#4 出羽 清虎





アクション1:
1アクション目=午前  
(場所)國史院大学付属病院精神科
(具体的な行動)
 松本葵先生又は先生の知り合いの教授にでも、9月9日にロクスケにあげた「手つかずのままで残っている鯵の干物」を調べてもらえないかお願いしてみます。しかしアポイントも無いと相手にされないと思うので、日下部矢尋さんに松本先生or大学側に協力してくれるように電話をしていただけると助かります。なので、先に日下部矢尋さんにそのように紹介の電話してもらえないかと頼んでおきます。
 餌やりの時に神話的生物に変わってしまった世羅or杏里さんが一緒にいたことが原因なのか、あるいは毒でもあるのか・・・ずっと気になっていたからです。他の野良猫・野良犬・カラスが口を付けないという事には何かしらの物質が彼女の周りに生成されているのかな? と疑問と不安を覚えたからです(なので、先生たちにもそれを強調して干物の調査を依頼)。二日たって腐ってきているかもしれませんが(干物を焼いたから大丈夫かな? とは思いますが)、どうか調べていただきたいですw またロクスケの足の怪我の様子もできれば相談し、怪我の回復をするにはどうすればいいかアドバイスしていただきたいです。   

2アクション目=午後
(場所)赤室翔彦のマンションに行く
(具体的な行動)
 昼は赤室翔彦のマンションに行き調査していた人間が見落としているかも知れないので再調査。とりあえず、懐中電灯をもって再調査。隅から隅までくまなくなるべく隠密調査です。カーペットの裏、PCのファイルの中、彼がよく見ていたネットのチェック、日記を探す、手帳を探す、テレビの上の時計の中、トイレの水タンクのなか、カレンダー、本棚、冷蔵庫の中など探して探しまくりますw 「真闇にのみ輝く“結晶化した知性”クィス=アズ」ということで、カーテンを閉めて暗くしてどこかに変化が無いか観察&聞き耳もチェックです。
 ここでもし世羅さん勢力のPC又はご本人に面会してしまったら低空タックルでぶちかましして押し倒し隙を作り、玄関に向って全力ダッシュで逃走を狙います。

3アクション目=夜
(場所)陵世羅のマンションに行く
(具体的な行動)
 夜は陵世羅のマンションに行き再調査です。ここでも懐中電灯をもって恐る恐る再調査w。隅から隅までくまなく調査しますが、なるべく隠密にw カーペットの裏やソファーの間や下、PCのファイルの中、彼がよく見ていたネットのチェック、日記を探す、手帳を探す、テレビの上の時計の中、トイレの水タンクのなか、カレンダー&その裏、本棚、冷蔵庫の中など探して探しまくりますw 「真闇にのみ輝く“結晶化した知性”クィス=アズ」ということで、カーテンを閉めて暗くしてどこかに変化が無いか観察&聞き耳もチェックです。(「真闇にのみ輝く“結晶化した知性”クィス=アズ」ということで夜しかも真闇の中なら何か見つかるかもしれないと考えてです)。
 ここで、世羅さん勢力のPC又はご本人に面会してしまったら、貴方たちはなにをしようとしているんだと時間を稼ぎつつ、持っている明かりを一度消して暗闇を作り、もう一度ライトを付け直して顔に向って目くらまし、そのまま低空タックルで押し倒し玄関に向って全力ダッシュで逃走を狙います。




リアクション1:
【國史院大学付属病院・精神科】

 あなたは長内香織、苑原柚織と連れ立って國大付属病院を訪れ、受付で松本葵医師と面会したい旨を告げる。幸い空き時間であったのか面会の承諾は取れ、受付で教えられた順路通りに彼女の待つ診察室へと足を運ぶ。
 ノックをして扉を開けると、日下部矢尋のオフィスで見たのと同じ服装で松本医師は椅子に座っていた。向かいの椅子に座るよう促し、書きかけのカルテの整理をし終えてからあなたたちと向かい合う。
「出羽君だったかしら? えーと、そちらのお二人は・・・初対面よね?」
 香織と柚織が自己紹介すると、松本医師はなるほどと一つ頷いた。矢尋から名前だけは聞かされていたのかもしれない。
 あなたは持って来た新聞の包みから鯵の干物を取り出し、灰色猫ロクスケの異常な行動を伝え、鯵に毒物などの混入がないかを調べて欲しいと依頼した。
 鯵の干物とあなたの顔を交互に眺めた後、松本医師は次のような短い台詞を唇から漏らした。
「・・・本気マジ?」
 呆れた表情でジロジロとあなたを頭の天辺から足の爪先まで眺め、フゥと一つ溜め息をつく。そして今度は辛抱強く諭すかのような口調になって話し始めた。
「あのね出羽君、ここって精神科なのよ」
 次いで白衣の胸ポケットに付けられたネームプレートを指差して、読み上げる。
「せいしんか、まつもとあおい」
 成熟した女性らしくゆるやかに盛り上がる胸部には、小さな写真とともに「精神科・松本葵」という文字が見える。
「精神科ってあまり試薬を使ったりする場所じゃないのよ。だからその干物の薬物反応を調べる場所としてはちょっと不向きかな。もしそれを承知でここへ来たのなら、別の意味で興味深い観察対象になるわよ、あなた自身が」
 大学で薬物反応を調べるには正規の手続きと費用がかかること、もっと簡単に調べてくれる機関として動物病院や保健所があること、ロクスケの怪我については精神科よりは外科、それ以上に獣医学部あたりに聞いた方が良いこと等を、次々と説明していく。
「そういう訳で、来る場所間違っちゃっているみたい。力になれなくてごめんなさい」
 干物を新聞紙に包み直し、あなたと香織は松本医師の診察室を出た。


【赤室翔彦のマンション】
 赤室翔彦はクサカベ・グループで借り上げたマンションの一室に住んでいた。茶色いレンガ風の外装の6階建てマンションの最上階の一室に「赤室」という簡素なプレートが出されている。
 日下部矢尋の話では、翔彦は単身赴任でこの白凰市にやって来ていたらしい。N県に妻と子供がいるのだという。翔彦の死は既に家族に連絡済であるが、その死因は巧妙に偽装してある、と矢尋は語った。「結晶化して砕け散りました」などと話せば、たとえそれが真実であっても、問題が生じる。矢尋の判断どおり、「真実」を「事実」とする必要はない。翔彦が死んだ「事実」は家族に伝えられべきものだが、その死にまつわる「真実」は伝えられるべきものではない。少なくとも、現段階では。

 矢尋から預かった合鍵で翔彦の部屋へと入る。
 男の一人暮らしにしては、部屋は片付いている。妻が通ってきて掃除をしていたのかもしれない。もしくは、翔彦自身が綺麗好きだった可能性もある。
 リビングにあるサイドボードには、翔彦が家族と一緒に写った写真がスタンドに入れて飾ってあった。やさしく微笑む髪の長い妻と、小学校低学年くらいの娘と一緒に写る、笑顔の翔彦。粉々に砕け散った翔彦は、再び妻子に笑顔を見せる事はおろか、亡骸すら家族のもとへと帰る事はない。

 フラリと入った寝室。そのベッド横のライトスタンドに見つけたものに、あなたは酷く狼狽した。
 まず写真立て。リビングにあったものとまったく同じデザインのそれに入っていた、その写真。おどけた様な笑顔で互いに抱き合う赤室翔彦と陵世羅の写真。
 そしてイヤリング。大粒の水晶のはまった人目を引く派手なデザインの、それ。リビングで見た翔彦の妻と思しき女性のイメージには合わない、ソれ。陵世羅に似合いそうな、ソレ。
 二つの小物が雄弁に語る事。翔彦と世羅の関係。
 何かがせり上がってくる。嘔吐感にも似た何か。―――リビングは誰によって整頓されていたのか?
 得体の知れない何かに急かされるようにして、あなたはリビングを突っ切り、翔彦の部屋を出た。主と、通う者とていなくなったその部屋の扉が、まるで遠慮するかのように音もなく、そっと閉まった。
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【陵世羅の部屋】
 紺色のドアについた金色のドアノブの鍵穴に合鍵を差し込んで回す。ガチャという感触が開錠を知らせ、ノブを回すと扉は容易に開いた。
 部屋は綺麗に片付いている。今まさに世羅がドアを開けて帰ってきてもおかしくないほどに、部屋の佇まいは自然だった。誰かが定期的に入って管理しているのかもしれない。
 部屋の内部はいかにも世羅らしく機能的に整理されている。ただ、所々に置かれた安っぽい占いグッズが、冷たくなりがちな部屋の印象を不器用に和らげている。さっぱりした中にも親しみ易さを備えた、世羅の人柄そのものだ。それら占いグッズを見て回るが、あなたの持つ「幸運のお守り」と同じ物は発見できなかった。

 何気なく入った一室で、あなたは慄然たる記号を発見し、立ち竦んだ。
 そのコルクボードは寝室の壁に掛けられていた。世界地図が貼れそうな、大き目のボードだ。
 ボードには数枚の写真がピン止めしてある。近づいてよく見てみると、写真にはあなたが良く見知っている人物たちが写されていた。赤室翔彦、長内香織、鈴原志郎、月辺鈴姫、日下部矢尋、久遠奨、英東児、巳堂英一、苑原柚織、そしてあなた。コルクボードには招待状を受け取った人物の写真が一枚ずつ貼り付けられているのだ。写真の裏には招待状に振られていた「ナンバー」に対応する数字が書かれている。
 その中の翔彦の写真、裏にナンバー「1」と記されたそれが、あなたを恐怖に陥れたのだった。表面に赤いマジックペンで×印が書かれた翔彦の写真は無数のピンによって刺し貫かれ、貼り付けられているというよりは串刺しにされた状態でコルクボードにぶら下がっていた。翔彦が謎の言葉を残してこの世を去った今、これはあまりにも暗示的すぎる。翔彦の身に降りかかったあの悪夢的な最期は、いったい何者の仕業なのか?

 コルクボードに貼られた写真に何気なく手を伸ばすと、一枚の写真の右隅に、何か小さな文字が書かれていることに気付く。
 赤いマジックペンで「雲を呼ぶ声」との走り書き。
 その意味は不明だが、「声」と言うキーワードはある少女を思い起こさせる。果たして、写真には愛らしく微笑む苑原柚織が写っていた。文字は柚織が「雲を呼ぶ声」少女であることを表しているのか? それは何を意味するのか?

 そしてもう一つの謎。
 “何故このコルクボードに「陵杏里」の写真だけがないのか?”
 その答えを知る者は、まだいない。

 紺色のドアは音もなく上品に閉まり、帰る主のない無人の部屋を再び密封する。
 陵世羅の部屋。そこに、あなたは秘香を嗅ぎ取れたであろうか?
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