海神の神殿



7:海神顕現


竜宮キーパー:廊下(2)は高さ、幅共に5メートルほどで、両脇にパルテノン神殿のような柱が立ち並んでおり、どこからか、ほの明るく照らされています。壁と天井には浅浮き彫りが施されていて、玉座に座る神のような存在と、それにかしずき、杯を献上している人間や海の生物、特に多いのはイルカですが、その姿が描かれています。〈知識〉ロールをしてください(泰野教授と須堂が成功)。浅浮き彫りは、いわゆるギリシャ様式に似ているな~と感じます(※この後〈芸術(彫刻)〉ロールに成功すれば、浅浮き彫りが厳密にはギリシャ様式ではないことに気づきました)。ただし、泰野先生、新城、安坂には玉座に座っている存在がナメクジのような体を持つ奇怪な存在に見えます。
泰野教授新城安坂:おお!?
キーパー:そんなわけで3人は正気度ロールです(新城と安坂が失敗して1ポイント喪失)。須堂はロール不要です。須堂には見目麗しい、均整の取れた体つきの若者が玉座に座っているように見えます。夢の中で聞こえた声の主はこの若者であることが、須堂には直感で分かります。
須堂:なるほど。「私には見目麗しい若者に見えるのですが、皆さんは何故そのように顔を引きつらせているのですか?」(笑)
泰野教授新城安坂:「キモーイ、キモーイ」(合唱)
キーパー:(三谷)「キ……キモーイ、キモーイ?」と先生たちに乗ってきます(笑)
一同:(笑)


ライン


キーパー:皆さんはさらに奥へと進んでいきます。廊下は時間感覚を失うほど長く感じられます。やがて、15メートル四方ほどの四角い大きな部屋(3)へ出ます。天井の高さは8メートルくらいです。部屋の奥の壁を背にして一段高くなった演壇があり、その上には玉座が置かれています。
新城:なるほど。
海神グルーン(若者)キーパー:まず須堂に言うと、玉座に座っているのは若者の姿をした存在ですが、身長が3メートルくらいあります。いわゆるジャニーズ系の美青年で、下帯だけを身に着けた身体はギリシャ彫刻のように均整の取れたものですが、ほとんど大理石像に見えるほど真っ白な肌をしています。
須堂:ほほう。
キーパー:3メートルの頭上にそびえ立つジャニーズ系美少年という縮尺に、強い違和感を覚えます。海神(わたつみ)は身体から海水を滴らせています。演壇の下には耐圧ケースが捨てられていて、全裸の磯浦美和子が「我が神よ! 我が神よ!!」と言いながら、海神の片足にすがり、杯を差し出しています。
一同:……。
キーパー:海神が差し出された杯を受け取ると、ごぼごぼと音を立てて黄金色の液体が湧き出します。
新城:はいはいはい! 霊酒か!
キーパー:海神はそれをグイっとあおると、ハッとした表情を顔に浮かべてこう言います。「今こそ真実が見えたぞ……我こそはグルーン! 我はこれを求め欲していた!」須堂にはそう見えました。
須堂:はい。
キーパー:それ以外の皆さんには玉座の上のぐじゅぐじゅとしたナメクジみたいな存在が、くねくねと身をよじらせているのが見えます。
一同:ああ~。
キーパー:ということで、須堂以外は正気度ロールをお願いします。成功すると1ポイント、失敗すると1D10ポイントの喪失です。
新城:(コロコロ……)02! 頑張った!
泰野教授:(コロコロ……)成功!
安坂:(コロコロ……)失敗! (コロコロ……)8ポイント喪失!
須堂:残り22だったので……20%を軽く超えましたね。
泰野教授:一時的狂気を軽く吹っ飛ばして不定の狂気突入か。
キーパー:とりあえず、INTロールだね(安坂のINTは80もあるので、易々とロール成功)。しっかりと発狂したので一時的狂気の内容を決めようか。1D10を2回振って……(コロコロ)……5戦闘ラウンドの間、偏執狂にかかる。「みんなが襲い掛かろうとしている。信用できる者はいない。これはわなだ!」う~ん、これは助けられないやつだな~(笑)
安坂:「何だお前ら! お前も、お前も、お前も、敵だ! やれるものならやってみろ!」
新城:しかも安坂さんはバングスティックを持っているっていうね(笑)
一同:(笑)
キーパー:話は須堂に戻って、海神が杯から霊酒を飲み干すと、彼の口の端からぽたぽたと数滴の霊酒がこぼれ落ちます。そのしずくが磯浦美和子に降りかかると、彼女はそれをうっとりとした表情で舐めとります。
須堂:お?
キーパー:すると、今まで海神の足に抱き着いていた美和子は顔を上げて、一瞬呆然とした表情を浮かべた後、「ひっ! ひぃぃぃぃっ!!」と狂った悲鳴を上げます。
須堂:おお!?
キーパー:悲鳴を上げる美和子は海神から滴る海水によって、爛れ溶けていきます。海神は須堂に顔を向けると、「よく来た、しもべよ。褒美を取らす。近う寄れ」と差し招きます。
新城:ちなみにその様子は我々には?
海神グルーン(真の姿)キーパー:美和子が溶けて、ナメクジがぐじゅぐじゅいっています(笑)
泰野教授:そうか。その声は我々には聞こえないのか。
キーパー:そのような光景が展開されると、三谷努は「ひぃぃぃぃっ!」という悲鳴と共に逃げ始めます。「僕はもうチェイス・ラウンドに入りますよ!」
一同:(笑)
須堂:とりあえず、磯浦さんが溶けて死んだのを見て、「これはアカンやつや。美形だけどアカンやつや」ということが分かったので、「うわぁ~!」と言って逃げたいです。
キーパー:海神(美形)は霊酒を飲み干すと、杯をその手から落とします。カランと音を立てて、それは須堂の足元に転がってきます。杯からは滔々と霊酒が湧き出して、それが神殿の床に黄金色の水溜りを作っていきます。
泰野教授:霊酒は湧き出し続けているわけね……グイっとご相伴に与っちゃいますか?(笑)
新城:……杯に近づくことはできませんよね?
キーパー:いいえ。杯は海神の手から離れた場所に転がりましたから、手に取ることは可能です。
泰野教授:いや~……。
新城:ワンチャン、拾いに行く?
泰野教授:それなんだけど、う~ん……。
安坂:撃退方法になるか、完全に自分が撃退されるか(笑)
新城:須堂さんは逃げる?
須堂:正確には頭像を持っているので、それを海神に投げ返してから逃げようと思っています(笑)
新城:……杯を拾いに行きます!
泰野教授:逃げます。安坂くんを引っ張っていくことはできそう?
キーパー:安坂はバングスティックを構えて「近寄るな!」と言っていますが、チャレンジすることは可能です(笑)
泰野教授:そういうことね。じゃあ、どうしてあげることもできない。スマン、見捨てて逃げるわ(笑)