#4 苑原 柚織ルート





長内 香織
【ルート選択】

 どうも。
 ここまで来たら、柚織ルートで行きます。
 よろしくお願いいたします。




 9月11日、深夜。
 赤室翔彦に続いて月辺鈴姫が死亡した後、どちらからともなく「今後の方針についての会合を持ちたい」という話が出た。あり得ざる恐怖によって、文字通り打ち砕かれた二人。これ以上不可解な犠牲者を出さないために、自分自身が犠牲者とならないためにも何らかの対策を講じられないか、という縋る気持ちもあっただろう。
 新駅前にあるファミリーレストラン「リゼルポット」にあなたと苑原柚織はいる。
 様々な疑問が出た。翔彦や鈴姫のあの死に様はどういうことなのか? 陵世羅からの手紙は悪意を持った罠なのか、善意の警告なのか? 誰が一連の出来事を引き起こしているのか? B13区画の瓦礫の山にいたのは、本物の世羅なのか?
 まともな解の得られない問い。焦り。ひとしきり疑問を噴出させた後に降りた、重苦しい沈黙。

「あの・・・」
 沈黙を破ったのは、意外にも柚織の愛らしい声だった。何事かと無言で先を促すあなたの様子に柚織は怯んだように俯きかけたが、気を取り直すようにして顔を上げ、自らを落ち着かせるように、編み込みにそっと手を遣った。内気な柚織にしては珍しく決意に満ちた表情で正面から注目を受け止めている。
「こんな時にゴメンナサイ。でも一つだけ外せない用事があって」
 柚織は、明日の夜に白凰文化ホールで開催される合唱コンクールにはどうしても参加する、と言った。彼女の所属する聖ジェローナ女学院コーラス部がそのコンクールに参加し、彼女が独唱パートを任されているということはあなたも知っていた。
「こんな時に歌なんかって思われるかもしれませんが、部の皆には迷惑かけられないし、それに・・・」
 一旦そこで言葉を切り、柚織は首から下がる世羅から贈られた「幸運のお守り」をぎゅっと握り締めた。
「本物の世羅さんはコンクール本番には必ず来てくれるって言っていたんです。ソロに選ばれたら、花束持って聞きに来てくれるって。だから、世羅さんの期待に応えたい。応援するって言ってくれた言葉には、嘘はなかったって信じているから」
 それでも明日の夜までは方針に従います、と言って柚織は言葉を終えた。

 あなたたちは明日の予定を確認しあって解散する。
「・・・絶対に失敗できないんだから」
 幸運のお守りを握り締めて呟く柚織の姿が、妙に印象に残った。

【出題】
 3APが与えられます。1アクション目=午前、2アクション目=午後、3アクション目=夜として行動を決定し、アクション申請してください。

共通行動:
白凰市の各地へ赴く(背景舞台「白凰市」を参考にしてください)

特殊行動:
文化ホールに苑原柚織の歌を聴きに行く ※3アクション目限定

 上記以外の行動も可能です。どこへ行って(場所)、何をするのか(具体的な行動)を明記し、判定ダイス(サイコロを5回振って出た目)を添えてメールにてキーパーに送信してください。
 よろしくお願いします。