#4 英 東児
アクション1:
PCが3対2に分かれた。呪文の分だけこっちが有利、と思っておこう。
日下部矢尋が所持する2冊の本、気になるところ。出来るなら焚書にしてしまいたい。
でもよく考えたらその本の元は[大学→世羅→赤室→矢尋]なわけだから、世羅は前からこういうことを考えていたということなんだろうか?
それに世羅が大学の蔵書をパクったというなら巳堂英一も協力してるのか?
いかん、思考が犬モードからずれていく(笑
[1アクション目]
昨日、約束をすっぽかされたのが(正確に言うと急用の内容が)気になるので巳堂英一に会いに國史院大学に。
月辺鈴姫が水晶になったこと、陵杏里が交通事故で死んでいること、万座殿で行方不明になった若者たちと一緒にいた女性が世羅に似た雰囲気の女性だったことを開口一番に言いましょう。属性変換の前は重要事項だったので。
解析結果を聞くときも変に思われないように態度に気をつます。
本題の、約束をすっぽかした急用のことを聞くのはその後で。
こちらとしては急用というのが日下部矢尋からのものだったのではないか、という疑念があるのでそこをつついてみます。
大学から盗まれ、現在日下部矢尋が所持している2冊の本についても聞いてみます。入手経路の個人的見解[大学→世羅→赤室→矢尋]も話して、巳堂英一の反応を見ます。
最後に今日は事故現場に調査に行くのか聞きます。行かないのなら、何かしらの情報を耳にした可能性が高いと判断できそう。
[2アクション目]
國史院大学医学部、形而上学部で取材を。
2冊の本『ヤディスからの幻視』、『ジーン・モーガンの幻視』がどういう本なのかということについて調べます。赤室(ないし日下部矢尋)が医学部に電話をかけていたようなので、その内容も調べます。クサカベについては記事に出来なくても大学の蔵書管理の杜撰さについては記事に出来るだろうから、相手が答えを渋るようならそこら辺を交渉材料にします。
[3アクション目]
國史院大学・地質学研究室に行く。
文化ホールに行って敵情視察をしてみたくもあるんですが、現在の身分は犬ですから(笑)。
世羅に、現在は日下部矢尋が所持している2冊の本についても聞きたいので。
入手経路、本の内容、現在所持している日下部矢尋がどの程度本の内容を理解していると考えられるか。
犬になっても好奇心は抑えられんということで(笑
<クィス=アズの芽を発芽させる>を苑原柚織に使用。
リアクション1:
【國史院大学・地質学研究室】
研究棟の受付で名前と用件を告げると、警備員が内線電話で用件先へ連絡を取ってくれる。いつもであれば目的の研究室までの順路を教えてもらって自分の足で研究室まで行くのだが、今日は手順が違い、警備員にここで待つように言われた。
待つこと数分、受付前に巳堂英一が姿を現すものの、その顔にはいつもの人懐こい笑みは浮かんでいなかった。
「あなたとは良い協力関係が築けていたと思っていたのですが・・・」
数歩離れた場所で英一は足を止め、あなたと正対した。いつもの学徒然とした不用意な気安さがない。むしろ、しがらみのない学生だからこそ出来る無遠慮な嫌悪の念を隠そうともしない。
「陵さんの名を名乗る何者かに協力すると公言(情報開示)したのはあなた自身だと聞いています。あなたが“加害者”側に回ったと分かっているのに、言いくるめられるほど僕はお人好しじゃないですよ」
徹底的な拒絶。耳を塞いででも、英一はあなたの言葉を聞くつもりがない事が分かった。あなたの行動―――情報を開示したこと―――によって、この事件に巻き込まれている人々全員があなたが「加害者側」に回ったことを周知している。この事件の異常性を考えると、いまだ被害者の立場にある英一の心を動かすことは不可能に思われた。
不穏な空気を察してか、警備員がこちらの様子を伺い始めた。あなたは踵を返して研究棟を去る。
「侮らないで欲しい。僕には僕の協力者がいる。黙って被害者の立場に甘んじる気はありませんよ」
背中に、英一の怒気を含んだ声が浴びせられた。
【國史院大学・形而上学部、医学部】
赤室翔彦の足跡を追って國史院大学の形而上学部と医学部に取材を試みる。翔彦が2冊の書物からどんな結論を導き出したのか? それを類推する助けになればと、そう考えていた。
形而上学部の事務室に取材の申込をする。中年の女性が上役と思われる男性にあなたの用向きを伝えると、男性は電話でどこかに連絡を取った後(ボタンをプッシュする様子から、おそらく内線だ)、受付窓口まで出てくる。
「当学部の蔵書についての取材ですか?」
あなたは『ヤディスからの幻視』の書名を告げ、閲覧許可を求める。
対応する男性(事務局長のようだ)は再び内線をかけに後方へと下がり、それが終わると許可申請の書類を用意するように指示を出している。
その緩慢な様子にあなたは違和感を覚える。まるで、時間稼ぎをするかのような対応。他の事務員も明らかにあなたの様子を伺っており、居心地悪さを肌で感じる。
(ロールに1回成功しています)
【出題】
形而上学部の事務局の対応を受けてのあなたの行動を申請してください。
アクション2:
まずい、情報開示の事を完全に忘れてた(爆)
ということでさっさとトンずらしますが、冷静に落ち着いて行動するように心がけます。
逃げる際に財布等の常備品以外の荷物はその場に置いて、トイレに行く振りの芝居を。
学生がたくさんいればそれにまぎれて逃げるんだけど、そうもいかない。
人目につかない様に正門などからは出て行かず、MIB(赤室水晶化の後片付けをしたお兄さんたち)ぽいのや警備員にぶち当たらないように注意します。
大学から逃げ出せたとしてもバス亭が見張られているようならタクシーを使います。タクシーの運ちゃんに妙な態度が見られたら、実力行使をしてでも降ります。どうあがいても逃げられないときは、さっさとあきらめます。
なんだか行動が被害妄想っぽいなあ(笑)
まあクサカベグループを敵に回しているから仕方ないか。
リアクション2:
【逃走】
不穏な空気を感じて、あなたは形而上学部の事務局を立ち去る。事務局長が背後からあなたを呼び止めるが、それは無視する。
事務局から充分に遠ざかった所で振り返ると、警備員が二人、事務局長の指示を受けてあなたに向かって走ってくるのが見えた。時間稼ぎはこのためだったのだ。
充分に距離が開いていたため、警備員に捕まることはなかった。巳堂英一の件もあり、あなたにとって國史院大学は危険な場所となりつつある。
【國史院大学・地質学研究室】
「今晩は」
待ち合わせをした友人に声を掛けるかのような気安さで、あなたと帯刀祐二の前に陵世羅は現れた。待ち合わせとして指定されたのは國史院大学の研究施設エリアの正門前。既に深夜であるにもかかわらず正門には煌々とした明かりがついており、無数の研究室が入った研究棟にも、未だ消えない蛍光灯の明かりが漏れる窓がいくつも見て取れる。まだ多くの研究員たちがいる気配がする。
現れた世羅の服装は、いつもの地味な「杏里の衣装」ではなかった。グレーのブラウスに黒のベスト、濃紺のパンツの組み合わせの、地味と言うよりは闇に溶けそうな出で立ちは、彼女がこれから起こす行動が隠密性に富んだものである事を物語る。
「じゃあ、行きましょ」
にこりと笑って、世羅は研究棟に向かって歩き出した。特に人目を気にする風もない、何気ない足取りで。
背後にあなたたちを従えた世羅は、迷うことなく歩を進めて目的地に到った。既に明かりの消えている一室。扉の横には「第1地質学研究室」と書かれたプレートが掲げられており、その下に研究員の名前と思しき複数のネームプレートがいくつも並んでいる。目敏いあなたはそのネームプレートの中に「巳堂英一」の名前を見つける。
無人となった研究室の扉は、当然のように施錠されている。ドアノブを握って鍵がかかっていることを確認した世羅は、しかし微塵の落胆も見せなかった。無表情のままドアノブを握り続ける世羅の右腕の袖から、幽光を放つ蔓が一本ニュルリと現れ、ドアノブに巻きついたかと思うといとも容易くそれを捻じ切った。阻む物のなくなった扉は力無く内側へと開き、3人の侵入者を招き入れた。
窓から入り込む微かな月明かりを頼りに、しかし確信に満ちた足取りで世羅は研究室を横切っていく。その歩みは、やがて奥まった一室の前で止まった。
「この中にある装置を壊して頂戴」
世羅はあなたたちの方を見ようともせずに、そう命令した。
(ロールに1回成功しています)
【出題】
世羅の言葉に従って部屋に入って命令を遂行するか、命令を拒否するか決めて申請してください。
アクション3:
命令を遂行します。でも世羅が自分で壊さないのはなぜ?
古の印かその類のものでもあるのかな?
リアクション3:
【装置破壊】
扉を開けて、祐二とともに研究室の更に奥の一室へ足を踏み入れる。
雑多な機器や積み重ねられた資料の山に埋もれるようにして、家庭用のミシン大の、用途不明な装置が目に入る。計器やケーブルが剥き出しになったその外観から、これがハンドメイドの機器であることがうかがえる。
「それよ」
入り口の方から抑えられた世羅の声がかかる。この不思議な装置の破壊が世羅の目的らしい。しかし超自然の力を持つ彼女であれば、このさほど丈夫とは思えない装置を捻り潰す事など赤子の手を捻るようなものと思えるのだが、世羅は決して装置に近寄ろうとはしないのであった。
あなたは手近地あったパイプ状の部品を握ると、突き刺すように装置へと振り下ろした。果たしてパイプは難なく装置を貫通し、それを破壊した。念には念を入れて10回ほどパイプを突き入れ、装置を完膚なきまでにガラクタへと変える。
部屋から出たあなたたち二人を、世羅は満面の笑みと抱擁で迎えた。たおやかな腕が背に回され、白磁の頬が胸に埋められる。吐息には安堵が感じられた。
幸い見咎められる事も無く、あなたたちは研究棟を後にする。世羅は左腕をあなたの右腕に、右腕を祐二の左腕に絡め、満面に喜色を浮かべて上機嫌で歩いている。
「これでお父さまも、お喜びになるわ」
障害は全て取り除かれた。
いよいよ“その時”が来る。