目録185:ファントム・ゾーン 邪神街 上・下 ファントム・ゾーン 邪神街
刊行年:2016年 出版社:創土社 定価:各1,000円 著者:樋口 明雄
収録作品:−

ヴァレリィ: オウフ、うち扱いの物件ですか。
有味: 何だか、既に完結したシリーズにクトゥルーのレイヤーをかけてリブートした作品らしい。あらすじ的には通常空間から切り離されて「存在しなくなった街」で、何だかよく分からない“発現者”とそれを守る何だかよく分からない“守護者”が何だかよく分からない化け物相手にドンパチする話です。たぶん。何だかよく分からない。
ヴァレリィ: 持ち出してきた神話的存在がザイトル・クァエという超飛び道具だったので、さすがにビビりましたゼ。
有味: しかし、残念ながらクトゥルフ神話的要素に関しては消化不良のままだね。とりあえず植物的存在ということでザイトル・クァエを選んだのは理解できるが、結局名前を借りただけで既存の設定を踏まえるでもなく、新たな設定を付加するでもなく、存在自体は何ら展開しなかった。作者がザイトル・クァエについて理解していたかもかなり怪しいと踏んでいる。
ヴァレリィ: 作者さんはあまりクトゥルーに興味無さそうなので、CMFシリーズに入れ込む行為に無理があったのかも。
有味: 何だかよく分からないけど、ラスト付近で悪役が何の脈絡もなく《クトゥグァ招来》の呪文を口にしたりして、色々と脱力させられる作品だった。何だかよく分からない。本作からの持ち越しキャラクターで書下ろしが予定されているようだけど、こちらの時空扱いの物件になる公算が大きい。何だかよく分からない。
ヴァレリィ: 大逆転でスミスちゃんの文庫本館扱いになるような一冊を期待するのであります。
有味: 何だかよく分からない。



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