#1 出羽 清虎





アクション1:
1アクション目=午前
 B4区画におもむき、野良猫・ロクスケに自分の朝ごはんの「鯵の干物」の半分をおいておく(実家は漁師なのでたくさんの鯵の干物を送ってくれますので)。そして、ロクスケに朝ごはんが有る事が解る様に、ギターと歌を唄って知らせておくw 「世羅さんがいなくなってからロクスケにご飯やる人間がいないので、彼(彼女)が生きているか心配になった」というのが今回の行動の動機です。

2アクション目=午後
 地下ショッピングモール「万座殿」の崩落した工事現場の近く店のおねぇさんやおばちゃん(など噂好きそうな人)達に事故の様子や、無事救助された調査メンバーの内2名の名前、解らなければ性別・年齢・服装・見た感じの印象などの情報を集めます。次回#2で無事救助された調査メンバー達に直接事故の様子など詳しい情報を本人たちに聞く為の布石を作る、という動機での行動です。

3アクション目=夜
 B4区画におもむき、夕ご飯としてロクスケに「鯖缶とご飯」を持っていく。そしてお決まりのギターと歌を演奏し唄ってご飯を知らせる。
 できれば、ロクスケの左後足が怪我をどうにかしたいので、消毒薬とガーゼ・包帯・ピンセットなどもって行きます。しかし警戒されて嫌がるようなら無理強いはしません。気長に心を開いてくれるまで待ちますw。「冬も近いので、早く怪我が治れば自分で飯をどうにかでき、野良でも生き残る可能性が高くなるだろう」というクロスケの身を案じた為の行動です。




リアクション1:
【B4区画・午前】

 ロクスケへの朝食の分け前を携えて、B4区画へと向かう。万座殿の入り口を目指して新駅前を横切るように歩いていると、見知った顔を見つけ、あなたは声を掛けた。ソバージュのかかった長い髪をゆったりと秋風になびかせた陵杏里である。
 出勤途中だと語る杏里と連れ立って万座殿の入り口をくぐり、B4区画へと降りていく。
 いつもの場所―――ライブハウス「シルファムーン」脇の路地―――に着くと新聞紙に包んだ鯵の干物を懐から取り出し、路地脇にそっと置いてやる。次いで、担いでいたケースからギターを取り出すと短いフレーズを奏で、歌詞を乗せる。これがあなたとロクスケの「きまり」なのだ。
 一連の様子を杏里は黙って見ていたが、あなたがギターをケースにしまおうとした時に「あら・・・」と小声を漏らした。気付いたあなたが顔を上げると、路地の曲がり角の向こうに小さな影が見えた。警戒するように頭と前足だけを覗かせているのは、灰色猫のロクスケである。
 鯵の干物に一瞬視線をやった後、ロクスケはピクリと耳を動かし、あなたたちの方を見た。値踏みするかのように青い瞳がジーっとあなたと杏里を凝視する。
「ロク」
 姉がそう呼んだのと同じく、妹もそう灰色猫の名を呼んだ。しかし呼ばれた猫はビクリと背を振るわせると、まるで天敵から逃げるかのように、店舗裏の暗がりへと一目散に消えて行った。
「嫌われちゃったかな」
 ロクスケの消えた方向に眼を向けたまま、杏里は少し寂しそうな笑みを浮かべる。
「杏里さん、ロクスケの事知ってるんだ?」
 その問いかけに杏里は一瞬「え?」という顔をして、あなたの顔を見つめた。ただその表情も刹那浮かんだだけで、再び寂しそうな顔をしてあなたの先に立って歩き始める。一歩遅れるようにして続いたあなたの方を振り向きもせずに、杏里は問いかけへの返答をよこした。
「私、B9区画のブティックで働いているんです。だから通勤の道すがら見かけるあの猫ちゃんを覚えていて。・・・姉があの猫ちゃんをロクスケって呼んでいたから、私も自然とそう呼ぶように」
 やがて杏里との短い同道は終わりを告げ、彼女はB9区画の方向へと歩み去った。

 ロクスケの事を尋ねた時の一瞬の狼狽は、一体何を意味するのか? 世羅とロクスケを知るあなたには、二人(一人と一匹)の行動が不自然と感じて仕方がなかった。
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【B12区画】
 杏里と別れたその足で、B13区画崩落現場に一番近いB12区画へと出向く。
 崩落事故の際には若干被害を被った区画であるだけに、当時の状況を知るならここが一番の適所だろう。
 B12区画は完成した地下街としては一番新しく、内装設備も未だ清潔に保たれている。それなのに薄暗く感じる理由は、未だに店舗の入っていない貸しスペースが半分を占めるからなのだろう。特にB11区画との連絡通路に近い比較的賑やかなエリアを離れると、暗さ・寂然とした雰囲気は一気に増す。その暗寂とした無人区画を抜けた場所に、B13区画へと続く、現在は閉鎖されている連絡通路があるはずだ。
 手近な喫茶店に入ると、安いメニューをオーダーして窓際の席に着く。しばらくの後、ステンレス製の丸いトレーに注文の品を乗せたウェイトレスの女の子がやって来て、テキパキと皿をあなたの前に並べた。
 ウェイトレスに崩落事故当日の様子を尋ねてみると、ちょうど客足が途絶えた時間である事もあって、予想外に愛想良く応えてくれた。
「救助されたのは2人とも男の人だったんじゃないかな? 名前とかは・・・うーん、と・・・良くわかんない。って言うか知らない。新聞とかに載ったんじゃないの?」
 確かに、詳細は新聞等メディアの記載の方が正確かもしれない。その後は事件現場(の近く)に立ち会ったという得にもならない自慢話を聞かされ、出されたコーヒーが冷め切った後、ようやくその無駄話から解放された。


【B4区画・夜】
 夜、再びロクスケへの食事を携えて路地へと向かう。
 いつもの様にギターと歌で来訪を告げると、ロクスケが曲がり角から顔だけ覗かせる。置かれた餌には興味を持った様子だったが、いつも通り近づいてくる様子はない。ロクスケの足は心ない人間によって傷つけられた。以来、ロクスケが人間の接近を許すことは決してない。ロクスケにとって数少ない警戒を緩める人間であるあなたに対しても、それは依然変わらなかった。
 彼(彼女かもしれないが)のための食事を置いて立ち去る。気が向けば口を付けてくれるだろう。

 去り際、今朝持ってきた鯵の干物がまったくの手つかずで残っている事に気付き、あなたは首を傾げる。鯵はロクスケの大好物であったはずだが、何か気に入らないことでもあったのだろうか?
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