――不安なんか。

そんなもの。

 

フランソワーズ。

ちゃんと僕を見て。

僕はここにいる。君のそばに。――君のなかに。

何が不安?
何が心配?
何が怖い?

言ってごらん?

僕は――何でも聞くから。

だから・・・

一人で抱えてないで、言ってごらん?

 

 

ジョー・・・大好き。

 

 

熱い声が耳を掠める。
僕は更に腕に力をこめて抱き締めた。
髪にそっとキスをして。

――知ってるよ。ずっと前から。

そう囁くと、小さく「ジョーのばか」と言われた。
いつものフランソワーズだった。

もう――大丈夫だよね?

 

 

***

 

「ねぇ、ジョー・・・お願い。もう・・・動かないで」

腕の中でフランソワーズが頬を上気させて請う。

「――僕じゃないよ。てっきり君かと・・・」

再び振動が伝わってくる。
僕でもフランソワーズでもないということは――
ドルフィン号?

「――ったく。何て操縦だ」
ジェットのヤツ。何て下手クソなんだ。

「やっぱり僕が行かないと――」
言って身体を起こす。

けれど。

僕の胸にぴったり頬を寄せているフランソワーズ。
――そっか。離れないって言ったばかりだったな――

「――せっかくだから、もう一回する?」
「ばかっ」

やっぱりいつものフランソワーズだった。

 

 

2009/4/19upCopyright(C)2007-2009 usausa all rights Reserved.