第3回 情報開示
プレイヤーの皆さんは今回のアクションに対するリアクションで知り得た情報を開示してください。方法はこの発言に対するコメント(RE:)の形でお願いします。
手に入れた情報、気になった出来事、出会ったNPCとその素性等、なんでも結構です。
最低一つは情報を開示して下さい。
出羽 清虎
昨日の悪夢を振り払うために、日課であるロクスケへの餌あげに行く。二日ぶりにその姿を見ることができたことに安堵し、心が癒される。しかし足の怪我が気になる。医者に見せたいが・・・。
昼はブティック「キルケゴール」に足を運び、二年前に死んだと言う杏里さんの情報を店員の女性に聞く。目ぼしい情報は得られなかったが、彼女が写る三年前の写真を見せていただく。・・・余りにも容姿が世羅さんに酷似していた。・・・あまりにも。
夜は馴染みの動物病院にいく予定だったが、万座殿へと向う杏里さんを見つけ、何か気になり彼女のあとを追うことにした。ここで昨日キルケゴールで会った英東児さんとまた一緒になる。ほどなく自分に気づいた東児さんと共に杏里さんの追跡を開始する。
彼女はB7区画で4人の若い男に声をかけ、談笑しながらB13区画へ向う。その姿は昔の世羅さんのようだった・・・。昔の記憶が蘇り、違和感が膨れ上がる。
杏里さんたちの後を追ってB13区画の闇の中へ。若者たちと、誘うような態度の杏里さん。
嫌な予感がする。足を速め、薄明かりのエリアに踏み込んだ。そして―――
白色の薄明かりで、そのエリアはボゥッと浮かび上がった光の真ん中には、ブラウスをはだけられ、白い下着をあらわにした杏里さんが、尻餅をついたような姿勢で倒れていた。その四方を囲むようにして若者たちが立ち尽くしている。
若者たちの体は、まるでクリスマスツリーに巻きつく電飾コードのように見える白い光を不規則に明滅させる半透明の蔓のようなものでがんじがらめにされていた。蔓の表面には紙のように薄い水晶の棘が、まるで魚の背鰭のように垂直に生えている。それをパリパリと音を立てて砕きながら、大蛇が獲物を絞め殺すかのように、蔓はゆっくり、ゆっくりと若者たちを締め上げていく。強まる締め上げに呼応するように若者たちの口から苦悶のうめき声が搾り出される。そして―――赤羽さんのように砕け散る人間だったもの。4人の若者の身体は、結晶化し、粉々に砕け散った。
そして彼女はつぶやいたんだ!! 4人の若者の破片(死体)に囲まれた杏里さんは、小さく溜め息をついて欠片を見渡しながら!! し、しかし、その声にはさほど残念な様子は混じっていなかったんだ!!
「あらあら。やっぱり行きずりの魂では昇華できないんですね」
そして右手を口元に当ててクスクスと可笑しそうに笑い出す。
その仕草は、そう、自分が良く知る「杏里の姉・世羅さん」の仕草にそっくりだった!!!。
口元から右手を離すと、杏里さん(と半透明の蔓)は誘うように自分と東児さんに誘惑の言葉を投げかける。
しかしそれは自分にとっては到底許容できる類のモノではなかったんだ! 思考より本能が身体を動かした。恐怖と嫌悪感。根源的なその本能が無意識に全速力で走らせる。
闇に包まれた地下道を何度もつまずき転びながら恐怖から逃げ、全力で全力で拒絶する! 恐怖が恐怖が追いかけてくる、俺の背中に今にも蔓が迫っているのではないか、という妄想が湧き上がるから。
しかし何とかB13区画の崩落現場から脱出し、白い蛍光灯の灯りがある「現実世界」に自分は戻ってきた。しかし、気付いて見れば東児さんはいない・・・彼はどうしたのだろうか? 彼は闇の中に残ったのだろうか?
しかし、急にあの怪物のクスクス笑いから耳の奥でこだましたような気がしたんだ! 恐ろしい恐ろしい!! 俺は駆け出す早く早く、もっと速く、より遠くへ!! あの声が聞こえないように全力で・・・そんなところがあるのかは解らないが・・・。
長内 香織
死んだ筈の世羅さんからの手紙を受け取って、正直驚いたし、その謎を解きたいとも思った。
でも、今日も私は柚織ちゃんの事を心配している。
私が占いが趣味だと言うと、いつも笑いが取れる。
まじめに取り合ってくれたのは、今までに2人。
世羅さんと、柚織ちゃんだけ。
だから、柚織ちゃんを守ってあげたい。
パールで会って、何とか水晶の首飾りを渡してもらうよう話してみたけど、出来なかった。
招待状のナンバーと、彼女のラッキーナンバーが同じだから。
そして何より、彼女は世羅さんが生きていると信じているから。
赤室さんを殺したかもしれない、首飾り。その話を聞いても、柚織ちゃんにとって、それは「幸運のお守り」だと言う。
世羅さん。
あなたは、本当に生きてるんですか?
生きてるんなら、こんなにもあなたを信じてる柚織ちゃんを裏切ったりはしないですよね?
私だって、世羅さんの事を信じたい。
でも。
胸騒ぎは、消えない。
帯刀 祐二
結局何も出来なかった・・・。
自分はもうちょっと何かが出きると思っていた。イヤ、そう思いたかっただけかも知れない。
月辺 鈴姫が死んだ。
要するに俺は何も出来ないってことだ。
陸上部にいたって早く走れない、だから逃げ出した。そんな中途半端な俺に人が救えるはずなんて無かったんだ。
・・・世羅さんを捜そう。
何で俺みたいな人間に手紙を出したのか、水晶を送ってきたのか。
聞かなきゃいけない。
何で俺みたいな何の価値もない人間を巻き込んだのか、その理由を・・・。
鈴原 志郎
それにしても、クサカベの力ってのは大したもんだな、昨日の今日でこうして赤室の部屋に入ることが出来るってんだから。
赤室の部屋で一人家捜しの真似事をしながら、あきれ気味につぶやく。
先に来ていた矢尋は、二冊の書籍を抱えて出て行ってしまった。
英語で書かれた医学書と詩集で、國史院大学の蔵書だと言う。
電話横のメモに國史院大学医学部に連絡をとったあとがあることからも、赤室は直前までその蔵書について調べていたのだろう。
じゃあ、次は大学の方だな、と考える自分に気付き、苦笑いする。これじゃまるきり探偵だ。なんでサテンのマスターがこんな・・・。
そもそもなんでこんなことを、と思い気付く。別に世羅の行方が心配だからと言うわけでもあるまい。彼女は、あくまで常連客の一人だ。
結局、単に今の状況が気に入らないだけだ。あの手紙から続く一連の出来事。すでに悪戯で済むレベルを超え、自分にどうこう出来る範囲もとっくに過ぎている。
矢尋がいろいろ動いているようだが、彼の手でも、やはり余るだろう。
それでも、自分がこうしているのは、やっぱり気にいらないからだ。
何の悪意か気まぐれか知らないが、自分に手紙と水晶を送り込んで巻き込んでくれた存在というのは、兎にも角にも実在するわけで、そいつを探し出して文句のひとつと、ついでに横っ面を殴りつけてでもやらないと気がすまない。
面倒な性分だと自分で呆れつつ、それでもやるべきことを見つけた様で少しすっきりした気がした。
さて、次はこっちの部屋だな、と奥の寝室らしき部屋に入っていく。
あと、もう少し手掛かりになるものが見つかればいいんだが・・・。
英 東児
「――――――ッ!!」
何度目だろう、大声でわめき出したくなる衝動を押さえ込む。
頭をかきむしりながら、今日1日のことを思い出す。
朝
巳堂英一に解析結果を聴く。
解析の結果証明されたのは“水晶化した赤室翔彦の破片が赤室翔彦の身体の一部であった痕跡が何一つないという事”。
(化学的に解析を進めて真相に迫る? お笑い種だ。真相に辿り着くのに何年かかる? くだらない)
夜にB13区画における水晶の明滅反応の検証をする巳堂英一と時間の取り決めをする。
昼
陵杏里が巻き込まれた事故について調査。
(時間の無駄だ)
不審な点は見当たらない。
(当たり前だ。陵杏里は真相をカモフラージュするためだけの存在。何の意味も無い)
夜
巳堂英一から行けなくなったとの連絡。
(検証よりも大事な急用?)
かまわず当初の予定通り一人で万座殿の取材。
(彼女は取材対象。特別な想いを抱いてはいけない)
「ワルイコ」たちと談笑する陵杏里。
(彼女に言い寄る男達の輪から一歩引いたところが、定位置)
彼らを先導して歩き出す彼女。その後を尾行する。
(B13区画開発スタッフに抜擢された彼女に、事故に注意しろとさえいえなかった)
同じく彼女らを尾行する清虎君に気づく。
(キルケゴールの店員の話を聞いたとき、咄嗟に浮かんだのは「陵が杏里に成りすましている」)
彼女はまるで「彼女」のように振舞う。
(パールで右手の甲を口元に当て笑う仕草を見たときから)
B13区画。
(俺は)
闇の支配する場所。
(彼女に)
4人の若者の身体は、結晶化し、粉々に砕け散った。
「あらあら。やっぱり行きずりの魂では昇華できないんですね」
右手を口元に当ててクスクスと可笑しそうに笑い出す。
(惹かれている)
「彼女」が手招く。
(俺は世羅を受け入れた)
ポケットからあのお守りを取り出す。
水晶を見つめているとまたあの衝動が湧いてくる。
世羅から告げられた残酷な事実。
あと3人。
人として許されることではない。それはわかっている。
だが2度も世羅を死なせるわけにはいかない。
どうすればいい?