「あ、今日はジェットよ。空飛んでる・・・って、えっ?」 朝の情報番組を揃って見ていたジョーとフランソワーズは、今日はジェットと知るや凝固した。 「おいちょっと待て」 いいのか? 朝の番組だぞ!
ジョーの膝の上で彼にしがみつき目をそらすフランソワーズ。 事の成り行きを。
さわやかに言った笑顔のジェット。 下半身は画面の外であった。
「・・・やだなぁ」 ぼそりとジョーが言った。
フランソワーズが体を離すと、そこには顔をしかめたジョーがいた。 「なあに、どうしたの」 また奴の人気があがるだろ、と膨れた。 「あら、ジョーだって負けてないわ」 でもいちおう主役だし、と続ける。 「そう。・・・私だけじゃ不満?」 朝からそんなことを言われたら、ぎゅうっとせずにはいられない。 「ん、ジョー、ごはんが冷めちゃう」
|