海神の神殿



キーパーの言い訳。


 プレイ時間は5時間12分30秒くらいです。でも2時間くらいは特訓していました。

 数年前に作り始めたシナリオでしたが、シナリオの解決手段が思いつかなかったので放置していました。そこで、思い出したように流行りのChatGPTに相談したところ、ちょっと面白そうなアイデアをもらえたので、ついに完成までこぎつけました。ChatGPTは行き詰った時に突拍子もないアイデアを出したりしてくれるので、面白い使い方ができると思います。

『新クトゥルフ神話TRPG(第7版)』ではリストラされてしまったと思しき海の小神グルーンですが、もちろん私のクトゥルフ宇宙ではバリバリに現役で悪夢を吐き散らしていますので、第7版用にコンバートして(というより、仏版『MALLEUS MONSTRORUM』からデータを引いてきて)登場させました。
 シナリオ作成に苦しんでいた際に、グルーンの登場する過去のシナリオを調査し、いくつか発見できたものの、やはり海中探索はハードルが高いらしく、ほとんどはすぐに地上に舞台が移ってしまうものでした。今回はどうしても海中探索にこだわりたかったので、過去のサプリメントなどを当たりまくって、資料を渉猟しました。

グルーンの登場するシナリオ:
  • 海底の都市:『クトゥルフ・タブレット』収録(必見!)
  • Terror at Erne Rock:Monograph #0326『Halloween Horror』収録
  • Dreams of Atlantis:『Lux in Tenebras』収録
  • The Strange & Sunken Fate of Karl Heinrich:ウェブ公開シナリオ、One shot adventures
 また、「水中探査(ダイビング)ルール」についてはサプリメント『The Bermuda Triangle』を参考にしました。歴史あるシステムは、探せばちゃんと公式ルールが出てくるので頼りになります。なお第7版にも〈ダイビング〉技能は存在していますので、気になる方は確認してみてください(『新クトゥルフ神話TRPG』68ページ)。
 今回は発生しませんでしたが、水中戦闘に関するルールは『Basic Roleplaying』ルールブックに収録されています。

 ついにSPHFの“神3”であった須堂建次が神話の彼方へと引きずり込まれてしまいました(このシリーズ、エピローグで失踪してしまうキャラクターが多い)。潤沢なリソースを残したまま、何もせずにただ逃げ帰っただけの須堂が消え、図らずもボロボロになりながら身を挺して仲間の逃走を助けることになった安坂が生還したのは、非常に面白い展開でした。
 ことあるごとに何度も言っていますが、神話の恐怖になすすべなく翻弄され、死んでいくのはNPCの役割です。探索者とは「隠された秘密を暴き、忘れられた場所を発見し、人間が知り得ない知識で武装してクトゥルフ神話の身の毛もよだつ恐怖に立ち向かう使命を持った人」のことです(『新クトゥルフ神話TRPG』28ページ)。今回のシナリオで須堂と安坂のどちらが“探索者”として相応しい振る舞いをしたかは、結果が示してくれたといえるでしょう。
 ちなみに、須堂生還の最低条件は杯から霊酒を飲んで、真実のグルーンを認知することでした。

【参考文献】
「神殿」ハワード・フィリップス・ラヴクラフト(シナリオ全般)
「The Infernal History of the Ivybridge Twins」モリー・タンザー(蔦橋兄妹)
「Traveller: The New Era」(シャーリィ)

【素材提供サイト】
 イラストAC
 びたちー素材館