#1 鈴原 志郎





アクション1:
 どーも、K2です。

 1アクション目 赤室翔彦に連絡をとってみる。
 以前に店に訪れてくれていた縁を理由に協力を申し出てみます。
 事故当時の状況について聞いてみる。一番詳しい人でしょうから。出来れば事故現場にも案内してもらえるように頼んでみたい。

 2、3アクション目 事件について新聞やネットのニュースサービスなどで調べてみます。
 被害にあった調査隊メンバー全員の名前や昨晩会ったメンバーにその関係者がいないかなど。
 あと第1白凰ビル3階の現在の持ち主についても。ほぼ無人という以外の理由でこの場所が指定された背景があるかもしれませんので。
 調べごと数点あるので、あらかじめ2AP消費ということで。

 3アクション目 赤室翔彦に連絡をとってみる。
 以前に店に訪れてくれていた縁を理由に協力を申し出てみます。
 事故当時の状況について聞いてみる。一番詳しい人でしょうから。出来れば事故現場にも案内してもらえるように頼んでみたい。
 1アクション目に赤室との面会としていますが、彼の都合で会えないようなら、2or3アクション目でも。その場合は先に調べごとを済ませます。




リアクション1:
【赤室翔彦に連絡する】

 昨夜聞いた赤室翔彦の携帯電話にダイヤルしてみる。出先なのか、雑踏をBGMにした翔彦の声が受話器から流れ出す。彼は今、B13区画の崩落現場へと向かう途中らしい。
「これからでよろしければ、現場を案内しますが・・・?」

【出題】
 翔彦と合流してB13区画の崩落現場へと立ち入ることが出来ます。翔彦に合流するかしないかを決めて、アクション申請してください。



アクション2:
 翔彦と合流し、事故現場に行ってみることにします。
 お店の方は、手伝ってくれている学生のいとこ(がいるということに)に「ちょっと出てくる」と言って、任せておくことにし、また同盟を結んでいる香織、久遠にも事故現場に行くことをメールで知らせておくことにします。




リアクション2:
【鈴原志郎・成否判定結果】
 ロールに2回失敗しています。
 「幸運のお守り」を使って2回の失敗を成功に変える事が出来ます(どちらかの失敗だけを成功に変えることも出来ます)。
 「幸運のお守り」を使うか、その場合何回使うかを決めて申請してください。



アクション3:
 1回使用します。
 どちらか指定できるのなら、あとの方を成功にするということでお願いします。




リアクション3:
【赤室翔彦と合流する】

 白凰駅前の適当な場所で待ち合わせると、赤室翔彦とあなたは連れ立ってB13区画へと向かう。

 きらびやかな店舗街を抜けると、まるで忘れ去られたかのように薄暗い空間がそこにあった。未だ店舗誘致されていない一角。その更に奥、非常口を示す緑色のランプの下に、暗闇へと続く地下道が口を開けている。黄と黒のストッパーによって立ち入り禁止を主張するその地下道の先には、一ヶ月前に4名の命を奪い、世羅を行方不明となさしめた、あの崩落事故現場がある。まるで行方不明となった送り主の名を呼ぶかのように、携えてきたお守りに付けられた水晶が数度明滅した。

 事故現場は非常灯の光によって赤く照らし出されていた。翔彦の持っていた懐中電灯のスイッチが入り、弱々しい光が前方を照らし出す。十分でない灯りのもとで見て取れるのは、崩れた天井部分の重みで無惨に砕け、落ち窪んだ、真新しい大理石タイルの敷かれた床だった。崩落した天井部分の瓦礫は救助作業の過程でほとんど取り払われおり、床には小石や砂が残されているに過ぎない。

 気付いたときには遅かった。パラパラと降ってきた砂粒に続いて、何らかの衝撃によって引き起こされた新たな崩落が、あなたの頭上に襲いかかってきたのだ!
 ガラガラガラ・・・ガッ、ゴツッ・・・ガラララララ・・・。
 鈍い音と衝撃を伴った奔流に、あなたは巻き込まれる。必死に頭を庇う腕や無防備な身体の部分に、重く固い瓦礫がぶつかり落ちていく。
 幸い新たな崩落は微少なものだった。軽い打撲と擦り傷が出来ただけで深刻な傷は無い。
「まだ崩れやすい部分があるようだ! 気を付けてください!!」
 同じように頭をかばいながら少し土砂を浴びた翔彦が、まるで雪崩を恐れる登山家のように声を抑えながら、それでいて強い口調で警告を発する。
 傷は深くない。あなたたちは探索を始める。

 薄暗い赤光に透かされた向こうから、懐中電灯の灯りと思える白い点がユラユラと揺れながら近づいてくる。関係者―――翔彦―――と連れ立っている事で見咎められる事のない安堵を感じながら光を見つめていると、やがて暗がりから姿を現したのは、懐中電灯を手にした長内香織だった。
 闇の中でバッタリと会ったあなたたちはお互いに驚きはしたが、理由を尋ねる必要はなかった。まず陵世羅が姿を消した現場に足を運ぶ事は、互いにそれほど意外な行動ではない。
「もう何度も訪れた場所なんですがね・・・」
 そう言って翔彦は疲れたような笑みを浮かべた。世羅が行方不明となってから幾度もこの場所を訪れたのだという。彼女を開発計画のメンバーに推した翔彦であるから、その責任を感じての行動だろう。

 これと言った収穫のない探索の後、3人で連れ立って万座殿を出る。 
「では、私はこれで」
 そう言って翔彦は雑踏の中へと歩み去った。あなたも香織に別れを告げ、新駅前を後にする。
(ロールに1回成功、1回失敗しています)


【調査・1】
 まずは時間的な制約から廃ビル(第1白凰ビル)の現在の所有者から調べることにする。午後2時頃から「すずや」の出入り口に休憩中の札を下げて、新駅前へと出かける。目的地は登記簿の閲覧ができる法務局だ。
 所定の書類に必要事項を書き込み、定められた登記印紙を添付する事によって、難なく目的は達せられた。
 現在の第1白凰ビルは**開発というありきたりな名前の不動産会社が所有していた。過去の登記を遡っていくと、何軒もの不動産業者の手を転々と渡り歩いている物件である事が伺え、最終的に**開発が競売でこの物件を落札、所有するに至っている。乙区の登記を見るに、現在は何ら権利関係がついていないことから、担保価値すらないのが現状なのだろう。**開発に問い合わせてみれば現在の販売価格を知ることが出来るかもしれないが、あまり意味のある行動だとは思えない。
 つまり、廃ビルはただの「待ち合わせ場所」に過ぎず、特異な意味のあるポイントというわけではなさそうだ。
 ついでに「すずや」の登記簿を閲覧してみると、所有者にはしっかりとあなたの名前が記されていた。しかし立地が地下である上に出入り口は他の店舗との共有地であるため、担保価値はあまり高い物とはならないだろう。まだまだ頑張らなければならない事を痛感して、あなたは少しガックリとした足取りで法務局を後にした。


【調査・2】
 一ヶ月前の新聞を引っ張り出し、インターネットでニュースのバックナンバーを検索して、B13区画の事故についての記事を集め、整理してみる。クサカベによって発表され開発計画の概要は、大体以下の通りのものだった。

 万座殿の第13期開発計画とは、B13区画の整備工事〜店舗誘致までを包括したプロジェクトである。
 株式会社クサカベの都市開発事業部が中心となって設計やコンセプト・デザインを行い、8年後には店舗誘致までを終える予定であった。計画は6ヶ月前に開始されたばかりで、整備工事に入る前の基礎工事の段階まで進んでいる。
 現在は、事故の原因究明と安全確認が終わるまで、計画は凍結されている。

 B13区画開発チームは20名前後のメンバーで構成され、段階に応じて所属メンバーが入れ替わるはずだった。現在はクサカベ、日下部建設、日下部マテリアルの3社が中心となって推進しており、3社の代表者に加えて國史院大学・地質学研究室からアドバイザーを迎えて基礎工事の最終調査を行っていた。

 コア・メンバーは以下の4人。全員が崩落事故に巻き込まれた調査班(7名)に名を連ねている。

 店舗誘致担当、開発責任者:日下部 矢尋(株式会社クサカベ、救出)
 建築調査担当:陵 世羅(株式会社日下部マテリアル、行方不明、事故死?)
 地質調査担当:巳堂 英一(國史院大学・地質学研究室、救出)
 建築担当:太田 君雄(株式会社日下部建設、事故死)

 調査班メンバーの残りの3名の内訳は日下部マテリアル社員1名、日下部建設社員2名であり、3名とも崩落事故の際に死亡している。

 この中で昨夜招待状によって導かれ、廃ビルに集まったメンバーの関係者と言えば―――
 巳堂英一。崩落事故に巻き込まれた張本人であり、2人の生存者のうちの一人である。
 そして陵世羅。昨夜集まった11人の共通項であり、この騒動を引き起こす鍵となった人物だ。