【5】ファフロッキーズ現象
◆三日目 05:08 加羽津村/村内
キーパー:(悠里)「早く逃げましょう!!」。2人が本殿を出ると、白々と夜が明けてきました。悠里と一緒に石段を村に向かって降ります。スタスタスター。悠里がかなり疲弊しているので、本来は15分で降りられるところを結構時間を食ってしまいました。石段を降り切ると、早起きのお年寄りが散歩していたりします。
高田D:「電話! 電話はありませんか!?」。
キーパー:(お年寄り)「デンワ? ああ、電話なら……」というところでポツッと。
高田D:「あ?」。
キーパー:老人も「ん?」と空を見上げると、サーッと赤いものが。
高田D:……悠里のDVDカムを回します。
キーパー:DVDカムを回す、と。ではザーーーーーッと、もう言いましょう、血が降って来ます。血と肉が降ってきますね。
高田D:(撮影中:ジーーーーーー)。
キーパー:「な、なんだ、コレは!?」と言って、老人もうろたえています。
高田D:とりあえず、雨宿りができる場所に駆け込みます。
キーパー:どうやら宮司が言ったとおり、「赤いもの」が降ったのは間違いないようですな。では、駆け出したあなたの背中に「ゴン!」と大きなものが当たりました。
高田D:お?
キーパー:えー、宮司の頭ですね。
高田D:ああ! やっぱり!
キーパー:続いて、ぼん、と左肩に何か当たりました。
高田D:何?
キーパー:矢田君の携帯を握った右手です。
矢田AD:(うわぁ……)。
高田D:「え!? この携帯!?」。
キーパー:すると、バラバラーッとあなたの周りに全員分の携帯電話が降ってきます。
全員:……。
高田D:「ほぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」。
キーパー:悠里は「キャーーーーーーーーーーーッッッ!」と悲鳴を上げてしゃがみこんでしまいます。ということで、血肉の雨を見て、高田DはSANチェックをしてみよう。SANチェックできるだけマシだと思おう。
高田D:(コロコロ)成功。
キーパー:じゃ、2減る。仲間の最期を知ったので、もう1度SANチェックを。
高田D:成功(喪失なし)。
キーパー:悠里の悲鳴をBGMに、村中がパニックになっています。
高田D:(撮影を続けながら)「恐ろしいことが、恐ろしいことが、今、起きています……」。
キーパー:そこへ佐智が走ってきます。「ディレクター! ディレクター!」。
高田D:「佐智! 消防は!?」。
キーパー:「雨が降り始めてから、やっと駐在さんが動いてくれて……!」。
高田D:「何やってんの、アンタは!!」。
キーパー:「すいません、すいません!」と言って佐智は頭を下げましたが、「でも……!」と言って顔を上げます。すると、あなたの顔を見ずに、あなたの背後へ目を向けます。「……あ、アレ、なんスかね?」。
高田D:……カメラを構えたままそちらを向きます。
キーパー:佐智は赤い雨の降る空を見上げて何かを指差します。「なんか、半球体と棒が組み合わさったような、それが複雑に重なって板になっているって言うか、カタマリになっているって言うか……。それがどんどん重なって、膨張して、空の向こう側に、じゃなくて、こっち側に……じゃなくて、裏側に、裏側から……」。(※ここでBGMを「The Buster!」に)。ここで<目星>ロールを振ってみましょう。
高田D:(コロコロ)失敗。
キーパー:じゃ、<写真術>ロールを。
高田D:(コロコロ)成功。
キーパー:ではカメラで、その、佐智が言っていたものを捉えられます。あのー、理科室の原子模型って分かる? 球体が棒でつながっているような奴。あんな感じのものが、雲間でフラクタルのように自動的に生成されているのが見えます。
高田D:「あ、あぁ……」。
キーパー:「あれ? なんだろう?」と思っている間に目で追ってしまいます。
高田D:追っちゃダメなのにー!
キーパー:しかもカメラでダオロスを捉えたあなたは<アイデア>ロールに自動的に失敗しますので、最後のSANチェックをしましょう。失敗すると面白いんだが。
高田D:成功。
キーパー:じゃあ1D10で良いよ。
全員:はは……。
高田D:(コロコロ)7減った。<アイデア>ロールは失敗。
キーパー:良かったねぇ。じゃあギリギリ一時的発狂には陥らなかった。何か分からなかったんだろう。佐智は「うわあーーーーーーーーーーーーー!」という絶叫を上げながら神社のほうへ走り去りました。
高田D:「……アレは、なんなのかしら?」。
キーパー:駐在があなたの方へ走ってきます。「コレはお前たちの仕業か!? お前たちが余計な事をするから、村が血だらけだ!!」。
高田D:ボーっとカメラを回しています。
キーパー:言いたいことを耳元で怒鳴った後、「向井さん!? 困るよ、おおい、向井さん!!」と言いながら、彼も神社の方へ走り去ります。
全員:……。
キーパー:血肉は5分間ほど降り続きます。血が止むと、猛スピードでロケバスがあなたの近くに乗り付けます。ガチャッと運転席のドアが開くと三波Pが出てきて「早く乗れ! とっとと帰るぞ!!」。ドアを開けて悠里を放り込むようにして乗せると、あなたたち3人は加羽津村を後にしたのでした。
◆三日目 04:27 ダオロスの異世界/???
キーパー:ちょっと時間を戻して、洞窟を進んだ5人は。
全員:来たよ。
キーパー:20mを超えたところで、エレベータが止まる時のような一瞬の浮遊感を感じます(※ゲートをくぐってMPを9消費)。で、「なんだよ?」と思ったら、周りには誰もいません。自分1人になっています。
教授:……ああ。
キーパー:で、前方から、何か原子模型的なものが見えて、それが広がって、迫ってくるような感じがします。それを見たので、皆さん正気度ロールを。
山さん:失敗。
教授:成功。
矢田AD:失敗。
林田:失敗。
ミッキー:成功。
キーパー:では成功した人は1D10で。(教授が2ポイント、ミッキーが3ポイント正気度を喪失)。良かったですね。ま、これはフレーバーみたいなもんですから。2人は自我を保ったまま死にました。
全員:(笑)。
キーパー:では失敗した人。1D100を振りましょう。1D100減ります。
山さん:64!
キーパー:ハイ、64減ります。
山さん:正気度、残り1!
キーパー:やるなぁ! 発狂するんだけど、最後まで「怖い!」という自我を残したまま死にました。一番恐怖を味わいながら死んでいきました。
矢田AD:60減った!
林田:80!
キーパー:はい、0! 発狂しました。
全員:(爆笑)。
キーパー:もうここはダオロスの異世界なので、なんにもない空間です。皆さんはパン! と、風船が割れるように破裂して死にました。で、降ってきました。