目録79:這いよれ! ニャル子さん 這いよれ! ニャル子さん
刊行年:2009年 出版社:ソフトバンククリエイティブ 定価:600円 著者:逢空 万太
収録作品:−

ヴァレリィ: ……やはりこの物件はウチの時空扱いでしたか。
有味: だんだん傾向が定まってきたな、このサイト的に。
ヴァレリィ: ゆるいストーリーに、クトゥルー神話を始めとした様々なネタが絡まりあって構成されたラノベって感じかな。
有味: 「こんなのクトゥルーじゃねぇ」とか「ニャルラトホテプはこんなんじゃねぇ」とか言うのは間違った対応だな。「クトゥルーの面白さはこういった懐の深さだよね」というのが大人の対応ってもんですよ。
ヴァレリィ: 「やったー! カッコイイー!」(シューマイ風に)
有味: とにかくクトゥルー神話も含めてネタ、ネタ、ネタのオンパレードなので、確かに読む人を選ぶかもしれん。ニャルラトホテプとクトゥグァの対立とかは、原典知らんとニヤリと出来んしな。その他のサブカル的ネタは個人的には5割以上理解できたと自惚れている。誰か読解力テストを作ったら挑戦させてください。 
ヴァレリィ: なお、有味氏が一番笑った箇所は「人肉屍食」でした。
有味: 息抜きにサラッと数時間で読めるので、歪んだ闇をノロノロと潜行するような御大の文体に疲れた人は読んでみても良いでしょう。個人的にはそれなりに楽しみました。シリーズ化されたらついて行く自信はありませんが。

 完結記念
完結記念
ヴァレリィ: 結局、シリーズ化されて最後まで付き合ったね。
有味: このシリーズの第1巻が2009年で、この文庫の目録79にエントリーされた、と。そして2014年3月現在で目録が147まで進んでいることを考えると、昨今のクトゥルフ・ブームがいかに凄まじいかを確認できるな。
ヴァレリィ: このシリーズがブームの一翼を担っていたのは間違いないよね〜。
有味: さまざまなメディア展開をしていってすそ野を大きく広げた功績は計り知れないな。そしてとにかく完結させたというのは素晴らしい。それだけで加点20%をあげられる。作者もあとがきに書いていたけど、続けようと思えば延々と続けられるし、需要もあるだろうから終わらせるのは難しいと思っていたのだが。
ヴァレリィ: 途中で何か大きなもの(設定)を持ち出しそうな気配を感じた時には、正直切り時か……と考えた有味くんでした。
有味: そういうの、求めていないので。あと、なんでアト子は原作に逆輸入されたのに、ニャル恵にはそれが叶わなかったのか? 受注限定で構わないので、figmaニャル恵を作ってください。



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