キャス・パリーグ


1:展覧会
丸川教授、大エジプト展の準備に励むこと。


キーパー:泰野先生と新城は國史院大学の考古学部教授である丸川賢人(まるかわ・けんと)に呼び出されます。丸川は国際的にも有名なエジプト考古学の権威で、その名声から“和製・吉村作治”と呼ばれています。
一同:いやいやいや(笑)
泰野教授:そもそも吉村作治は和製だろ(笑)
丸川賢人キーパー:用件は丸川がエジプトでの発掘調査から帰国したので、お土産を渡したいというものです。
泰野教授:私と丸川教授はお土産をやり取りしても不自然じゃない関係?
キーパー:当然、同じ学部なので顔見知りですし、会合で同席することもしばしばです。泰野先生も丸川教授も人気のある名物教授なので、大学内外で有名です。当然、丸川の方が先輩教授ということになります。
泰野教授:なるほど。
キーパー:2人は丸川教授の研究室にやってきました。「やあ、お久しぶり、泰野先生」と丸川に出迎えられて、紅茶を出されます。さっそくエジプトのハン・ハリーリ・バザールで入手したというスカラベのオブジェを渡されます。高さ15㎝くらいの、別に希少性は微塵もない、いわゆるお土産品です。
泰野教授:お礼を言って受け取ります。「今回の発掘調査の成果はいかがですか?」などと世間話をします。
キーパー:頻繁に大発見があるわけではないので、「ぼちぼちでんな」的な話を聞かせてくれます。「さて。実はこの土産には先行賄賂的な意味があってね」と言って丸川はニヤリと笑います。
新城:「と、言いますと?」
キーパー:(丸川)「近々、白凰市でエジプト展を開催しようと思っていてね。その際に、泰野先生の知り合いに展示の手伝いをお願いしたい」
泰野教授:「はあ。設営とかですか?」
キーパー:(丸川)「そう。エジプト学の専門的なところは私や教え子たちがやるので、泰野先生に手伝ってほしいのは展示品を並べて、説明書きを置いていくといった単純作業だ」
泰野教授:「教え子の中には学芸員の資格を持っている子もいますので、信頼できる子をご紹介することはできますよ」
新城:「私もお手伝いします」
キーパー:(丸川)「國史院大学も協賛するので、その時になったら詳しいことを伝えられるはずだ。どうかよろしく頼むよ」
泰野教授:「会場はもう決まっているのですか?」
キーパー:白凰市立博物館という、万座区にある市内最大の博物館です。クレーンを使って大掛かりなセットを組み立てることも可能な規模です。
泰野教授:いわゆる大規模博覧会になる予定なのね。1人や2人派遣すれば良いわけじゃなさそうだな。

スカラベ

キーパー:紅茶も飲み終わって、じゃあ、そろそろお暇しようかなというところで、INTロールをしてください。
泰野教授:(コロコロ)……84、失敗です。
新城:レギュラー成功です。
キーパー:新城は、丸川教授の資料ラックに飾られている儀式用遊覧船のおもちゃに目を引かれます。大きさは40cmくらいですかね。
新城:「――丸川先生、それは?」
キーパー:(丸川)「おお、気がついたかね! なかなかの掘り出し物でね、ハン・ハリーリ・バザールで15万円くらいで購入したんだ」
泰野教授:……ほほう。
キーパー:(丸川)「紀元前2000年ごろ、第11王朝時代のものだ。シカモア材で造られていて、埋葬船を再現している。こことか、こことか、動くんだぜ!」と熱心に説明してくれます。それを見た2人は〈歴史〉〈オカルト〉〈科学(エジプト学)〉ロールをしてください(コロコロ……泰野教授は〈歴史〉で、新城は〈オカルト〉で成功)。丸川はこれを“おもちゃ”と言いましたが、おそらくこれは単なるおもちゃではなく、“死後の世界へと旅立つ魂を運ぶのに使われた船を表しているのだろう”ということが分かります。こういったものは故人の魂が死後の世界への航海に使えるように、棺の足下に安置されていました。
新城:なるほど。我々がエジプトと聞いて思い浮かべそうなものですね。
キーパー:丸川は「気がついたかね? ん?」みたいな表情で2人を見ます。
泰野教授:「これは……確かに、掘り出し物ですね」
キーパー:丸川教授からもう少し模型についてのレクチャーを受けた後、再度展覧会の協力について要請されてから、先生と新城は研究室を後にします。
新城:「……丸川先生はああ言っていましたけど、あの模型はおもちゃじゃないですよね?」
泰野教授:「う~ん、どういう経緯で丸川先生に巡ってきたものかは分からないけど、昔から墓泥棒で国が成り立ってきているという面もあるので、回り回って盗掘品が手に入るっていう可能性もあるかもね。その辺は先生ご自身が良く分かっていらっしゃるだろうから」

スカラベ

キーパー:数日後、丸川教授はコーンウォールへ研究旅行に出かけたとの話が伝わります。
一同:コーンウォール!?
泰野教授:大英博物館のあるロンドンならいざ知らず、コーンウォール?
新城:展覧会の準備で忙しい最中に、コーンウォールに行くっていうのは……あまり結びつかないですね。
泰野教授:丸川教授周りの学生に聞いてみますけど、「どうしてまた先生はコーンウォールに行ったの?」
キーパー:(学生)「なんだか、今度開催する展覧会の下見に行ったみたいですよ」
泰野教授:「コーンウォールに?」
キーパー:(学生)「私たちも詳しいことは聞かされていないのですが……」パスポートを持っていた学生数名を募って出かけていったそうです。
宇乃:急に出かけていったわけね。
泰野教授:「……コーンウォール?」
新城:「……なんだそりゃ?」
キーパー:その後しばらくしてから丸川教授が帰国して、発表があります。コーンウォールの私設博物館と協力して、「大エジプト展~コーンウォールよりエジプトに思いをはせる~」(於:白凰市立博物館、協賛:國史院大学)という展覧会が開催されるのだそうです。
一同:んん~?
泰野教授:帰国しているのなら、ちょっと丸川教授を訪ねてみます。
キーパー:面会は叶いますけど、「忙しいので手短に頼むよ」ということになります。
泰野教授:「発表を聞いたのですけど、具体的な会期とか、こちらの準備の予定とかは……」
キーパー:(丸川)「会期は1か月を予定している。準備は、コーンウォールの博物館から借りる展示品が届いたら、すぐに作業を始めるつもりだ」
新城:「コーンウォールに何かエジプトと関連するものがあったということですか?」
キーパー:コーンウォールにある古代エジプトを扱う私設博物館の収蔵品を借りて展示を行なうということです。(丸川)「今までになかったアプローチになるだろう。その点については自信を持っている」
泰野教授:「はあ、そうですね。じゃあ、何人か心当たりに声をかけておきます」
キーパー:それで、声がかかるのが皆さんということです。
宇乃:人材不足だな(笑)
キーパー:ほかにも都合のつくSPHF会員や学生が何人か出たり入ったりという感じになります。
宇乃:私は丸川教授とのコネクションを作りに来ています。自分が運営する「うのちゃんねる」への出演交渉をするつもりです。
キーパー:(丸川)「いや~、HIKAKINさんからブロックされている人はちょっと……」と拒否されます(笑)
宇乃:なんでだよ!(笑)